寒稽古     104句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
裸身より湯気もうもうと寒稽古
田中藤穂
あを
200103
少年の鋭き気合寒稽古
神崎律子
200107
明日地震のことを心に寒稽古
稲畑汀子
ホトトギス
200201
寒稽古帰りの少年剣士かな
小山徳夫
遠嶺
200204
掛声の力となりて寒稽古
武政礼子
雨月
200204
海原へ声を発止と寒稽古
山口裕子
六花
200206
今の子にして風の子よ寒稽古
稲畑汀子
ホトトギス
200301
神棚に深き一礼寒稽古
塩川雄三
築港
200303
どこからも見えるところに寒稽古
小原禎子
銀化
200303
寒稽古なりや句会の続きゐて
久保晴子
雨月
200304
寒稽古ジャリンコチャリンコ風の中
寺門武明
あを
200403
寒稽古空手の拳風を切る
下平しづ子
雨月
200404
舞扇要のかたき寒稽古
細田桂子
百鳥
200404
寒稽古海へ喇叭を思ひきり
竹内喜代子
雨月
200405
寒稽古帯のゆるびを結ひ直し
山仲英子
200502
一身を弾く一刀寒稽古
今瀬剛一
対岸
200503
白帯に黒帯眩し寒稽古
史あかり
ぐろっけ
200505
寒稽古モワと湯気立つ面とれば
石山佳仙
200508
やつとうの胴小手攻めも寒稽古
鈴木榮子
春燈
200601
弁慶の泣き所蹴らる寒稽古
鈴木ひろ子
200604
寒稽古ムンクの顔の男居り
高安勝三
遠嶺
200605
寒稽古見てゐる父の力み様
本藤みつ
200703
空手着のひときは白し寒稽古
前野狼騎
200704
いつも指叱られてゐる寒稽古
ことり
六花
200712
土俵囲む裸の弟子の寒稽古
鈴木榮子
春燈
200804
吐く息の白棒となり寒稽古
大坪景章
万象
200804
寒稽古女児も拳に気合い満つ
野澤光代
ぐろっけ
200804
傍らに樽酒置きし寒稽古
野澤光代
ぐろっけ
200804
弁当の三分割に寒稽古
瀬下るか
200804
少年の意気天を衝く寒稽古
浅井美子
遠嶺
200805
偏差値は要らず勢ひの寒稽古
能村研三
200902
びりびりと玻璃戸振はす寒稽古
坂口三保子
ぐろっけ
200904
城跡に詩を朗々と寒稽古
上田明子
雨月
200904
メダリスト巴投げ観せ寒稽古
小林玲子
ぐろっけ
200906
面打てば胴を返され寒稽古
高橋将夫
201001
一斉に護身のかまえ寒稽古
鈴木てるみ
ぐろっけ
201003
悔れぬ女の子の気迫寒稽古
隅田享子
201004
踏拳道顔に怪我する寒稽古
鈴木てるみ
ぐろっけ
201004
気合には気合で返し寒稽古
山県章宏
201005
気息満つ無口同志の寒稽古
北川孝子
京鹿子
201005
玄海を打ち据ゑてゐる寒稽古
吉村摂護
201005
寒稽古重たき門を開けにけり
横山さくら
春燈
201104
寒稽古三鷹高校陸上部
濱上こういち
201104
嵯峨ハツピーをんなばかりの寒稽古
丸山佳子
京鹿子
201105
砂浜を素足の走る寒稽古
松田明子
201105
竹刀負ふ背のまだ少年や寒稽古 吉田陽代 201203
少年の一礼みごと寒稽古 吉田陽代 201203
迫力に身じろぎ出来ぬ寒稽古 小栗八重 201203
黒髪を束ね始むる寒稽古 吉村さよ子 春燈 201203
神棚の灯明揺るる寒稽古 浅井吉雄慈 夕端居 201203
寒稽古済み朝粥の湯気豊か 浅井吉雄慈 夕端居 201203
教はるも教へるも佳し寒稽古 史あかり ぐろっけ 201205
寒稽古午餐に啜るカップメン 水野範子 ぐろっけ 201205
寒稽古金切声の交じりをり 荒川功 万象選集 201205
