開 帳      171句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白毫にとどかぬ日差し御開帳 高崎武義 199903
潮あり開帳八臂弁財天 岡井省二 199904
背負ひ佛浜の番屋に出開帳 古里蝶次 199907
出開帳百万遍に海女集ふ 古里蝶次 199907
百寿の僧の色紙賜はる出開帳 高橋洋子 200006
東山含み笑みをり御開帳 戸田春月 火星 200006
ご開帳の列のしんがりなりにけり 元田千重 火星 200007
開帳や金色の星青い星 高橋将夫 200007
門前に七味屋のありご開帳 元田千重 火星 200007
開帳や塔の四方の扉開かるる 大橋宵火 雨月 200007
風神に背ナ押され出るお開帳 長田曄子 火星 200007
雛僧にお守りを受く居開帳 柴田由乃 風土 200008
まつすぐに鳥声聞こえ御開帳 中島陽華 200008
手相だけ恵まれている出開帳 藤田守啓 船団 200011
あでやかに開帳吉祥天女像 小林優子 酸漿 200104
御開帳歯朶の野に人出でてをり 岡井省二 200106
御開帳焦げし佛も拝しけり 橋本佐智 円虹 200107
街道にひよこ出でをり御開帳 城孝子 火星 200107
膕に潮目ゆらぎし御開帳 岡井省二 200201
厨子の扉の数秒で閉づ御開帳 渡辺美知子 200204
総立ちでお捻り投ぐる御開帳 渡辺美知子 200204
僧九人の読経の中の御開帳 渡辺美知子 200204
炉火囲む人混みに待つ御開帳 岡本直子 雨月 200205
総代の顔の揃ひて御開帳 岡本直子 雨月 200205
葉桜や南無観世音御開帳 芝尚子 あを 200206
篝火草千手観音開帳す 鈴木石花 風土 200207
御開帳の寄進名簿に友の名も 荒井正隆 200207
藤棚を抜け開帳の観世音 鈴木石花 風土 200207
御開帳の千手観音石蕗の花 平田紀美子 風土 200302
開帳の時雨じめりの五色かな 山崎靖子 200302
開帳や秘仏は並べて小さきもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
開帳や虚子の眠れる寺も古り 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
淡雪の開帳の寺賑はへり 籾山和子 酸漿 200306
手に曵きし房の五色に御開帳 高松由利子 火星 200306
御開帳消防団が案内せり あさなが捷 200306
御開帳弥勒の御手に皺もなし 苑実耶 200308
大杉はまつすぐ空へ御開帳 苑実耶 200308
本尊は煙に遠し御開帳 苑実耶 200308
百の燭大きく揺れて御開帳 苑実耶 200308
線香の匂ひ濃くなる御開帳 苑実耶 200308
開帳終へ回向柱に虹立てり 竹中龍青 200403
山伏のかけ合ひ問答御開帳 門伝史会 風土 200407
御開帳秘仏金銅まだらにて 河合佳代子 栴檀 200408
法螺貝を一つ人きく御開帳 川越昭子 万象 200408
御開帳金の仏に山の幸 小林朱夏 200505
御開帳の太子に見つめ返さるる 升田ヤス子 200505
白牡丹今日を限りのご開帳 山田六甲 六花 200506
ご開帳椿象太子像のそば 山本耀子 火星 200507
教へ子は世話役となり御開帳 秋千晴 200507
開帳の救世観音に花舞へり 櫻井康敵 200507
開帳のたび嫁ぎきし地に馴染む 秋千晴 200507
開帳の秘仏に出合ふ花行脚 渡邊英子 馬醉木 200508
開帳の暗き御堂に立ち尽くす 青木暁子 築港 200508
音楽寺円空仏の御開帳 江崎成則 栴檀 200510
たづねきし開帳寺の藤袴 芝宮須磨子 あを 200512
