枯 葉 2    129句

一ひらの枯葉に雪のくぼみをり   高野素十

作品
作者
掲載誌
掲載年月
森に入る美しき枯葉に導かれ ことり 六花 201012
甕底に貼り付きゐたる枯葉かな ことり 六花 201012
蝋蜘の囲に色とりどりの枯葉かな ことり 六花 201012
乳母車枯葉の上に落葉して 吉弘恭子 あを 201012
芋の葉の枯葉詮なき旱畑 東芳子 酸漿 201012
散り騒ぐ枯葉をじっと乳呑児の 森理和 あを 201101
眠れない街に枯葉の東京都 吉弘恭子 あを 201101
風立てる魔女の箒よ枯葉舞ふ 田下宮子 201102
碑に残るのみの母校や枯葉積む 中原敏雄 雨月 201102
通院の道の先々枯葉舞ふ 谷泰子 ぐろっけ 201102
豪商の歴敷囲みし枯葉音 伊藤和子 201103
ひた歩む枯葉散る径ひたあゆむ 折橋綾子 201103
ひらひらと枯葉舞ひ来る杣の道 小寺ふく子 六花 201103
吹かれゆく欅枯葉の軽さかな 有本勝 ぐろっけ 201103
枯葉踏む音が遠のく獣道 沖則文 ぐろっけ 201103
枯葉被て柞は風に鳴るばかり 落合晃 201104
星仰ぐ外湯に枯葉ごつそりと 安藤久美子 やぶれ傘 201104
踏むに鳴る枯葉やいのちある如く 小倉正穂 末黒野 201104
身ほとりや沈む松葉に浮く枯葉 吉弘恭子 あを 201105
澗低に枯葉を蹴って深呼吸 吉弘恭子 あを 201110
枯葉踏む宿の裏山橅小路 羽賀恭子 201201
窓の外はらはらはらと枯葉舞ふ 本郷宗祥 かさね 201202
流れゆるき水路に沿いて枯葉踏む 米田文彦 かさね 201202
ジャズスイング枯葉の神戸北野坂 鈴木愛子 ぐろっけ 201202
かさと踏みこそと歩みて枯葉道 伴秋草 末黒野 201202
過ぎし日に還る一歩や枯葉踏む 松川悠乃 ろんど 201202
犬の鼻かすめ枯葉のうら返る 長田曄子 火星 201203
天つ日をみじんに欅枯葉降る 笠置早苗 火星 201203
枯葉てふ手応への無き軽さ掃く 清海信子 末黒野 201203
水滴の光る蹲枯葉舞ふ 稲垣佳子 末黒野 201203
枯葉飛ぶ宙にくるりと新体操 野口喜久子 ぐろっけ 201203
吹き溜る枯葉のぬくみ墓所穏し 本多正子 雨月 201203
単線の列車枯葉のほか乗らず 平居澪子 六花 201203
日当りて枯葉の廻りはじめたり 笠置早苗 火星 201204
くしやくしやの枯葉を残すプラタナス 渡邊孝彦 やぶれ傘 201204
突風に枯葉連れだちダンスする 山口庸子 ぐろっけ 201205
奔湍にまかす枯葉と雪客と 吉弘恭子 あを 201205
枯葉地に橡の春秋終りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201211
風道のありて枯葉の寄るところ 稲畑汀子 ホトトギス 201211
ほんたうはさびしい枯葉ちる枯葉 沼田桂子 春燈 201301
暮初むる空に枯葉のシルエット 池内とほる かさね 201301
古里や枯葉一枚音立てて 水野弘 ぐろっけ 201301
枯葉音落城兵の声に似て 伊藤和子 201302
枯葉舞ふシャンソン通りの音楽堂 佐瀬晶子 ろんど 201302
店頭の百円古書や枯葉舞ふ 石井勇 末黒野 201302
日だまりに枯葉とあそぶ子犬かな 山本達人 かさね 201302
枯葉踏む枯葉が放つ陽の匂ひ 木村茂登子 あを 201302
音たてて枯葉の渦のすぐ消ゆる 飯塚満里子 万象 201303
垂直に枯葉たるるや栗林 柳田晧一 かさね 201303
庭中に枯葉を散らす昨夜の風 足利ロ子 ぐろっけ 201303
枯葉舞ふ鳥語日本語中国語 吉弘恭子 あを 201303
枯葉鳴る明日もこの道歩けるや 松田泰子 末黒野 201304
触るるだけ満天星枯葉こぼれけり 丑久保勲 やぶれ傘 201304
読みさしの本に枯葉の栞かな 國保八江 やぶれ傘 201304
氷川神社の池面を埋める枯葉かな 橋本美代 やぶれ傘 201304
まだ枯葉とは言ひ難き彩りも 稲畑汀子 ホトトギス 201311
カリヨンの余韻に呼応枯葉舞ふ 池内結 ろんど 201401
大樹揺れ枯葉散り初む飲み屋街 水野弘 ぐろっけ 201401
枯葉また踏みゆく寂に耐へきれず 岡部玄治 201401
一枚の枯葉の揺るる空の奥 佐藤喜仙 かさね 201402
風一陣数多の枯葉奪ひけり 山本孝夫 201402
さくさくと枯葉踏む音序奏曲 伊藤和子 201402
放たれて子犬が二匹枯葉鳴る 吉成美代子 あを 201402
枯葉散る夕暮れ時の喪中便 枝みや子 やぶれ傘 201402
枯葉舞ふ西空巨き星を揚ぐ 田中藤穂 あを 201402
枯葉舞ふ千体地蔵の風車 吉弘恭子 あを 201402
坂多き函館の街枯葉舞ふ 神谷さうび 末黒野 201403
描きいる枯葉の色の影日向 金田けいし ろんど 201403
