枯 蔓      77句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
枯蔓の大波小波山の墓 藤田宏 199903
枯蔓を引けば山肌ついてくる 稲畑汀子 ホトトギス 199912
枯蔓も一枚となる野の起伏 稲畑汀子 ホトトギス 199912
枯蔓を引けば引かるるまま伸びぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199912
枯蔓の引けば引かるる力あり 稲畑汀子 ホトトギス 199912
枯蔓に白を点じて遠穂高 岡田貞峰 馬醉木 200001
遠く来てこの枯蔓の実を問ひぬ 岡本高明 200001
枯蔓に雪柔かにひつかかり 高野素十 初鴉 200001
枯蔓や割印と言ふ継ぎ役 鈴鹿仁 京鹿子 200002
六根清浄枯蔓巻いてをりにける 各務耐子 200003
枯蔓引きこの星すこし回しけり 七種年男 200101
枯蔓の性根すわりし巻き絡み 能村研三 200101
枯蔓や大き波打ち墓に触れ 藤田宏 200101
枯蔓の呪縛の術を見たりけり 谷村祐治 雨月 200203
枯蔓は這ふにまかせて書痙かな 中原道夫 銀化 200212
枯蔓に朝日あびをり雀たち 阿部ひろし 酸漿 200302
枯蔓を引きてざわめく昼の月 米澤光子 火星 200303
太陽へ枯蔓ふくらみゐたりけり 鳴海清美 六花 200304
枯蔓を剪らむと誰も思ひ誰もせぬ 野路斉子 200403
枯蔓へ跳んで届く子とどかぬ子 野路斉子 200403
枯蔓をひつ張る何もかも忘れ 野路斉子 200403
出征の文字枯蔓のあるばかり 松たかし 火星 200501
枯蔓なほ一樹の縛をゆるめざる 田辺博充 200502
枯蔓を剥がすや灯油売りの声 景山まり子 百鳥 200503
枯蔓を引けば海光広がれり 岩月優美子 200503
枯蔓を引きて枯音楽しめり 田中敬子 百鳥 200503
黒門は開かず枯蔓走りけり 九万田一海 河鹿 200503
枯蔓を引きて己の力知る 大串章 百鳥 200503
枯蔓の宙にさ迷ふ切り通し 前迫寛子 河鹿 200504
枯蔓の下に萌黄の柳見る 辻恵美子 栴檀 200505
枯蔓をひとたぐりして子の遠し 坂ようこ 200602
枯蔓のさみしさみしと絡むなり 岡本眸 200603
枯蔓に種のびつしり藪の雨 坂口夫佐子 火星 200609
枯蔓をたぐれば軽し鳥瓜 鎌倉喜久恵 あを 200701
枯蔓のつなぎ止めゐる烏瓜 大石喜美子 雨月 200703
ブロック塀の枯蔓縦横無尽かな 松崎鉄之介 200703
枯蔓の意地のからまり具合かな 高橋将夫 200704
枯蔓のつなぎ止めたる実の眩し 池田かよ ぐろっけ 200705
波音や枯蔓のまたほどけさう 百瀬七生子 海光 200705
たましひとなり枯蔓の力かな 本多俊子 200712
枯蔓や白亜の塔は高すぎる 豊田都峰 京鹿子 200802
神木に藤の枯蔓絡まれり 古田美恵 200803
枯蔓へまきつく電線いよよ過疎 村田冨美子 京鹿子 200804
引くたびに枯蔓の鳴る烏瓜 山田六甲 六花 200812
枯蔓を引いて力のなさを知る 鎌倉喜久恵 あを 200812
枯蔓の性根すはりし巻き絡み 能村研三 200901
枯蔓にがんじがらめの捨小舟 萩原すみ 春燈 200905
枯蔓を焚けば来給ふ歌の神 竹下陶子 ホトトギス 200909
枯蔓の土蔵を守りてものの声 鈴鹿仁 京鹿子 201001
枯蔓のぬくみをもらふ無縁墓 村田冨美子 京鹿子 201001
枯蔓の縺れそつくりなる頭中 田中貞雄 ろんど 201003
届かざる言葉枯蔓引きに引く 川上久美 ろんど 201103
枯蔓や引ききれぬまま風にゆれ 池田いつ子 酸漿 201106
枯蔓を垂らし旧家の巨木かな 若江千萱 雨月 201112
からす瓜枯蔓余力ありにけり 中江月鈴子 201201
枯蔓の緞帳下ろす古墳山 田中貞雄 ろんど 201204
枯蔓で束ねた薪を軒の下 後藤克彦 かさね 201301
枯蔓引く知恵の輪の知恵解けぬまま 川上久美 ろんど 201303
枯蔓やしたたかに生きし名残りなる 寺田すず江 201303
枯蔓の縺れしままに焚かれけり 松田泰子 末黒野 201304
枯蔓のト音記号や谷津の空 奥井あき 201304
函嶺洞門透きて枯蔓枯芒 安斎久英 末黒野 201404
行く雲や枯蔓森をわしづかみ 石原健二 やぶれ傘 201404
枯蔓のおどろにいよよ渓の道 谷村祐治 雨月 201502
溜まり水そして枯蔓雀群れ 関桂二 201508
引きたれば枯蔓僅か伸び縮む 阿部澄 万象 201602
枯蔓や樋を螺旋に縋りつく 長崎桂子 あを 201702
枯蔓に風神遊ぶ夕日あり 本多俊子 201704
枯蔓の戻り絡みや関ヶ原 能村研三 201801
すがるもの見つからぬまま枯れし蔓 山田佳乃 ホトトギス 201805
意の儘に果てし枯蔓風ばかり 鈴鹿仁 京鹿子 201902
枯蔓に瓢箪懸る農家塀 今泉忠芳 ある日の滴 201912
蔓枯れて朱の極まる烏瓜 藤生不二男 六花 202002
四方八方の電池切れです蔓枯れる 鈴鹿呂仁 京鹿子 202101
枯蔓の夫にけつこう縛らるる 奥田筆子 京鹿子 202101
全体重もて枯蔓を引きにけり 山内碧 202104
枯れ蔓の巻き付く火の見櫓かな 畑田久美子 202110

 

2021年11月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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