火事     122句

火事跡の鉄瓶に蓋ありにけり    五十嵐研三

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書・その他
魚屋が水捨ててをり遠き火事
大橋俊彦
199810
火事も又わが行く方であるらしく
稲畑汀子
ホトトギス
199812
一行の追伸となる火事見舞
稲畑汀子
ホトトギス
199812
山火事を見し幼き日消えざりし
稲畑汀子
ホトトギス
199812
戦災の記憶すなはち火事のこと
稲畑汀子
ホトトギス
199812
又思ひ出させて火事の話聞く
稲畑汀子
ホトトギス
199812
野次馬の一人は遠く火事を見る
稲畑汀子
ホトトギス
199812
少し間の空いてしまひし火事見舞
稲畑汀子
ホトトギス
199812
火事迫る執着心を捨てるまで
稲畑汀子
ホトトギス
199812
火事の跡留めて地震のありし街
稲畑廣太郎
ホトトギス
199812
火事跡の貼紙にある遠い町
林菊枝
199901
遠火事を夢のつづきのやうに見る
林菊枝
199901
団扇手に火事通報の手柄顔
村井久美子
199908
遠くある限り美し夜の火事
折原あきの
船団
199908
五月の夜火事に潰えし村歌舞伎
村田近子
遠嶺
199909
遠火事のごとき火宅と思ひたし
広渡敬雄
遠賀川
199909
火事やみしといふ人声の帰りくる
能村登四郎
芒種
199911
遠火事に深き酔ひ寝の起さるる
能村登四郎
芒種
199911
山火事の消え際といふ来合せり
能村登四郎
芒種
199911
郷愁に似て遠火事を眺めけり
林翔
200002
遠火事や抽斗勢ひよく出でて
山田三江子
200002
火事見舞ふかぶか頭重るるのみ
大橋敦子
雨月
200002
火事見舞言の葉声にならざりき
大橋敦子
雨月
200002
船火事のまはりの水の怠けをり
中原道夫
銀化
200003
人生の通りすがりの昼の火事
渡辺鮎太
銀化
200005
そのかみのウサギ当番火事出しぬ
塩見恵介
虹の種
200005
人妻の寝巻に触れて火事へ急ぐ
阿部寒林
200010
火事の跡地球儀ひとつ転がれり
竹内弘子
あを
200101
火事あとの灰片寄せて春の雨
鈴木とおる
風土
200104
火事跡の厠のあたりかと思ふ
土井田晩聖
銀化
200104
火事あとを日だまり育つ花あんず
峯尾文世
銀化
200105
火事出せし窓くろぐろと雑居ビル
土橋柚花
船団
200106
昼火事に似てあの東千代之助
横倉由紀
船団
200107
今思へば皆遠火事のごとくなり
能村登四郎
200108
山火事のように肉焼く調理室
児玉硝子
船団
200108
火事怖れ火を焚くことを怖れざる
稲畑汀子
ホトトギス
200212
火事を見て寝つけぬ夜となりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200212
火事花と教えし母の曼珠沙華
岩木眞澄
ぐろっけ
200301
夜の火事をいましめ過ぐる低きこゑ
伊藤白潮
200302
火事場跡子供自転車並べらる
山遊亭金太郎
百鳥
200302
山々の眠り覚ましぬ村の火事
大堀鶴侶
雨月
200303
闇降りる火事に映えたる人の顔
森脇多恵子
帆船
200303
遠火事やごはん堅めに炊き上がる
渡辺知美
銀化
200303
七十歳ななじふに門限のあり火事馬穴
小原禎子
銀化
200303
日が射して夜火事の跡の霜柱
吉田康子
青山椒
200303
遠火事のじわりじわりときな臭し
北尾章郎
200304
大川の闇けものめく火事の旬
八田木枯
晩紅
200307
初霜や火事跡といふ黒きもの
鷹羽狩行
200402
遠火事や靴穿きかけて又脱いで
林翔
200402
慄へつつ真昼の火事を見てをりし
西山美枝子
酸漿
200402
声にしてみるのみのこと遠火事は
高倉和子
200403
島の火事海水使えず燃えさかる
永野秀峰
ぐろっけ
200403
かき抱き共に泣きたる火事見舞
河野美奇
ホトトギス
200405
山火事を美しと見て言はずをり
今井千鶴子
ホトトギス
200405
火事跡に残る無髭のイエス像
首藤知茂
200405
火事現場見知らぬ人と話する
秋千晴
200405
消火器の重さ気になる火事遠し
舟橋千枝子
八千草
200407
荒淫か火事のありたるひる下り
八田木枯
夜さり
200409
火事遠きこと確かめて寝ることに
稲畑汀子
ホトトギス
200412
山火事を見て寝つかれぬ夜となりし
稲畑汀子
ホトトギス
200412
風荒き夜の火事と聞くばかりかな
稲畑汀子
ホトトギス
200412
美容液たたきをり火事遠ざかる
竹内弘子
あを
200412
寒夕焼火事の再現炎色
鈴木喜十
帆船
200503
火事跡に立つ柿の木や冬の月
大坪景章
万象
200503
心細くなりたる夜の遠火事は
高倉和子
200503
夕火事に気丈な女将見舞ひけり
磯野しをり
雨月
200503
友住める町の名告ぐる遠夜火事
星加克己
ぐろっけ
200504
遠火事や二重瞼の猿のボス
霧野萬地郎
200504
冷まじやきのふの火事の話など
生方ふよう
200601
江戸の火事いくたび潜り二天門
森理和
あを
200603
火事あとの木の間に見ゆる雪嶺かな
三関浩舟
栴檀
200605
昼火事を収め正午の時報かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200611
遠火事や薔薇のかたちの角砂糖
辻直美
200611
遠火事や何ゆゑ把手濡れてをる
横山淑子
200702
遠火事のありしガラスに指の跡
山尾玉藻
火星
200702
遠火事や可もなく不可もなき暮し
藤井昌治
200702
火事の雲遠き日を追ふ目差しに
水野恒彦
200703
遠くより火事場照明されてをり
島田千晶子
200703
子へ火事を知らせる電話声詰る
島田千晶子
200703
火事見舞に火の粉を浴びて嫁の来る
島田千晶子
200703
夜の明けて死者二人出し火事と知る
島田千晶子
200703
車椅子燻ぶる火事場一夜明け
今井忍
ぐろっけ
200706
この匂ひあれやつぱ火事やつたんや
稲畑廣太郎
ホトトギス
200901
昼火事やヘリコプターと野次馬と
石原みどり
炎環
200901
傘ひらく傘にぶつかり火事を見る
丹沢亜郎
炎環
200902
界隈の火事朝刊に詳らか
田村園子
200903
遠火事に秒針光るある角度
定梶じょう
あを
200903
唇のざらつき火事の騒ぎ止み
泉田秋硯
200904
幼子の命尊し火事多発
金井香ル
200904
半鐘の鳴る朝火事や旅の宿
大塚洋子
酸漿
200904
火事跡の露な間取り見て通る
成宮紀代子
201003
長靴に火事の名残や消防団
苑実耶
201003
火事消えて天の星々よみがへる
定梶じょう
あを
201004
下校時のばらばら走る昼の火事
竹内弘子
あを
201004
千年の歴史丸呑み寺の火事
涌羅由美
ホトトギス
201005
火事跡の緊張解けしホースかな
涌羅由美
ホトトギス
201005
山火事の勢を止める術のなく
涌羅由美
ホトトギス
201005
火事跡の鍋を返してをりにけり 山田六甲 六花 201102  

