菊根分   58句

月齢や暦のどこの菊根分    松根東洋城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨含む風感じつつ菊根分
川畑良子
199806
父の掌のやさし扱ひ菊根分
菅原修子
春耕
199807
菊根分けしてゐて耳の疎き爺
保坂加津夫
いろり
200004
菊植ゑて天日のあり余りたる
高橋さえ
200008
あまつぶのうなじにあたる菊根分
岡井省二
200106
ありし父と影を重ねて菊根分
桑田眞佐子
火星
200107
思出の指輸を外し菊根分
小池槇女
火星
200107
菊根分け老いて生きるもむづかしき
久保田一豊
いろり
200109
裏山に風の出てきし菊根分
小林光美
春耕
200205
遠景の沼の蒼める菊根分
吉田三保
200207
日和そのまま月夜にて菊根分
鷹羽狩行
200304
菊根分部厚き指を余しをり
吉田政江
200306
手間かけて半日がかり菊根分
松尾緑富
ホトトギス
200309
遺言といへるものなし菊根分
細井紫幸
草の花
200405
菊根分終へし夕べの寡黙なる
河口仁志
200405
父ほどの蕩に及ばず菊根分
小林正史
200506
菊根分つひの地の土匂ひけり
田畑時男
河鹿
200606
玉垣に鉢を並べて菊根分
阿部範子
200606
佛壇の父が声出す菊根分
田原陽子
200606
ききもせぬことに応へて菊根分
飛鳥由紀
200706
爪先に菊根分けせし土残す
田原陽子
200706
百鉢の根分け終へたる菊の主
鷹羽狩行
200804
三毛猫の垣根くぐり来菊根分
松井倫子
火星
200805
一年の土ごしらへや菊根分
神蔵器
風土
200806
哲人の顔して菊の根分かな
延広禎一
200806
借り畑のぐるりに食用菊根分け
伊藤トキノ
200807
花好きは母ゆづりなり菊根分け
村越化石
200807
マンションの子の囲みゐる菊根分
戸栗末廣
火星
200905
それぞれの土に咲けよと菊根分
舩越美喜
京鹿子
200907
菊根分け終へたる顔を園芸員
助口弘子
火星
200908
神官の襷掛けなる菊根分
渡辺数子
火星
200908
どの株も思い出ありて菊根分 中貞子 201106
泥の手に受くる夕刊菊根分 土田亮 末黒野 201108
菊根分こだはりといふ一語かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
母が来てしばらくをれり菊根分 松橋利雄 光陰 201203
孫達は都会に住めり菊根分け 上田雪夫 ぐろっけ 201305
菊根分貰はれ行くも垣根越 堀田順子 馬醉木 201306
絡み合ふいのちを解く菊根分 根岸善行 風土 201306
父母よりも長寿賜り菊根分け 嵐弥生 末黒野 201306
いかほどの余生ありやと菊根分 藤岡紫水 京鹿子 201306
運命も二つに分けて菊根分 高橋将夫 201406
高齢に後期がついて菊根分 吉田政江 201506
雑念を遥かにしたる菊根分 小林和世 201507
列島に大地震頻り菊根分 藤原照子 201606
問ひかけるやうに刃をいれ菊根分け 直江裕子 京鹿子 201607
それぞれにリボンをつけて菊根分 柴田志津子 201607
土の色信じ明日へ菊根分 藤森すみれ 201706
菊根分してそれからの針仕事 水谷文謝子 雨月 201707
隣家のシチューの匂ふ菊根分 中嶋陽子 風土 201806
菊根分土の匂ひが好きになり 三井所美智子 201808
花好きな母似の手つき菊根分 住田千代子 野に遊ぶ 201811
根分してちちははの菊あねの菊 岩木茂 風土 201905
草木塔守りし列島菊根分け 岡田桃子 201905
いつか背へ日差しの廻る菊根分 柴田佐知子 202005
夜の雨に思ひたちけり菊根分 溝越教子 春燈 202007
菊根分世代を紡ぐ考の鉢 長尾タイ 末黒野 202008
菊根分だけして帰る庭師かな 稲畑汀子 ホトトギス 202103
もふもふの気嫌よき土菊根分け 林田紀子 京鹿子 202306

 

2024年3月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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