手をついてすなはち終ふる寒稽古 根橋宏次 やぶれ傘 201205
寒稽古籠手つけ終へし師範代 小川滋 やぶれ傘 201206
板の間に正座する孫寒稽古 秋山信行 やぶれ傘 201206
投げられて痛きを堪ふる寒稽古 安藤虎酔 かさね 201302
寒稽古泣いてばかりの豆剣士 松岡和子 201303
湯の激る大薬缶あり寒稽古 西畑敦子 火星 201304
竹刀振る横一列の寒稽古 上村葉子 風土 201304
波しぶく東尋坊へ寒稽古 中石紀美代 万象 201304
柔道の湯のわくやうや寒稽古 行川秀雄 末黒野 201304
押し引きの気息を確と寒稽古 三橋玲子 末黒野 201404
瞬の声顱頂へ抜ける寒稽古 池元道雄 馬醉木 201404
少年の声たかだかに寒稽古 羽賀恭子 201404
幼ナ声の交じる気合の寒稽古 和田絢子 春燈 201405
いい天気なり寒稽古終へしとき 松村光典 やぶれ傘 201406
寒稽古薔薇に聴かせる声発す 鴨下昭 201406
足袋裏の薬煉くすねも融けぬ寒稽古 石原健ニ やぶれ傘 201406
踏み込みの一歩を磨く寒稽古 小山和男 京鹿子 201501
赤チンは僕の勲章寒稽古 コ田千鶴子 馬醉木 201502
関取の耳つぶれをる寒稽古 井上静子 201502
面ぬぎて湯気湧き出づる寒稽古 漆山浩一 末黒野 201503
血の管の太きを思ふ寒稽古 今瀬一博 201503
抜刀の静寂(しじま)を破る寒稽古 延川五十昭 六花 201503
鉢巻の河原に整列寒稽古 梅村すみを 201504
一笛に走り出したる寒稽古 市村明代 馬醉木 201504
一段と掛け声つのる寒稽古 松村光典 やぶれ傘 201504
少年は鬼の目となり寒稽古 遠山のり子 201603
少年剣士の胴の一声寒稽古 豊谷ゆき江 春燈 201604
寒稽古袴の襞の故事聞けり 奥山テル子 万象 201605
一列に波を蹴飛ばす寒稽古 村上和義 万象 201605
面脱げば湯気たつ頭寒稽古 竹下陶子 ホトトギス 201606
寒稽古うしろ鏡に帯結ぶ 風間史子 201606
黒門町露地に杵屋の寒稽古 内海良太 青嶺 201612
限界を少し押し退け寒稽古 長谷川閑乙 馬醉木 201703
寒稽古母の謡の耳にあり 高橋照子 雨月 201704
竹刀振る幼な子素足寒稽古 秋川泉 あを 201703
寒稽古母の謡の耳にあり 高橋照子 雨月 201704
子どもらの声の拡がる寒稽古 秋津令 201802
六年生袴姿の寒稽古 植木戴子 201804
摺り足や女剣士の寒稽古 伊吹之博 京鹿子 201805
大空へ声を千切らせ寒稽古 森清堯 末黒野 201904
門灯を点けて見送る寒稽古 辻由紀 雨月 201905
寒稽古をみなのいとけなき声も 長谷英夫 馬醉木 201906
寒稽古急ぐ姿に気をもらう 吉宇田麻衣 201907
シナモンの香りの中の寒稽古 波戸辺のばら 202003
発止と打つ鼓火のごと寒稽古 鈴木幾久 馬醉木 202003
棒のごと海を出でくる寒稽古 柴田佐知子 202102
寒稽古床一枚となりにけり 山田健太 風土 202104
寒稽古赤き顔より若き湯気 久島しんの 末黒野 202104
ちびつこの意気込む声や寒稽古 本郷公子 京鹿子 202105
寒稽古正拳突きで風を切り 石塚清文 やぶれ傘 202105
寒稽古太平洋を蹴り上ぐる 里村梨邨 202204
大釜に汁粉の匂ひ寒稽古 松本胡桃 風土 202204

 

2023年1月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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