湖の今日は凪ぎゐし御開帳 稲畑汀子 ホトトギス 200603
総身を煤けし色に御開帳 柴田佐知子 200605
こんじきの開帳百のきざはしゆく 豊田都峰 京鹿子 200605
居開帳散華ひとひらもて帰る 犬塚芳子 200606
御開帳帽子のしづくたたみけり 城孝子 火星 200607
開帳に一山の鳶舞ひ出づる 石崎淨 風土 200607
山なみの上に雪山御開帳 樋口みのぶ 200608
今年また雨となりたる御開帳 青山悠 200608
降られ来し顔の混み合ふ出開帳 師岡洋子 ぐろっけ 200608
御開帳待つ間の心鎮めけり 中島静子 酸漿 200705
出開帳の秘仏拝むにはるばる来し 平田美知子 200705
つぎつぎに燭足し拝す御開帳 柴田佐知子 200707
開帳や細身に在す観世音 青山悠 200707
御開帳法螺貝吹くは女ばかり 柴田佐知子 200707
御開帳尊顔叶ふ鉈彫像 平野きぬ子 八千草 200708
御開帳先祖たどれば遠縁に 秋千晴 200708
観音の背筋正しき御開帳 あさなが捷 200708
開帳の釜も一年振りに出て 秋千晴 200708
鳳凰の散華いただく御開帳 平野きぬ子 八千草 200708
お目当てのご開帳ツアー善光寺 中島英子 八千草 200708
村人の開帳の度結束す 秋千晴 200708
御開帳観音の笑み疲れなし あさなが捷 200708
御開帳観音やさし紅葉寺 森山のりこ あを 200801
御開帳長き炎が傷映す 小林朱夏 200804
御開帳ほこりも少し出でにけり 高倉和子 200806
畦道の人に人就く出開帳 伊勢きみこ 火星 200806
開帳寺白藤の散り浄めけり 藤田宏 200807
出開帳飛鳥の菩薩御座します 乗田忠男 春燈 200807
御開帳の秋を聳ゆる大銀杏 浜福恵 風土 200811
めん鶏の胸よごれゐる出開帳 城孝子 火星 200905
店先に並ぶ農具や御開帳 菊地惠子 酸漿 200906
にぎり飯開帳寺の大太鼓 久津見風牛 200907
開帳や闇に刻みし襞ふかく 豊田都峰 京鹿子 200907
開帳の磴十段の祈りなる 豊田都峰 京鹿子 200907
開帳の阿修羅の像に逢ひに行く 三橋泥太 遠嶺 200907
一升瓶どんと据ゑられ御開帳 苑実耶 200907
人びとに五月雨濯ぐ御開帳 高嶋文清 春燈 200908
開帳の寺山深く鳴く夜鷹 清水伊代乃 酸漿 200908
信長の血判今に出開帳 佐藤美恵子 200909
青不動明王開帳片時雨 坪内稔典 船団 200912
開帳の阿弥陀堂まで紅葉散る 鈴木石花 風土 201002
哲学堂に釈迦涅槃像御開帳 佐田昭子 ぐろっけ 201005
開帳の札所ある丘猫交る 飯田ひでを 201006
乗り出して秘仏拝さむ御開帳 服部早苗 201007
開帳や東に向いて寅薬師 服部早苗 201007
脇立も秘仏も暗しご開帳 松田明子 201010
草の虫開帳観音ねぎらひぬ 田中一美 ろんど 201101
み仏の五等身なりご開帳 だいじみどり 201105
開帳や人恋しさは仏にも 熊川暁子 201105
み仏は厨子の高さにご開帳 だいじみどり 201105
お供へも一年分の御開帳 秋千晴 201106
御開帳護摩の火屑をありがたく 内藤静 風土 201107
御開帳煙の中に始まれり 高倉和子 201107
御開帳咽せて堂より出てきたる 柴田佐知子 201107
堂裏はみどりの崖や御開帳 柴田佐知子 201107
開帳や香煙洩るる花頭窓 柴田志津子 201107
接待に一村こぞる御開帳 柴田志津子 201107
み仏は裾より煤け御開帳 柴田佐知子 201107
また一人手を引かれ来る御開帳 柴田佐知子 201107
御開帳蝋燭の灯の揺れやまず 矢野百合子 201108
誰もみな煙にまみれ御開帳 矢野百合子 201108
