飾 売    57句

行く人の後ろ見送る錺売    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
三越の獅子を見飽きし飾売 藤田宏 199803
飾売まづ水蓋を下しけり 岡本高明 200001
店先の灯を借り飾売つてをり 松尾緑富 ホトトギス 200001
荷車で注連飾売る親子かな 杉谷文江 200003
飾売りピアス光らせ謂れ言ふ 斉藤秀子 遠嶺 200004
来年を約して帰る飾売 中村公代 雨月 200202
藁屑をしきりに燃やす飾売 西川よし子 春耕 200203
一つ灯の中なにもかも飾売 青山丈 200203
片側にだけ日の当る飾売 青山丈 200304
輪飾りを作りつつ売る待つて買ふ 鷹羽狩行 200403
市終へて客の言ひ値に飾売る 下条みね子 200403
飾売り一間ほどを灯しけり 遠野萌 200404
荒縄のごとき指もて飾売 西宮舞 200404
福耳の親子なりけり飾売 山本浪子 風土 200501
時計台の下までひろげ飾売 榎本文代 万象 200503
一つ売り一つを足せり飾売 近藤幸三郎 風土 200504
人垣や早口になる飾り売 東郷すみ江 万象 200504
飾売茣蓙に赤子の眠りをり 須藤節子 万象 200505
飾り売り一の鳥居に店を張る 早川都 栴檀 200505
大笊へ銭抛り込む飾売 大木茂 万象 200603
少年の声よく徹り飾売 阪本哲弘 200604
飾売競ふ口上与太も入れ 増田大 春燈 200702
身を寄せる物蔭もなく飾売 青山丈 200802
鳩つれて日向に移る飾売 杉浦典子 火星 200803
くつさめを大きくひとつ飾売 鎌倉喜久恵 あを 200902
灯の揺るるベニヤ囲ひの飾り売り 廣瀬雅男 やぶれ傘 200902
潮騒に耳あづけゐる飾売 浜口高子 火星 200903
午からの日照雨いくたび飾売 岡本高明 船団 200906
愛想のよき強面の飾売 小川玉泉 末黒野 200912
太白星の山へもどりし飾り売 山尾玉藻 火星 201001
珈琲の出前届きぬ飾売 蘭定かず子 火星 201003
宝籤売り場並びに飾売り 瀬島洒望 やぶれ傘 201003
夜の風に稲藁匂ふ飾売り 廣瀬雅男 やぶれ傘 201203
昏れ残る路地の一灯飾売 秋山悌歩 末黒野 201204
飾売店の許可証首に掛け 福島松子 ぐろっけ 201204
飾売一家の子等のよく動く 中田のぶ子 ろんど 201204
スーパーの入口占めて飾売 今泉あさ子 末黒野 201204
しきたりの薄れゆく世や飾売り 鈴木一三 末黒野 201304
川すぢに忽然とゐし飾売 山尾玉藻 火星 201401
軒並べ宝くじ売り飾り売り 廣瀬雅男 やぶれ傘 201503
取り置きを根方に重ね飾売る 浅田光代 風土 201603
曇天の昼を灯して飾り売り 廣瀬雅男 やぶれ傘 201603
飾り売り腕の長さで計りをり 田中とし江 201604
風神の前に陣取る飾売 鎌田光恵 201604
地下道に藁の香広ぐ錺売 赤座典子 あを 201702
大湯呑両手で包む飾売 小沼ゑみ子 末黒野 201703
傍らに薬缶たぎらせ飾売 久米憲子 春燈 201704
こゑ太き越後訛の飾売 西川保子 春燈 201803
発電機のひねもす音や飾売 石黒興平 末黒野 201804
同じ場所同じ顔して飾売 斉藤マキ子 末黒野 201804
前垂れの福の一文字飾売 池乗恵美子 末黒野 201804
仮店の若衆無口飾売る 大日向幸江 あを 201901
同じ場所同じ顔して飾売 斉藤マキ子 末黒野 201904
飾売こたびは嫁を伴うて 笹村政子 六花 202004
声太き漢の訛飾売 大川暉美 末黒野 202104
海鳴りの町暮れかかる飾売 深川淑枝 202107
飾売畳一枚ほどの店 山田正子 202210

 

2022年12月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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