神迎え    129句

神迎へ鳥居は海に向きにけり   加藤三七子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山かげに高張白き神迎 山田弘子 春節 199503
神迎ふ沖に生れし二重虹 新家豊子 馬醉木 199903
七宝のぺーパーナイフ神迎 三神あすか 船団 199903
雲ひとつなき葛城の神迎 朝妻力 俳句通信 200001
蘆叢の葉擦れの笛や神迎 岩崎きゑ子 馬醉木 200002
神迎への竹高々と神楽宿 松崎鉄之介 200003
にはとりの四・五羽のあそぶ神迎へ 神蔵器 風土 200101
大杉玉吊り三輪明神迎へけり 立石萌木 雨月 200102
御旅所に杭打つてゐる神迎 中川晴美 俳句通信 200102
神迎ふ緋袴組と箒組 品川鈴子 ぐろっけ 200112
神迎へかしこまつてる椅子五百 丸山佳子 京鹿子 200201
屋根棟に鳩一並び神迎へ 川村紫陽 200201
氷見沖に連峰浮かぶ神迎 成重佐伊子 雲の峰 200202
神迎雲を脱ぎゆく白馬岳 内田靖子 春耕 200202
徳利に月を滑らせ神迎 田村はじめ 銀化 200202
神迎ふ糺の森のがうがうと 谷村祐治 雨月 200203
大社講の白衣を着けて神迎へ 平野官爾 風土 200203
灯し消し射干玉の浜神迎ふ 平野官爾 風土 200203
神笛蕭々長旅の神迎へけり 平野官爾 風土 200203
神迎ふ二礼三柏手人の波 平野官爾 風土 200203
幣かかげ集へる氏子神迎ふ 平野官爾 風土 200203
神迎へ村の舞台のがらんどう 大東由美子 火星 200207
間伐に日差し広げる神迎 柴田近江 200302
神迎ふ男岩は小さき鳥居のせ 深川知子 雲の峰 200302
天に向き一番鶏の神迎 鈴鹿仁 京鹿子 200312
池の周りけぶつてゐたり神迎へ 谷村幸子 200312
神迎ふ雲をたまはり由布二峰 能村研三 200401
神迎ふ溶岩の山肌粗々し 上柿照代 馬醉木 200402
神迎貝塚の上にひと住みて 雨村敏子 200402
ロボットの踊るを見たり神迎 須賀敏子 あを 200402
あたたかき年となりたる神迎 高倉恵美子 200404
神迎割木の丈の揃ひたる 上田惠美子 馬醉木 200502
京漬の大樽ならぶ神迎 佐藤よしい 風土 200502
深山杉千本直立不動神迎 田辺博充 200502
残照や尾根黒々と神迎へ 片山茂子 遠嶺 200506
神迎かごめかごめの輪が止まる 高橋将夫 星の渦 200507
米を研ぎ手の温みきし神迎 細川洋子 200601
神迎へたれも教へぬ鳩の所作 丸山佳子 京鹿子 200601
中洲より人のこゑする神迎 雨村敏子 200602
龍心池の反橋白し神迎 近藤きくえ 200602
丸爪に黒豆干すや神迎 雨村敏子 200603
暗闇へ火の粉吸はるる神迎へ 高倉和子 200603
中陰の札外されず神迎へ 禰寝瓶史 京鹿子 200701
櫟林に日のさしてをる神迎 谷村幸子 200702
いろいろな木の葉が舞へり神迎へ 加藤みき 200703
樹の中の風騒がしき神迎へ 高倉和子 200712
神迎へ菰の帯巻く並木松 中田みなみ 200712
神迎水のごとくに空いちまい 中山純子 万象 200801
神迎ふ岬端の鳶高舞ひて 手島靖一 馬醉木 200802
受け継ぎし炎なりけり神迎え 中野京子 200802
穭田の穂のあをあをと神迎 宮川みね子 風土 200802
一対の燭の揺れゐる神迎ヘ 齊藤實 200802
雨霧れて風一変や神迎 泉田秋硯 200803
海坂のかがやき媛の神迎ふ 水田壽子 雨月 200803
姫神山容姿端麗神迎 小島左京 ホトトギス 200805
啄木のいのちの森も神迎 小島左京 ホトトギス 200805
みちのくの田の神迎ふ春の虹 小森泰子 馬醉木 200807
狛犬のおすましがほよ神迎え 丸山佳子 京鹿子 200901
神迎神事に肯竹切りもして 谷榮子 雨月 200901
鳥数多神迎へむと賑々し 大橋晄 雨月 200902
神迎ふ夜来の雨の霽れて風 泉田秋硯 200903
秩父山車男神迎へに勇み発つ 山田春生 万象 200903
白山の白のひろごる神迎 田中富雄 万象 200903
神迎へおにぎり六百揃へけり 高倉恵美子 200905
晩年の五感清しく神迎へ 丸山佳子 京鹿子 200912
手術終へ朝日まぶしや神迎 中島静子 酸漿 201001
歩行器の油切れたる神迎へ 栗栖恵通子 201002
胸当てのぴしりぴしりと神迎ふ 堀江惠子 201004
ともし火はいつもの暗さ神迎へ 鷹羽狩行 201011
諏訪の神迎へむ湖の水鏡 岡本まち子 馬醉木 201101
たてがみの切り揃へらる神迎へ 吉田政江 201101
雨音は空耳なりし神迎へ 浜福惠 風土 201102
電波塔少し伸びたる神迎 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
山の神迎へ左義長始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
怠らぬ糠床手入れ神迎 穐好須磨子 馬醉木 201202
神迎ふ羽二重色の神馬かな 飯塚ゑ子 火星 201202
神迎ふ祠を灯す京の路地 安原葉 ホトトギス 201204
神迎西に東に生活あり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
末社には末社の誇り神迎 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
風に聞く神迎てふ日和かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
都心にも出雲大社や神迎 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
神迎待降節の只中に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
記念樹の真すぐに伸び神迎 伊藤孝子 201301
雪止めの屋根のまぶしき神迎 浜口高子 火星 201302
一と二の滝音たがふ神迎 深澤鱶 火星 201302
鳶の輪の大きく回り神迎 川村亘子 末黒野 201302
神迎稚の人生はじまりぬ 井上静子 201302
風落ちて鳶笛高く神迎ふ 米山のり子 馬醉木 201303
谿底に細き流れや神迎 大竹淑子 風土 201303
神迎ふ日の海眩し凪ぎてあり 出口貴美子 雨月 201303
胸すこし躍る火の神迎へかな 呉屋菜々 万象 201305
直線は神迎う道田植えする 鎌田悟朗 ろんど 201309
杜の木々色整へて神迎 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
がうがうと信風さけぶ神迎 平子公一 馬醉木 201402
蒼空に一片の雲神迎へ 本多俊子 201402
神迎ふ空を仕上げし昨夜の雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
赤ん坊の耳に鈴の音神迎ふ 雨村敏子 201501
一鳥は海に紛れし神迎 深澤鱶 火星 201502
杜の樹にそれぞれ名前神迎ふ 雨村敏子 201502
雲逸り烏鳴き立つ神迎 滝澤圭子 雨月 201502