開帳の世話人席に同級生 苑実耶 201108
花に酔ひ人に酔ひたる御開帳 吉村摂護 201108
御開帳菩薩の御手に皺もなし 苑実耶 大河 201203
九天の晴れわたりたる出開帳 近藤喜子 201205
水音は闇より出でて開帳寺 柴田久子 風土 201206
蒟蒻のつくりうすうす出開帳 深澤鱶 火星 201206
燻されて人の出てくる御開帳 高倉和子 201207
腕章の記者も来てゐる御開帳 柴田志津子 201207
長老はみ仏の傍御開帳 秋千晴 201208
夜叉像の御丈五寸開帳寺 柴田久子 風土 201208
御開帳十二神将従へて 長憲一 201209
開帳の釈迦の白毫緑さす 田中佐知子 風土 201209
開帳の冴ゆ玉眼に辣みたり 村高卯 201303
大鯉のゆりあげし泥御開帳 坂口夫佐子 火星 201303
由来など有耶無耶となり御開帳 柴田佐知子 201304
御開帳襞の奥まで燻されて あさなが捷 201305
秘仏にも人恋しさは御開帳 本多俊子 201306
夢殿のゆめ流れ出づ御開帳 北川英子 201306
三門の声の降り来る御開帳 藤本千鶴子 火星 201306
みほとけも硝子の中に出開帳 瀧春一 花石榴 201312
開帳の寺への道を乳母車 瀬島洒望 やぶれ傘 201405
たひらかに亀泳ぎをりご開帳 広渡敬雄 201406
夕星に蔵王権現御開帳 熊岡俊子 雨月 201406
御開帳回向柱の綱握り 門伝史会 風土 201407
川風にかもめ煽らる御開帳 西村節子 火星 201407
立像の豊かな手足開帳寺 門伝史会 風土 201407
御開帳道をよごさぬほどの雨 蘭定かず子 火星 201407
花吹雪三十年目の御開帳 中田禎子 201507
開帳や押せや押せやの南無大師 雨宮桂子 風土 201507
御開帳鉈彫日向薬師像 小林和子 風土 201508
舟伏せて御開帳待つ舟大工 田代民子 201605
御開帳藍半纏の男衆 あさなが捷 201605
古着屋の出店もありて御開帳 あさなが捷 201607
切株のまだ新しき御開帳 秋千晴 201607
開帳に出会ふ縁も如意輪寺 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
開帳や山にも力加はりて 西川織子 馬醉木 201708
出自ほか定かならざる御開帳 服部早苗 201707
御開帳十歩歩めば顔見知り 苑実耶 201707
帰りには膝の笑へり御開帳 苑実耶 201707
緑さす千手観音御開帳 森岡恵子 万象 201708
御開帳の供華大輪の白牡丹 櫛橋直子 雨月 201708
開帳やはからずも脱ぐ旅の靴 小田司 馬醉木 201709
開帳の古刹に大いなる忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
誦経しておもむろに厨子開帳す 瀬島洒望 やぶれ傘 201807
連山のひとつ明るし御開帳 河原敬子 201808
鎌倉に忌日重ねて御開帳 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
御仏も所在なげなり出開帳 相川健 201905
開帳や尺に満たざる不動尊 秋山信行 やぶれ傘 201907
開帳の権現拝す山法師 上辻蒼人 風土 201908
御開帳またさんざんに燃さるる 柴田佐知子 202006
蔀戸の黒晴れやかに御開帳 住田千代子 六花 202007
餅撒きて目出度く終はり居開帳 京極久也 末黒野 202208
梅雨の日は柾目浮き出づ御開帳 原ひろ子 202209
背山より水引く村や出開帳 深川淑枝 202302

 

2023年3月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。