蚊帳吊草     57句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
描きみる構図蚊帳吊草の中 稲畑汀子 ホトトギス 199806
雨上り蚊帳吊草の立直る 稲畑汀子 ホトトギス 199806
蚊帳なき世蚊帳吊草の残りけり 能村登四郎 芒種 199911
裂くといふあそび蚊帳吊草の花 中尾杏子 200110
物納地ここがよろしと蚊帳吊草 丸山佳子 京鹿子 200110
雷きらひし母に供へむ蚊帳吊草 大堀鶴侶 雨月 200110
里風のかへりみちかも蚊帳吊草 豊田都峰 京鹿子 200111
わたしまだ明治文学蚊帳吊草 丸山佳子 京鹿子 200210
蚊帳吊草むかしの遊び素なりけり 西村しげ子 雨月 200211
休み田は蚊帳吊草の中に在り 伊藤マサ子 ぐろっけ 200311
蚊帳吊草四角にさいて車待つ 福島ゆき子 ぐろっけ 200312
双蝶の蚊帳吊草を揺らしたつ 野中弓子 酸漿 200409
畑荒す蚊帳吊草に雨粗し 堀田政弘 200409
蚊帳吊草時にとり出す蔵書印 有島夛美 河鹿 200409
忘れたる蚊帳吊草のかや遊び 松本扇々子 草の花 200410
蚊帳吊草蚊帳知らぬ子が興じゐる 西村しげ子 雨月 200510
ふり返ること止めました蚊帳吊草 丸山佳子 京鹿子 200510
兜屋の屋根に長けをり蚊帳吊草 疋田華子 万象 200511
早退や蚊帳吊草を手ぐさにし 戸栗末廣 火星 200608
鯉釣の足場の品字蚊帳吊草 黒田咲子 200609
蚊帳吊草知らぬ大学生ばかり 品川鈴子 ぐろっけ 200707
父母好きでありし蚊帳吊草も供華 嶋田摩耶子 ホトトギス 200712
空となりしアパートの庭蚊帳吊草 松崎鉄之介 200810
渡し場は蚊帳吊草のその先に 安藤久美子 やぶれ傘 200811
蚊帳吊草心の贅の幼き日 久米憲子 春燈 200909
蚊帳吊草母に教はりしは昔 前川明子 200909
背負ひ籠の蚊帳吊草に伏せられて 根橋宏次 やぶれ傘 200911
徳利に蚊帳吊草を活けにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200911
一人ではできない遊び蚊帳吊草 陶山泰子 ぐろっけ 201001
みちぐさに蚊帳吊草を裂きてをり 波田美智子 火星 201009
測量の二人は遠し蚊帳吊草 根橋宏次 やぶれ傘 201011
蚊帳吊草手繰れば匂ふ記憶あり 並河富有野 京鹿子 201101
埋立ての土は馴染まず蚊帳吊草 能村研三 201106
自律心失せず蚊帳吊草を吊る 今井妙子 雨月 201208
姉妹の忘れた遊び蚊帳吊草 大日向幸江 あを 201209
気がつけば蚊帳吊草の他はなく 井上信子 201310
蚊帳吊草庭かたむけて居りにけり 井上信子 201310
一人つ子蚊帳吊草を裂いてをり 山田正子 201310
バスを待ち蚊帳吊草を裂いてをり 波多野孝枝 末黒野 201410
紙人形蚊帳吊草の蚊帳の内 市川伊團次 六花 201501
蚊帳吊草手際よく蚊帳生まれたり 大橋晄 雨月 201509
蚊帳吊草裂きて平行四辺形 堀井英子 雨月 201509
こぼたるる昭和の家や蚊帳吊草 佐渡谷秀一 春燈 201609
蚊帳吊草雑草として引きにけり 犬塚芳子 201711
蚊帳吊草裂く講釈のあれやこれ 播磨武子 雨月 201810
暑に負けぬゑのころ草も蚊帳吊草も 田中藤穂 あを 201810
蚊帳吊草振つて軽さを確かめる 守屋久江 201909
蚊帳吊草親子三代凭れにけり 伊藤希眸 京鹿子 201910
郷愁や蚊帳吊草を裂いてみる 及川照子 末黒野 201910
蚊帳吊草蚊帳知らぬ子のそっぽ向く 西村しげ子 雨月 201910
蚊帳吊草たつぷりと雨来てゐたり 増成栗人 201910
はらからとひもとく記憶蚊帳吊草 及川照子 末黒野 202011
蚊帳吊草過ぎし日のこと祖母のこと 杉山善信 末黒野 202012
蚊帳吊草我に男の子の授からず 小張志げ 春燈 202107
風を呼ぶ膝のあたりの蚊帳吊草 住田千代子 六花 202110
運ばれてひょいと厠を蚊帳吊草 佐藤竹僊 あを 202210
蚊帳吊草心引き留む術のなし 廣畑育子 六花 202210

 

2023年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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