枯葉散る芦屋画廊にピカソ見る 岩田登美子 ぐろっけ 201403
凩の裾にまつはる枯葉かな 藤生不二男 六花 201403
この先に狸の巣あり枯葉山 田中藤穂 あを 201403
一山は枯葉を重ねゆくところ 山田佳乃 ホトトギス 201404
赤も黄も枯葉の道となつてゆく 今橋眞理子 ホトトギス 201404
諸々の枯葉の褥古代文字 金田けいし 末黒野 201404
喜怒哀楽五百羅漢へ枯葉降る 布施由岐子 末黒野 201404
吹寄せの枯葉輪となるおさむ句碑 佐藤いづみ 末黒野 201404
枯葉散る音の夜風となりにけり 遠山風 馬醉木 201404
点滅の信号夜の枯葉駆く 正谷民夫 末黒野 201404
枯葉とは言へぬ彩掃き惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201411
掃き寄せて枯葉の音となりゆけり 稲畑汀子 ホトトギス 201411
金輪際散らぬつもりの枯葉かな 布川直幸 201412
来し方を辿る枯葉の散る夕べ 四條進 201501
枯葉舞ふ浜のホテルは二つ星 中島玉五郎 201501
足裏に枯葉を付けて外湯かな 永田万年青 六花 201502
枯葉舞ふ鯖街道の七曲り 中川すみ子 201502
枯葉散る水軍城址砦岩 伊藤和子 201502
舞ひ上ぐる枯葉の土産走行車 福本すみ子 201502
枯葉被て笑み満面の地蔵尊 福本すみ子 201502
枯葉舞ふ終焉の地の定まらず 久保久子 春燈 201502
潔ぎよき音する枯葉踏み歩く 泉和美 末黒野 201502
先立ちて枯葉地を駆く羽州道 森和子 万象 201502
ガサガサと乳母車ゆく枯葉道 小池一司 やぶれ傘 201502
枯葉舞ふ並木歩けるところまで 中田みなみ 201503
枝先に枯葉一枚いつまでも 横田晶子 風土 201503
枯葉くるくる追ひかけてくる夕まぐれ 岸上道也 京鹿子 201503
かさこそと生きて枯葉になつてゐる 片山煕子 京鹿子 201503
韋駄天の飛火野をゆく枯葉かな 佐藤凉宇子 ろんど 201503
蕭条と枯葉を鳴かす日のひかり 矢崎すみ子 201503
踏切を枯葉の舞と渡りけり 橋場美篶 末黒野 201503
枯葉かと見紛ふばかり雀群れ 桂敦子 201503
五時の鐘枯葉が風に鳴り始む 藤井美晴 やぶれ傘 201503
水際の枯葉重なるばかりなり 遠山のり子 201504
枯葉舞ふ山廬は詩の石畳 小林和代 201504
骨舐める虎に枯葉のしきり降る 大崎紀夫 虻の昼 201510
これよりは枯葉掃きつつある家居 稲畑汀子 ホトトギス 201511
枯葉降る微かに動く猫の耳 鈴鹿仁 京鹿子 201512
時といふ出口に独り枯葉ふむ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
一枚の枯葉のひかり風攫ふ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
かさこそと生きて枯葉になつてゐる 片山煕子 京鹿子 201601
散る枯葉気長気短ありにけり 久米憲子 春燈 201602
夢追へばいそつぷばしの枯葉かな 雨宮桂子 風土 201602
諦観のかくも明るき枯葉どき 北川孝子 京鹿子 201602
息吸ふは吐くよりさびし枯葉山 北川孝子 京鹿子 201602
力まずに生きると決めて枯葉踏む 北川孝子 京鹿子 201602
読み返す手紙に枯葉舞ひにけり 岩月優美子 201602
一陣の風一陣の枯葉舞ふ 大橋晄 雨月 201602
敷く枯葉踏む音楽し散歩かな 長崎桂子 あを 201602
構はずに信号過ぎる枯葉かな 長崎桂子 あを 201602
枯葉道紆余曲折の今を生き 北川孝子 京鹿子 201603
日の匂ふ枯葉や土偶みごもれり 井上菜摘子 京鹿子 201603
風吹きて枯葉の舞ひや空の青 水谷直子 京鹿子 201603
枯葉踏む音ふと変わり橅林 のざきまみこ 201603
歳下の従兄弟を葬り枯葉踏む 森理和 あを 201603
枯葉舞ふ八分音符に四分音符 新倉ゆき江 末黒野 201603
堂縁を掃くも枯葉の二三枚 安原葉 ホトトギス 201604
枯葉どつと海境越えのむづかしき 伊藤希眸 京鹿子 201604
枯葉の上枯葉色して蜥蜴の子 川口崇子 万象 201607
ビル風の序破急枯葉舞ひ納め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
なほ残る橡の枯葉でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201611
       

 

2021年1月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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