枯 葎      73句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
枯葎われ呼ぶ母のかすれ声 大山清 199805
廃船の龍骨のみや枯葎 斎藤道子 馬醉木 199902
水音をとほしてゐたる枯葎 山尾玉藻 火星 200001
丈余なる貴族の墓碑や枯葎 市橋章子 ぐろっけ 200004
そのこゑに記憶ありけり枯葎 加藤哲也 銀化 200102
人工の島の入江の枯葎 平山八十子 雨月 200103
午後の日のすでに漂ふ枯葎 岡本眸 200103
鳥声にふくらんで来し枯葎 津田経子 火星 200105
枯葎昔庄屋の屋敷杜 宮本俊子 雨月 200201
枯葎畢竟音を藏すのみ 中原道夫 銀化 200202
枯葎傘寿の強歩ゴールイン 坂本フジ 帆船 200302
垣?えかなしきまでの枯葎 鎌倉喜久恵 あを 200302
枯葎踏んで献花の列に入る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
枯葎より猫の顔現れし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
枯葎引けば乾きし音色かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
枯葎歩をとどめさす鳥の声 木村倫三 遠嶺 200405
一斉に雀湧き翔つ枯葎 上原一郎 築港 200502
枯葎犬の落せしものを踏み 鳴海清美 六花 200503
川沿いに雀等集う枯葎 遠塚青嵐 200507
枯葎色なきものを地に残す 森山のりこ あを 200601
火のやうに鶏冠が走る枯葎 藤井寿江子 馬醉木 200601
褪せながらかがやくことも枯葎 岡本敬子 万象 200602
五位鷺の羽休めをり枯葎 小松渓水 酸漿 200602
枯葎波音透かす舟だまり 小牧弘治 河鹿 200603
枯葎すすき一叢なびきけり 福盛悦子 雨月 200701
橋桁の百へのびゆく枯葎 高松由利子 火星 200702
身の丈の堤かなはず枯葎 山崎靖子 200702
筆先の勢ひ余りて枯葎 横山淑子 200702
枯葎引くやぱらぱら種こぼる 木内美保子 六花 200704
山寺の文塚ひそと枯葎 池田倶子 雨月 200705
枯葎アスワンの丘は砂深し 大西まりゑ 酸漿 200801
枯葎右手も左手も獣道 東良子 遠嶺 200803
地蔵尊おはす枯葎の道に 久永つう 六花 200803
枯葎瀟洒な山家建ちかはる 稲畑汀子 ホトトギス 200812
枯葎大地は雨を呼んでをり 稲畑汀子 ホトトギス 200812
枯葎雨の大地にくづほれし 稲畑汀子 ホトトギス 200812
立ち直ることなく雨の枯葎 稲畑汀子 ホトトギス 200812
信濃路や風の尾のこる枯葎 戸村よねこ 遠嶺 200902
枯葎芯から酔ふてみたき日よ 田原陽子 200903
枯葎糸口確と見えぬまま 鈴木陽子 炎環 200903
地震訓え具さに聞きて枯葎 北川光子 ぐろっけ 200905
枯葎記憶で辿る越し方を 芝宮須磨子 あを 201002
検問のなき国境の枯葎 渡辺一三 201002
里山の裾を覆へる枯葎 橋本ふさ子 201003
子について走り出す犬枯葎 きくちきみえ やぶれ傘 201003
それぞれに子細はあれど枯葎 内藤呈念 ホトトギス 201005
雪の来るまでは奔放枯葎 安原葉 ホトトギス 201005
ひそめたる命吉野の枯葎 稲畑汀子 ホトトギス 201012
秘密基地あらはになりぬ枯葎 吉田希望 201102
枯葎混じる白穂の芒あり 掛江淳司 酸漿 201103
枯葎倭国内騒騒騒 吉弘恭子 あをかき 201104
草臥れて石に腰置く枯葎 田中臥石 末黒野 201201
残照を着飾つてゐる枯葎 大豆生町耕一 ろんど 201204
枯葎この奥に姫眠るかも 永塚尚代 ぐろっけ 201205
枯葎崩し字読めぬ句碑の旧る 鈴木撫足 春燈 201303
公園のボール蹴る子や枯葎 加藤榮一 末黒野 201404
日向には日向の匂ひ枯葎 寺田すず江 201503
枯葎道の一つは熊の道 矢崎すみ子 201503
板塀の日向の匂ひ枯葎 きくちきみえ やぶれ傘 201603
鳥容れてひかり一すぢ枯葎 黒滝志麻子 末黒野 201604
枯葎色に優劣なかりけり 森清堯 末黒野 201604
枯葎短き綱に山羊つなぎ 小島翠波 201604
揚げ舟の船首をとらふ枯葎 田勝子 万象 201703
この犬と生きる楽しみ枯葎 佐藤澄世 馬醉木 201803
枯葎壁の向かうは大使館 渡邉孝彦 やぶれ傘 201903
ほつこりと妖精の宿枯葎 中田禎子 201904
枯葎煮干の匂ふいさば径 田中臥石 末黒野 201905
雀来て賑はつてゐる枯葎 森田明成 201906
凛冽と湖晴れ渡る枯葎 天田牽牛子 馬醉木 202003
山城へつづく路傍の枯葎 川井真理子 春燈 202103
茨線に絡みしままの枯葎 天野美登里 やぶれ傘 202103
日本海に向きたる骸枯葎 高橋寛子 春燈 202202

 

2023年1月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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