風 車      110句

街角の風を売るなり風車    三好達治

作品
作者
掲載誌
掲載年月
行きずりの風に応ふる風車 浜口高子 火星 199905
ベビーカーあら珍しや風車 桑原敏枝 いろり 199906
お地蔵の夜更けて廻る風車 小山森生 200005
肉親や止まれば赫き風車 中塚龍之介 銀化 200005
なけなしの風うばひあふ風車 松本康司 銀化 200006
われに帰りて風車まはりだす 藤原かかし 200010
風狂をすぐに装ふ風車 山室キミ子 銀化 200105
風車地蔵の鼻の欠けてをり 高畑信子 遠嶺 200106
風車無色無心に廻りけり 岩永恵子 百鳥 200106
まづ逆にまはつてまはる風車 城孝子 火星 200107
月光にしまひ忘れし風車 浅野恵美子 酸漿 200112
風車八十八ヶ所逆打ちに 唯野まり 200204
亀泣くや時々回る風車 天野きく江 200205
一芸のかざぐるまにも及ばざり 八條凛子 銀化 200205
風車風が機嫌を損ねけり 山田弘子 円虹 200206
よく廻る門前市の風車 渡辺貞子 春耕 200206
風車回るブラックホールかな 高橋将夫 200305
風車今朝一番の風得たり 藤原絹子 百鳥 200308
風車人の来るたび回りたる 高橋将夫 200404
風車にもためらひの一二秒 福井隆子 つぎつぎと 200405
人の世の始めと終り風車 小澤克己 遠嶺 200406
風呼びて風に色増す風車 水野粒子 200407
風車まわりゆっくり乳母車 栢森定男 風よ 200407
水子仏千体千のかざぐるま 守屋井蛙 酸漿 200407
軋みゐるペットボトルの風車 西畑敦子 火星 200408
風車ひとつ機嫌をそこなへり 上野進 春燈 200506
象が耳あげ風車廻りけり 林翔 200506
風車水子地蔵の夢の数 宮川迪夫 遠嶺 200507
風車あまたの橋をくぐりけり 吉田明子 200507
風車風の切り口見せてをり 渡部節郎 200507
ひと吹きをして子に渡す風車 鈴掛穂 200507
風車渡さるる子も吹かれをり 久保田哲子 百鳥 200507
山門の風を売るなり風車 和田照子 200508
風車きつねが面を外しをり 宮澤美和子 百鳥 200508
子地蔵の香煙細し風車 芦川まり 八千草 200511
風車笑ひ上戸の眠る時 瀬下るか 200605
風車かすかな風も見逃さず 寺田すず江 200605
風車昼半月の下にあり 犬塚芳子 200605
風車ほどには知恵の回らざる 高橋将夫 200606
何度でも回つてみせる風車 高橋将夫 200606
門前にひとり商ふ風車 鈴木多枝子 あを 200606
ころ合ひの風添へて売る風車 本間羊山 風土 200607
息吹くや色褪せきりし風車 ことり 六甲 200703
笑つても泣いても回る風車 高橋将夫 200706
風車廻りつぱなしに売娘留守 佐藤三男 万象 200707
一つだけ回つてゐない風車 高橋将夫 200707
風車回りつつ色溶かしをり 秋千晴 200708
縁日の風やわらかき風車 藤原りくを 八千草 200710
風車立て墓の名は弥七かな 田口鷹生 200801
河馬へ行くその道々の風車 坪内稔典 稔典句集U 200804
止まることばかり考へ風車 加藤克 200805
目の高さ合はせて児等へ風車 布川直幸 200806
三色に分かれ風車の止まる 本間直子 200808
泣き虫の子に風車よく回り 小島左京 ホトトギス 200809
からからと水子地蔵に風車 安藤久美子 やぶれ傘 200809
あかあかと亡き子ら走り風車 石寒太 炎環 200904
吾が息にたゆげに廻る風車 大橋敦子 雨月 200904
風車好きも嫌ひもなく廻る 高橋将夫 200905
うたふかに水子地蔵の風車 山本喜朗 雨月 200905
雪解けの誰の墓なる風車 山田美恵子 火星 200905
持て余す孤独の海へ風車 毛利すみえ 炎環 200906
風車テレビゲームに倦みし子に 山田夏子 雨月 200906
一斉にまはり紋日の風車 折橋綾子 200907
風車風ごと売つてくれにけり 武田巨子 春燈 200908
昏くなる砂場にまはる風車 淺場英彦 万象 200910
追ひ風を喜びもせず風車 高橋将夫 201005
弱き息ながら吹きみて風車 大橋敦子 雨月 201006
右廻り左廻りも風車 大橋敦子 雨月 201006
風車廻しをりなば子等寄り来 大橋敦子 雨月 201006
内面に空色配し風車 大橋敦子 雨月 201006
ねむりつつあかんぼゑまふ風車 森理和 あを 201006
これ以上廻れぬ早さ風車 米山喜久子 201007
風車やうやく風をとらへたる 平届澪子 六花 201007
日本に天つ風あり風車 竹下陶子 ホトトギス 201010
風車回るこの世の美しき 高橋将夫 201105
こはれゆく大地に赤き風車 福永尚子 ろんど 201106
風車動かず紫木蓮紅木蓮 中山皓雪 201107
風車墓にさされて斜めなり 大崎紀夫 やぶれ傘 201107
風車売も来てゐる秘仏寺 大地真理 201108
新体操のリボンくるくる風車 森下康子 201206
風車はじめの風は地蔵より 池田光子 風土 201207
風遊ぶ風車売り荷をおろし 柳生千枝子 火星 201207
父といふ抽斗にある風車 伊東和子 201306
川風やゆるりと軒の風車 池田節 春燈 201307
よく笑ふ嬰よく回る風車 見舘定子 京鹿子 201401
風車長らく亡妻を待たせをり 神蔵器 風土 201405
ほんたうは風に溶けたき風車 有松洋子 201405
一つ売れ一つ挿し足す風車 中村洋子 風土 201406
いつぷく屋の開け放たれて風車 浜福惠 風土 201406
風車まはる地蔵のかたえかな 菊地葉子 やぶれ傘 201410
風車人を癒して疲れをり 中山皓雪 201502
風車買ひてより子がよく走る 秋千晴 201505
「サンチョ・パンサ春の風車ぞ」佐倉郷 松崎雨休 風土 201506
眠さうな空を叱咤し風車 片桐てい女 春燈 201605
初めてにしては上出来風車 溝渕弘志 六花 201606
霊山にただただ回る風車 秋山信行 やぶれ傘 201606
一と息に廻るは廻る風車 久保晴子 雨月 201607
まはれまはれ母追うてゐる風車 村田あを衣 京鹿子 201702
訳もなく走りたくなる風車 大霜朔朗 末黒野 201704
風車風に遅れて回りけり 高橋将夫 201705
買ふまへに指で回して風車 安藤久美子 やぶれ傘 201705
千体の地蔵や千の風車 宮崎洋 春燈 201705
風車回さば母のゐたる日々 志方章子 六花 201709
廻れまはれ水子地蔵の風車 及川照子 末黒野 201906
風車還らぬ日々を廻したる 高橋寛子 京鹿子 202008
六つ羽根は米俵なり風車 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
風止んで配色を知る風車 森清堯 末黒野 202107
ビストロのテラスの隅に風車 渡邊孝彦 やぶれ傘 202206
風車まはして生れかはる風 小田嶋野笛 末黒野 202206
風車に息吹きかけて風生まる 渡辺とくゑ 202207

2023年4月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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