菊 月    55句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
菊月や拓本の墨濃く匂ふ 川井政子 風土 199812
菊月の流れ白壁曲りけり 栗栖恵通子 199901
鉢植を並べ印度の菊月夜 鷹羽狩行 199908
菊月や塗りの燭台和蝋燭 大竹淑子 風土 199912
菊月や道は羅馬へつづくとふ 小山森生 199912

悼林翔先生

成すべきは成し菊月に身罷れり

鈴木良戈 200101
菊月の名にうつとりとしてをりぬ 志方桜子 六花 200101
菊月の走りすぎたるあうらかな 竹内悦子 200201
これよりは京の冷えいふ菊月夜 梅原悠紀子 百鳥 200201
菊月の市場のたたき踏みてをり 木野本加寿江 火星 200201
身と共に古りし身の伽菊月夜 山仲英子 200210
菊月の天竺に入るパスワード 高橋将夫 200212
菊月や母は日ごとに軽くなり 各務耐子 銀化 200212
菊月や読書の刻を作らねば 松尾緑富 ホトトギス 200302
菊月の水は井桁に流れけり 八田木枯 築地吟行 200310
菊月の五日の生まれにて候 鷹羽狩行 200312
菊月の蜂蜜ははや固まりき 河野扶美 ホトトギス 200404
菊月の水のゆくへの井桁かな 八田木枯 「夜さり」 200409
明るさを夜ごとに加へ菊月夜 鷹羽狩行 200511
百鉢のいづれも白き菊月夜 鷹羽狩行 200512
菊月や折目吹かるる八手網 深澤鱶 火星 200602
書に倦めば鶴を手折るや菊月夜 渡邉英子 馬醉木 200603
菊月夜くらき木蔭も香に満ちて 瀧春一 瓦礫 200606
菊月や子が生れ犬の消えにける 中島陽華 200612
菊月や猩々現れて謡ひける 竹内悦子 200612
息継ぎの菊月石塀小路抜け 丸井巴水 京鹿子 200612
白と黄のほかは眠りて菊月夜 山仲英子 200709
菊月や虚子筆百句屏風見て 永田二三子 酸漿 200801
菊月の東京の灯の瞬けり 大澤君予 遠嶺 200801
嬰を負うて父の背恋へり菊月夜 和田照子 200802
稟として白菊月の夜を香る 柳生千枝子 火星 200808
秋明菊月余咲きつぎ三十個 松崎鉄之介 200811
菊月夜残業帰りの道あをし 後藤眞由美 春燈 200812
菊月やかく永らへて句座にあり 稲次登美子 雨月 200901
菊月の日程表に婚二つ 大畑善昭 200901
菊月の白髪のすこし増えてをり 田口紅子 201001
菊月の大寺訪うて小半日 奈辺慶子 雨月 201101
菊月の子の手料理に招かるる 永田二三子 酸漿 201102
菊月の定まりがたき日和かな 島谷征良 風土 201103
窯変のはじまる気配菊月夜 上谷昌憲 201201
菊月の忌に参じ得ぬ身ひとつ 今井千鶴子 ホトトギス 201203
菊月や好青年は娶りしと 今井千鶴子 ホトトギス 201303
路地間口狭きがよけれ菊月夜 能村研三 201312
菊月の空に白線引くジェット 和田森早苗 201312
菊月の神官を待つ更地かな 千田百里 201411
針箱にははの歳月菊月夜 大上充子 馬醉木 201601
菊月や晴れて欲しき日みな晴れて 今橋眞理子 ホトトギス 201604
菊月や心変りは空にあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
菊月夜どこか遠くに下駄の音 加藤良子 春燈 201701
菊月の師の忌日和となりにけり 大木さつき ホトトギス 201705
菊月の昨日に続く今日の晴 稲畑汀子 ホトトギス 201710
脱稿のやうやくにして菊月に 稲畑汀子 ホトトギス 201710
今日よりと告ぐ菊月のおしながき 成宮紀代子 201711
菊月夜鏡いらずの髪を梳く 能村研三 201912
菊月や深み増したる酒の味 小長谷紘 末黒野 202001

 

2023年10月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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