懸 巣      45句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
懸巣鳴き何やらおこる胸さわぎ 大橋敦子 雨月 199903
栗の実を草にかくして懸巣立つ 海上俊臣 酸漿 199912
懸巣とび里に残れる糸車 田中呑舟 火星 199912
草むらに墓石傾ぶき懸巣鳴く 千明武 遠嶺 200012
落人の谿の吊橋懸巣鳴く 乾佐知子 春耕 200012
宿去るに深山懸巣は騒ぎ呉れ 有働亨 馬醉木 200101
春立つてゐる山の木の懸巣かな 岡井省二 200106
懸巣来てときに錻力の声を出す 櫛原希伊子 百鳥 200201
頭上より懸巣の声や山晴るる 石田邦子 遠嶺 200202
蒼穹の懸巣の眼もて野を見たし 斎藤道子 馬醉木 200202
樹海ゆくおぼつかなさに懸巣鳴く 西山美枝子 酸漿 200204
懸巣鳴きこきこきと切るパイン缶 田中重子 雲の峰 200211
山せみの巣をうかがへば懸巣鳴く 今井妙子 雨月 200301
みよし野の山気を乱し懸巣鳴く 西村しげ子 雨月 200302
道逸れて突と懸巣に鳴かれたる 岡淑子 雨月 200402
初霜や懸巣の声が庭を過ぐ 長田秋男 酸漿 200411
縄文の竪穴住居懸巣鳴く 阿部範子 200412
朽ちかけて森の木橋や懸巣鳴く 三澤いつ子 万象 200501
虚子塔の辺りのしじま懸巣鳴く 味村志津子 雨月 200501
懸巣鳴き霧氷の樹々を醒ましゆく 根岸善雄 馬醉木 200504
山の日に耳たぶ焼くや懸巣鳴く 渡邉友七 あを 200510
鮮かに懸巣あらはれ栃の花 瀧春一 常念 200606
秋霞懸巣のこゑは誰も知る 瀧春一 常念 200606
明け暮れの水上家屋懸巣飛ぶ 井村和子 万象 200612
懸巣鳴く浅間小浅間雲の中 山下佳子 馬醉木 200702
年賀客帰りし庭に懸巣来る 菊池ゆう子 200703
懸巣鳴くからまつの金の針こぞり 原田しずえ 万象 200703
原始林のおほふ高麗山懸巣鳴く 千葉冴子 200801
己が二基の句碑を巡るに懸巣鳴く 松崎鉄之介 200812
浅間嶺の噴煙ますぐ懸巣鳴く 山下佳子 200901
なにくれとなく氣を配る懸巣かな 高橋将夫 201002
茫々の山の畑や懸巣鳴く 石田邦子 遠嶺 201002
鳴きまねをする懸巣をり庭二日 長田秋男 酸漿 201003
廃校や百葉箱に懸巣の巣 園部蕗郷 春燈 201005
懸巣鳴き古刹の屋根に日の豊か 家塚洋子 酸漿 201104
最も巧し籠の懸巣の猫鳴きは 小林清之介 風土 201201
若き日に真似鳥の懸巣を飼ひしが 小林清之介 風土 201201
しらじらと明けそむ峠懸巣鳴く 滝浪紀久子 万象 201201
太陽のやさしさに鳴く懸巣かな 杉本綾 201201
懸巣鳴き俄かに空の邃くなる 上谷昌憲 201201
懸巣鳴く小学校に脱穀機 原田しずえ 万象 201201
葬列を追ふやうに鳴く懸巣かな 宮崎知恵美 万象 201202
枝わたる懸巣ひそやか梅雨の入 細野恵久 ぐろっけ 201307
今泣いた懸巣の笑ふ里の暮 葦原葭切 春燈 201502
懸巣鳴き沼に影おく白骨樹 大上充子 馬醉木 201802

 

2022年11月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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