ひげ増三十周年祝句

神迎三十年といふ力

稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
社の犬家守り果たせし神迎へ 長谷川歌子 春燈 201601
櫓門大きく開けて神迎 平田はつみ 馬醉木 201602
草も木も装ひかへて神迎へ 柴田靖子 201602
葉なき木の揺れひとしきり神迎へ 柴田靖子 201701
神迎へ水琴窟の悼む音 秋山ユキ子 201701
夕照の雲の片々神迎へ 木多芙美子 春燈 201702
畏みて神鈴振りぬ神迎へ 安斎久英 末黒野 201703
神迎ふ父祖代々の土竈 廖運藩 春燈 201704
金色に光る大屋根神迎 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
神門を波打ちのぼる神迎 岡村清美 馬醉木 201712
神迎して解けゆく杜の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
神迎二の矢三の矢的中す 兼久ちわき 馬醉木 201801
白鳩の四五羽のあそぶ神迎へ 加瀬伸子 末黒野 201802
軒に乾く薬草の香や神迎 浜福惠 風土 201802
神迎ふ若狭七浦波立ちて 浜福惠 風土 201802
神迎へ千年榧が日にとどき 岩木茂 風土 201802
雲かけて甲斐の山並み神迎へ 布施まさ子 風土 201802
神木の樟隆々と神迎 西村しげ子 雨月 201803
娘を嫁に出してより神迎かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
にはとりの首張り啼けり神迎 平子公一 馬醉木 201901
神迎へ庭に帚の刷毛目つけ 鈴木昌子 やぶれ傘 201902
神迎へ島の灯台立ち上がり 片桐紀美子 風土 201902
千年の欅の洞や神迎 雨宮桂子 風土 201902
道筋となる町掃かれ神迎 浅井青二 雨月 201902
宍道湖の七珍揃へ神迎ふ 山本喜朗 雨月 201902
神迎へ丸まつて飛ぶ鉋屑 藤原明美 201903
神迎して退院の人迎へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
目一杯絵馬の掛けられ神迎 渡邉孝彦 やぶれ傘 202003
神迎ふ留守のあやまち口にせず 安齋正蔵 やぶれ傘 202101
山峡の桙杉稚し神迎 能村研三 202201
神迎へ出雲の四辻はき清め 萩原登代子 春燈 202202
白鳩や千木に並びて神迎へ 三好康子 風土 202202

 

2022年12月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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