金 柑     79句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
とても変わった人と言われて金柑 田中亜美 海程 199902
金柑やおとがひ丸き像拝す 塩貝朱千 京鹿子 200005
金柑や産湯の波がみえました 神田夏果 海程 200005
剪定の切先金柑はきらり 葉月ひさ子 船団 200006
金柑の受けとめてゐる夕日かな 市場基巳 200101
金柑は独り黙して食らふべし 森山卓郎 船団 200103
初雪の来て金柑の甘くなり 井口ふみ緒 風土 200104
つまりそな金柑銜え鳥たちぬ 石井てう ぐろっけ 200107
金柑の流れてゐたる村の口 山尾玉藻 火星 200211
寡黙なる夫に金柑煮てをりぬ 吉田康子 青山椒 200303
死ぬことを思はぬ日なり金柑湯 戸田和子 200501
鐘の疣右手の金柑匂ひけり 横松しげる 遠嶺 200502
名にし負う其角の墓の柚子金柑 芝尚子 200503
寒醸す金柑の甕ゆすりけり 橋爪隆 春燈 200503
金柑の庭をんどりの駆けまはる 大坪景章 万象 200504
鵯の嘴の跡金柑に 須賀敏子 あを 200504
余寒空金柑くはへ尾長飛ぶ 木村迪子 酸漿 200504
鈴鳴らし金柑ほどの願ひごと 坂本敏子 京鹿子 200505
こもごもに鵯金柑を啄みに 松尾緑富 ホトトギス 200506
金柑や大往生の柩出づ 吉田島江 火星 200601
金柑のかぞへきれざる数を祝ぐ 大串章 百鳥 200602
金柑の金の皮食べ松の内 淵脇護 河鹿 200603
金柑の煮ゆる匂ひよやや更けて 淵脇護 河鹿 200604
金柑をつれない甘さだと思ふ 安居正浩 200704
日のさして金柑の木のぐいと出る 秋千晴 200705
寒土用残る金柑照り映える 長崎桂子 あを 200804
金柑の蜂蜜漬や春の風邪 青木陽子 酸漿 200806
揚羽来て金柑の新芽択びけり 高橋玲水 酸漿 200807
金柑の多雨に乏しき結実を 松尾緑富 ホトトギス 201001
金柑の花時に多雨如何にせん 松尾緑富 ホトトギス 201001
雪もよひ金柑煮る香仏間まで 久保村淑子 万象 201004
梅林に金柑の実の大樹かな 芝尚子 あを 201004
金柑をたわわにならせ佗び住まひ 池田光子 201006
切りつめし金柑の木に白き花 須賀敏子 あを 201009
金柑の黄を目印の谷戸の家 高橋盛男 春燈 201101
番犬の尾に金柑の落ちてをり 田中眞由美 ぐろっけ 201101
金柑の花の白さや余震あり 須賀敏子 あを 201109
金柑の花をこぼして夏の雨 椋本一子 雨月 201110
金柑の空あをあをと星座組む 丸井巴水 京鹿子 201202
金柑や兄は喧嘩に負けて来し 吉田葎 201205
金柑の花に茶店の名残見つ 細野恵久 ぐろっけ 201205
金柑に種六つあり誰に告げむ 高村俊子 万象 201206
金柑の残る一樹や風光る 泉和美 末黒野 201208
金柑を焦してしまふ訃報来し 大日向幸江 あを 201303
金柑を甘く煮詰めて母還る 大西八洲雄 万象 201303
金柑を通りすがりに誉めてをり 鈴木藤子 ろんど 201312
跳ぶ浅田真央金柑の甘く煮え 須賀敏子 あを 201404
金柑の甘くて青き味したり 佐久間由子 201404
金柑のよく熟れてをり青畝の居 北村淳子 ろんど 201407
金柑を丸丸包むお大福 森理和 あを 201501
金柑の回青してや年越ゆる 瀬川公馨 201503
金柑のこぼれ落つるか色尽きて 森山あつ子 六花 201504
金柑はひよの意のまま冬麗 須賀敏子 あを 201504
金柑がびつしり通りがかりの家 山内四郎 春燈 201507
ほつほつと金柑の花咲いて散る 須賀敏子 あを 201509
嘴の痕残る金柑春近し 原田達夫 箱火鉢 201511
寒金柑そのままにして目白待つ 須賀敏子 あを 201603
霜の夜の金柑あまく甘く煮る 林昭太郎 201702
金柑の花の散り敷く路地住まひ 大川暉美 末黒野 201704
朝市に蜜柑金柑金眼鯛 森なほ子 あを 201703
日向夏蜜柑金柑虫眼鏡 石森理和 あを 201704
到来の金柑二キロお裾分け 石森理和 あを 201705
金柑を八つ並べてあのねのね 鷺山珀眉 京鹿子 201803
金柑や鵯にも残す実を選び 須賀敏子 あを 201804
たわわなる庭の金柑いと甘し 石森理和 あを 201806
春の雷金柑ジャムを煮てをれば 窪みち子 201808
月明や金柑の花いや白く 須賀敏子 あを 201809
入日影庭の金柑色づきて 宮本俊子 雨月 201901
金柑の一つ一つにぽつぽつ日 根橋宏次 やぶれ傘 201901
碧玉に点じ金柑金兆す 浅井青二 雨月 202001
少々の苦味を残し金柑ジャム 須賀敏子 あを 202102
金柑をくはへ飛び立つ尾長鳥 枝みや子 やぶれ傘 202105
金柑の福福しさを持て余し 山田佳子 202106
楚々と咲く金柑の花見つつをり 柿原よし子 春燈 202110
金柑のあたりへ畑からけむり 根橋宏次 やぶれ傘 202201
金柑の色濃くなって鵯の影 須賀敏子 あを 202204
金柑や築百年の庭の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
金柑のたわわに主病んでをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
金柑の種を許せる甘さかな 赤座典子 あを 202303

 

2023年10月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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