寒念仏     61句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒念仏まなじり一枚の曳航 吉田透思朗 海程 199909
靄をまとひて現はれし寒念仏 小川匠太郎 200002
辻一つ違へてをりし寒念仏 今木偉郎 200003
寒念仏露店の前を戻り来る 志水芳秀 雲の峰 200003
昼過の漁港通を寒念仏 長沼三津夫 200004
蹤き来たる子へ何か云ひ寒念佛 岡本眸 200004
法螺聞くや布施包み待つ寒念仏 大堀鶴侶 雨月 200004
寒念佛怖かりし母優しかりし 岡本眸 200004
寒念仏干椎茸の耳反りて 木村公子 200004
老人の美声自慢や寒念仏 堀井乃武子 ぐろっけ 200005
くらやみも眞顔なしけり寒念佛 緒方敬 200103
模索するとどのつまりの寒念仏 伊藤格 200104
電飾を一瞬よぎる寒念仏 赤座典子 あを 200202
堂いつぱい大数珠廻す寒念仏 山城やえ 春耕 200204
寒念仏去りゆく声のピアニシモ 嶋田摩耶子 ホトトギス 200206
寒念仏千住大橋渡りゆく 高橋千恵 200304
墨染の僧衣闇抜け寒念仏 本郷桂子 円虹 200304
寒念仏路地の闇へと鉦を曳く 本郷桂子 円虹 200304
寒念仏四天王寺へつづく闇 本郷桂子 円虹 200304
殿の提灯消えぬ寒念仏 山田弘子 円虹 200304
寒念仏闇を叩いて近づきぬ 本郷桂子 円虹 200304
錫杖の音また聞ゆ寒念仏 渡辺政子 雲の峰 200304
ふり返る御僧闇へ寒念仏 本郷桂子 円虹 200304
足早に来し道もどる寒念仏 尾崎恭子 雨月 200402
寒念仏の一行とある家に入る 尾崎恭子 雨月 200402
寒念仏に童顔の僧遅れがち 川口道子 200405
鎌倉や人波よそに寒念仏 鎌倉喜久恵 あを 200504
しんがりの引き摺る闇や寒念仏 西谷良樹 春燈 200601
足早に駅へ向かへり寒念仏 竹内弘子 あを 200603
過ぎてきしどの田もくらき寒念仏 藤井昌治 200603
過ぎてきしどの田もくらき寒念仏 藤井昌治 200603
灯の入りし五条大橋寒念仏 師岡洋子 ぐろっけ 200605
一列となりて畦行く寒念仏 西村勝美 春燈 200605
屋台曳く寒念仏とすれ違ひ 寺川美穂子 四葩 200606
丁寧に戸口戸口を寒念仏 稲田節子 200704
鉦を打ちゆるりと踊る寒念佛 大橋雅子 万象 200705
町角についと山伏寒念仏 久保田雪枝 雨月 200804
寺多き上町台地寒念仏 本多正子 雨月 200804
寒念仏唱へて橋を渡り来る 豊谷青峰 春燈 200903
寒念仏シャッター降りし街にかな 秦和子 200904
寒念仏干椎茸の耳反りて 木村公子 花貝母 200911
寒念仏団扇太鼓を凌ぐ声 新妻奎子 万象 201005
寒念佛五臓六腑に染み込める 川崎利子 201103
町に入り声の張りたる寒念仏 西村節子 火星 201104
寒念仏辻に草鞋の雪落とす 大竹淑子 風土 201104
商店街一列に行く寒念仏 西本才子 万象 201104
一寸の光陰唱へ寒念佛 安武晨子 201104
うしろから闇のつきゆく寒念仏 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
寒念仏比叡の暁闇押しひらき 高瀬史 馬醉木 201204
紅殻の町ねり歩く寒念仏 倉谷ます美 万象選集 201205
寒念仏洞ケ峠をみぎひだり 大山文子 火星 201304
人に有る神の遺伝子寒念仏 高橋将夫 201304
寒念仏太鼓の響く谷戸の道 大川暉美 末黒野 201305
月の出にこゑ高まり来寒念佛 城孝子 火星 201404
寒念佛袈裟ひるがへし尼僧くる 中谷富子 201405
海鳴りのしづもりてより寒念仏 半田稜 ろんど 201406
寒念仏小町通りを横切りぬ 榊山智惠 末黒野 201505
軍靴背嚢列曲がりだす寒念仏 鴨下昭 201505
寒念佛出陣のごと街に出る 宇都宮敦子 201505
寒念仏音と過ぎゆく僧一団 岡野里子 末黒野 201904
青空を渡る朝月寒念仏 足立典子 雨月 202003
寒念仏一糸の乱れなかりけり 前田美恵子 202003
海風をさきだてて来る寒念仏 伊藤ふみ 馬醉木 202005
雪落ちて竹立ち上がる寒念仏 岩木茂 風土 202104

 

2022年1月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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