 

火 事  他季
作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書・その他
昼火事や四葩しづかに肥りつつ 岡本眸 199808  
たんぽぽをすべて毟って大火事に 入江一月 船団 199811  
昼火事のあとしんかんと青田照 岡本眸 199811  
春山火事紅騎兵の酒乱のよう 高桑聡 船団 199903  
春昼や遠くの火事をじっと見る 三宅やよい 玩具帳 200004  
炎昼の火事を見ている一人なり 岩佐光雄 海程 200111  
迎え討つ火の放たれし夏の火事 坂井法 200409  
葉桜がざわざわ遠い火事が見え 田中藤穂 あを 200507  
夜半の火事筍流しにあふらるる 菊池ゆう子 200507  
火事跡に炎に堪えし梅開く 三浦澄江 ぐろっけ 200507  
火事二件花見日和の明日香村 河合佳代子 栴檀 200507  
にぎり飯火事場に届く遅日かな 内田郁代 万象 200606  
花菜畑どこか遠くに昼の火事 佐藤郭子 200607  
昼火事を収め正午の時報かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611  
遠火事や薔薇のかたちの角砂糖 辻直美 200611  
遠火事や何ゆゑ把手濡れてをる 横山淑子 200702  
遠火事のありしガラスに指の跡 山尾玉藻 火星 200702  
遠火事や可もなく不可もなき暮し 藤井昌治 200702  
火事の雲遠き日を追ふ目差しに 水野恒彦 200703  
遠くより火事場照明されてをり 島田千晶子 200703  
子へ火事を知らせる電話声詰る 島田千晶子 200703  
火事見舞に火の粉を浴びて嫁の来る 島田千晶子 200703  
夜の明けて死者二人出し火事と知る 島田千晶子 200703  
車椅子燻ぶる火事場一夜明け 今井忍 ぐろっけ 200706  
曼珠沙華を火事花といふ媼かな 榎本文代 万象 200712  
遠き火事人傷つけしことふいに 井上菜摘子 京鹿子 200801  
火事に消ゆ昨日寄りたる峠茶屋 小林雪雄 200801  
昨日火事ありて新丸ビルの黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802  
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804  
遠火事のなほ夜を焦がす北の町 相沢有里子 風土 200805  
火事跡に棟上げ近し柿若葉 長田秋男 酸漿 200807  
火事跡の木の枝に懸け梅雨の傘 藤田宏 長城 200808  
山火事のひろがりゐたる春の闇 木野本加寿江 火星 200907  
火事跡のひるがほに風ありにけり 根本ひろ子 火星 200909  

 

11/12/13 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。