開 戦      119句

消えてゆく記憶の外の開戦日   渡辺孝一

作品
作者
掲載誌
掲載年月
血の色のワイン供へて開戦日 木田千女 199903
憧れし軍神横山開戦忌 田中芳夫 200202
胃袋の検査に挑む開戦日 松本米子 あを 200202
ジョン・レノンと友の命日開戦日 赤座典子 あを 200301
開戦日誰も忘れて年忘 澤田緑生 馬醉木 200302
士官たりし友と再会開戦忌 辰巳比呂史 200303
遊技屋の軍艦マーチ開戦忌 苑田ひろまさ 200401
満天の星を仰ぎぬ開戦忌 飯塚雅子 200401
船の水尾沖に出てゆく開戦忌 吉原一暁 200402
開戦忌老醜今は死を怖る 田中芳夫 200402
開戦日近み開腹手術かな 大橋敦子 雨月 200402
風雪てふ自叙伝もらふ開戦日 大畠政子 雨月 200402
女どち遊ぶに忙し開戦忌 加瀬美代子 200402
旅の途の社詣でや開戦日 青木陽子 酸漿 200402
帽振れはこの世の別れ開戦日 有島扇水 河鹿 200403
開戦の号外もらい彼岸会へ 長谷川鮎 ぐろっけ 200403
開戦日消しゴム鉛筆使ひきる 吉弘恭子 あを 200502
開戦忌カラオケ軍歌息切れて 田中芳夫 200503
開戦の昂ぶり今も忘れざる 苑田ひろまさ 200503
開戦忌戦画に残る藤田の名 橋本靖子 200503
開戦日近づく日々や兵たりし 有島扇水 河鹿 200503
開戦日曾ての戦士逝きにけり 谷寿枝 酸漿 200602
国境に対峙の記憶開戦日 三反田輝夫 河鹿 200603
女には女の武士道開戦日 尾堂Y 河鹿 200603
生きて在ることのしあはせ開戦忌 田中芳夫 200603
十二月開戦の日の喇叭冴え 有田蟻太 200603
「イマジン」聴く畳のうへの開戦日 秋葉雅治 200702
開戦日屋根やが瓦葺きいそぐ 定梶じょう あを 200702
不忍池の鴨と遊びて開戦日 加瀬美代子 200702
今一度いくさを裁け開戦忌 泉田秋硯 200703
わが死の日何時何処ならむ開戦忌 田中芳夫 200703
帆船の白燦然と開戦日 高橋さえ子 200705
開戦日サンタ人形腰くねる 山元志津香 八千草 200705
開戦日父の蒼貌今に新た 大橋敦子 雨月 200801
開戦の日や不忍池のきなくさし 加瀬美代子 200802
点すべく紐をてさぐる開戦日 定梶じょう あを 200802
霜の朝開戦の日を憶ひけり 名取袿子 200803
絶対は否定の副詞開戦忌 次井義泰 200803
開戦忌不倶戴天の敵あらず 物江康平 春燈 200803
アルバムを捲りて語る開戦日 岡野ひろ子 200902
開戦日父祖の拓きし田を守り 鴨下昭 200902
軍閥の専横が仇開戦忌 辰巳比呂史 200902
八十路なるわが身いとへり開戦日 阿部文子 酸漿 200902
開戦日青春の日は重かりし 薗田智子 遠嶺 200903
朝(あした)よりあつものの贅開戦日 鷹羽狩行 200912
駅に立つ赤きポストや開戦忌 坂上香菜 201002
男泣きとふ語ありたり開戦日 渡漫千枝子 馬醉木 201002
もう開かぬ勝関橋よ開戦日 上谷昌憲 201002
開戦日ラジオに背丈届かざる 辻直美 201002
戦艦「大和」遂に見ざりし開戦忌 田中芳夫 201004
鳶の舞ふ旅の港や開戦日 横松しげる 遠嶺 201005
存へて地の塩たれや開戦忌 物江康平 春燈 201005
夕日堰く水にこゑ立つ開戦日 間島あきら 風土 201011
神風を信じた日々や開戦日 紀川和子 201102
あのころの火の見櫓よ開戦日 辻直美 201102
黙々と釣糸垂るる開戦日 鎌田紀三男 酸漿 201102
開戦日妻の傘寿を祝ひけり 泉田秋硯 201103
レノン忌より小さき記事なり開戦忌 藤本章子 201103
忘れ得ぬ七十年巡る開戦忌 西田史郎 201202
千人針の思ひ出哀し開戦忌 紀川和子 うらら 201202
開戦の日のしみじみと葱青し 片山博介 春燈 201203
竹林を颶風が抜ける開戦日 吉弘恭子 あを 201204
