風 入    91句

秀吉の書状短しお風入   森田峠

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風入れにこころ波うつ形見かな 小川昭江 200007
風入れといふもあはれや被爆帖 林翔 200010
風入れの蔵書は持たず句会報 三枝邦光 ぐろっけ 200010
風入れの六百巻に堂狭し 伊田和風 円虹 200012
父となる子の単語帳風入るる 栗山よし子 馬醉木 200110
遠き世の真言陀羅尼お風入 橋添やよひ 風土 200111
風入や裾を余して曼陀羅図 近藤暁代 馬醉木 200208
藩公の発句集とやお風入 宮原悦子 雨月 200208
断簡の存問の句もお風入 渡辺昭 200208
風入や亡夫の定規もコンパスも 藤原照子 200210
思ひ出の遠きものより風入るる 小野島淳 200210
風入れよ矜持を以て閉づ履歴 伊藤白潮 200307
家系図の末にわが名や風入るる 神蔵器 風土 200309
風入れの昆虫図鑑に目を通す 布施まさ子 風土 200310
風入れや行李に結ぶ真田紐 前阪洋子 雲の峰 200408
風入れや柄革古ぶ子の竹刀 矢崎すみ子 200409
風入れや心にもある畳皺 矢崎すみ子 200410
国名の古りし地球儀風入るる 國分水府郎 草の花 200410
寒拾の二聖絵屏風お風入 安陪青人 雨月 200508
風入れやひらきて見たし神獣鏡 目黒慧 遠嶺 200702
風入や妣の着癖をいとほしみ 間宮あや子 馬醉木 200710
風入るる旧約聖書物語 泉田秋硯 200711
風入れの装束喜怒の漂へる 金子慶子 遠嶺 200711
頼朝公に息かかるほどお風入 大山文子 火星 200808
目録も漢字ばかりやお風入 大山文子 火星 200808
風入れと言ふ曼荼羅の公開日 朝妻力 雲の峰 200808
風入るる点鬼簿に載る人あまた 伊藤白潮 200809
まなうらに正装の父風入るる 清水節子 馬醉木 200908
風入れの巻絵ひもとく鉾の町 藤本一城 200908
流麗の平家納経風入れる 田下宮子 200909
風入れや母の着物にかくれんぼ 吉川隆 春燈 200910
風入るる母の着物や母の部屋 清水美子 春燈 200910
寺縁起僧侶二代のお風入 高橋照子 雨月 200910
風入れや国宝仏画勢揃ひ 飯田美千子 201007
風入れる司馬全集の多きこと 青山正英 201009
日蓮の曼荼羅本尊お風入 古田考鵬 雨月 201010
菩提寺の経百巻のお風入 高橋照子 雨月 201010
失効のいまも風入れパスポート 塩路隆子 201011
風入れの袂にありぬ守り札 辻井ミナミ 末黒野 201011
はからずもお風入れなり真如堂 谷村幸子 201011
風入れや源氏絵巻の母の帯 雲所誠子 風土 201012
風入れてははの手紙のをとこ仮名 浜福惠 風土 201107
風入やもの言ひたげな亡夫の紋 茂木なつ 春燈 201110
幽霊図吊して寺のお風入れ 松田明子 201111
留袖の出番待つ日々風入れる 竹内悦子 201207
市となれる村史にいまも風入れる 塩路隆子 201209
風入れて花の懐ときめかす 湯川雅 ホトトギス 201209
青楓蒔絵箪笥に風入れて 直江由季子 万象 201209
風入れや嫁して貰ひし父の文 宮井知英 201210
母との世つなぐ一衣よ風入れす 湯橋喜美 201210
大文字山を遠くにお風入れ 西畑敦子 火星 201210
風入や手擦れ激しき俘虜日記 宮井知英 201210
風入れの妣の抽斗秘密めく 佐藤玲華 ろんど 201212
お風入古文書にわが村の名も 川村清子 馬醉木 201302
杉木立ふかき檀林お風入れ 小林共代 風土 201310
文晃の雀翔つやもお風入 柴田近江 201310
南蛮屏風古色尚びお風入 室伏みどり 雨月 201310
お風入菩薩の面に影生れ 丸尾和子 雨月 201310
内陣の闇のしりぞくお風入れ 山尾玉藻 火星 201409
亡き夫のカメラ一式風入れす 小山直子 末黒野 201410
風入れて戻せる捨て句未練とも 北尾章郎 201411
風入れや二丈を超ゆる曼陀羅図 岡田史女 末黒野 201411
能舞台踏み場なき程お風入 三輪温子 雨月 201411
風入るる父の戦地の葉書かな 石橋邦子 春燈 201509
夏萩や薬師寺に風入れ替る 落合絹代 風土 201510
風入れや十干で記す通信簿 都留百太郎 末黒野 201510
風入れや夫の遺しし旅鞄 小渕二美江 春燈 201511
風入れや地獄極楽図の真つ赤 服部早苗 201601
取皿に風入れてみる御忌も過ぎ 井上信子 201607
はは在す十年日記風入れす 多田ユリ子 201608
風入れや師の形見なる愛蔵書 間宮あや子 馬醉木 201609
魂抜けの木偶の清姫お風入 佐藤貞子 雨月 201611
風入れやときには愛の匂ふもの 本多俊子 201611
風入れや押入れ隅の肩たたき 小沼ゑみ子 末黒野 201704
お風入古書肆に鍵のかかる棚 能村研一 201709
来し方や母の留袖風入れす 辻由紀 雨月 201709
パソコンに対ふ俳人お風入れ 小林輝子 風土 201710
風入るる謡本より父の声 大西由美子 春燈 201710
文机に載せ経典のお風入 小林共代 風土 201810
波郷桂郎をはせる寺のお風入 岩木茂 風土 201811
祖父の世の印半纏風入るる 曽根富久恵 201907
アトリエの風入れ替へて葉月くる 木暮陶句郎 ホトトギス 202002
籠り来し寝間に五月の風入るる 善野行 六花 202009
真贋はさておき蔵のお風入れ 能村研三 202010
隙間風入口出口あるごとく 天野美登里 やぶれ傘 202103
春寒の教室に風入れにけり 倉澤節子 やぶれ傘 202105
うすもののことに風入る身八つ口 小野寿子 202109
青葉風入れて心の窓ひろぐ 植村蘇星 京鹿子 202109
風入れて二十五冊の大辞典 布川孝子 京鹿子 202111
風入や靴に錆びたる滑り止め 森田明成 202112
老楽の身心共にお風入れ 阪倉孝子 202210

 

2023年7月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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