開戦日放射線量表示見る 鴨下昭 201301
低唱の小学唱歌開戦忌 塩路隆子 201302
開戦日花の表紙の日記買ふ すずき巴里 ろんど 201302
開戦忌記憶に残る朝の霜 難波篤直 201303
開戦忌児童集めていくさの世 能勢栄子 201303
開戦日無口な父のやや語る 青木朋子 201303
開戦日前の六国峠越え 田中貞雄 ろんど 201312
神風を信じ愚かな開戦日 居内真澄 ぐろっけ 201402
一瞬の二瞬の黙や開戦日 水原春郎 馬醉木 201402
開戦日兄は学徒として征きぬ 中嶋昌子 春燈 201402
開戦日松根油にある昭和かな 鴨下昭 201402
開戦日法成立とみすず展 居内眞澄 ぐろっけ 201403
紅さして待ち人来たる開戦日 鴨下昭 201403
開戦日閉づることなき埴輪の目 城台洋子 馬醉木 201403
驚きと寒さの中や開戦日 難波篤直 201404
空深きは奈落と思ふ開戦日 定梶じょう あを 201502
青のまま空清みすぎる開戦日 佐藤恭子 あを 201502
開戦日西洋野菜溢れゐて 千田百里 201502
登校の道に開戦ニュース聴く 田中藤穂 あを 201502
仏壇に外つ国の石開戦日 すずき巴里 ろんど 201503
一斉にメール発信開戦日 亀井紀子 201504
古漬をじつくり炊いて開戦日 河原昭子 万象 201508
兄逝きし戦の記憶開戦日 鴨下昭 201601
開戦日征きたる兄の糸電話 鴨下昭 201602
開戦日地をやはらかく鳩歩く 中村房子 馬醉木 201603
朝食はパンとコーヒー開戦日 太田良一 末黒野 201603
すいとんを吾が子は知らず開戦日 太田良一 末黒野 201603
開戦日とは悔恨日十二月 大畑善昭 201702
開戦忌ペン立て平和紡ぎけり 物江康平 春燈 201702
語るなきいくさの記憶開戦日 松本幹雄 馬醉木 201703
開戦日片足上げし軍馬像 田代民子 201704
開戦日あの日も海に海鼠舟 角野良生 201706
開戦日ときどき金魚よこに泳ぐ 定梶じょう あを 201802
開戦日掛けて猛犬注意の符 定梶じょう あを 201802
暖炉冷え決めたのですね開戦を たかはしすなお 201803
寒き日の開戦会議の椅子四つ つじあきこ 201803
ぽっかりとまろき朝月開戦日 大石よし子 雨月 201803
臘八会われにはまざと開戦日 田中藤穂 あを 201804
冬の日や開戦告げし無線搭 柴川志津子 201803
臘八会われにはまざと開戦日 田中藤穂 あを 201804
野佛は丸き石なり開戦日 阪倉孝子 201902
開戦日明るすぎたる鼓笛隊 辻前冨美枝 201902
開戦日挫折の連鎖はじまりぬ 山本喜朗 雨月 201902
声の出る地球儀廻す開戦日 植田桂子 馬醉木 202002
開戦日中村哲の棺帰る 大網健治 202002
兵隊の頃はの話開戦日 中原吟子 雨月 202002
茅淳海波おだやかに開戦日 阪倉孝子 202003
語り継ぐ戦禍の記憶開戦日 山本茂子 末黒野 202003
少女等にイマジン我に開戦日 堅山道助 風土 202011
「イマジン」よ割れし目鏡よ開戦日 赤座典子 あを 202102
ドロップ缶揺れば音する開戦日 木村傘休 春燈 202103
追熟の洋梨にほふ開戦日 菅原末野 風土 202203
中卒の父学捨てし開戦日 小土井清和 京鹿子 202204
開戦日五つ並びし時差時計 塙誠一郎 家系図 202211
開戦のニュース冷たく聞く朝 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
開戦日いちにち水のやうな空 大沢美智子 202302
階段の手摺冷たき開戦日 大森春子 202302

 

2023年12月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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