溽 暑   76句

採血の腕逆撫でらるる溽暑かな    内田しんじ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
これやこの厚底靴に溽暑くる 林翔 200107  
度の合はぬ眼鏡のずれし溽暑かな 當麻幸子 俳句通信 200109  
錬金の術の衰ふ溽暑なり 中原道夫 銀化 200109  
ICU溽暑となりし機械音 中田征二 ぐろっけ 200202  
物売に執念く附かる溽暑かな 池田草曷 雨月 200208  
思考力雲散霧消溽暑かな 大橋敦子 雨月 200308  
身一つの置きどころなき溽暑かな 大西正栄 雨月 200309  
迷路めく沈菜キムチ市場の溽暑かな 刈米育子 200409  
溽暑来ることあげもせず拉致家族 角直指 京鹿子 200410  
昼風呂の極楽となる溽暑かな 丸美砂子 ぐろっけ 200410  
土器を投げて溽暑の宝厳寺 長村雄作 栴檀 200411  
太く息つけばつく程溽暑かな 宮脇ちづる 200510  
目つむりて歯科医の椅子の溽暑かな 川上恵子 雨月 200510  
吠ゆる前犬が息吸ふ溽暑かな 中根美保 風土 200510  
蝉声のふと途切れたる溽暑かな 波田美智子 火星 200511  
外も内もゆらりともせぬ溽暑かな 西島みね子 八千草 200601  
大太刀で悪霊払ふ溽暑かな 亀田やす子 万象 200606  
聖堂を辞して溽暑の段葛 塩田博久 風土 200709  
溽暑なほ筆の進まぬ千字文 松波とよ子 春燈 200709  
備忘録見るを忘るる溽暑かな 山下青坡 200710  
不快指数てふ語のありき溽暑かな 塩田博久 風土 200809  
よく折れる鉛筆の芯溽暑かな 鎌倉喜久恵 あを 200809  
溽暑なり傘寿の父へ告知秘す 安本恵子 200810  
その昔子の生れし日の溽暑かな 竹内悦子 200810  
奪衣婆に呉れてやりたき溽暑かな 峯沢洋一 200811  
溽暑なり極彩色の中華街 荒井千佐代 200901  
溽暑なり元気な牛の長尿り 白数康弘 火星 200907  
土籠の岩崩の惨溽暑かな 田中貞雄 ろんど 200909 鎌倉長谷周辺吟行
遠吼えの犬にも溽暑厳しくて 城下明美 ぐろっけ 200911  
カレンダーめくつて溽暑はらひけり 平野加代子 春燈 201010  
溽暑かな鈍感力を道連れに 松木ひろ ろんど 201010  
まとひつく溽暑に思考失へる 金森教子 雨月 201010  
かぎろひて電車近付く溽暑かな 吉田克美 ろんど 201011  
溽暑なり死に転合の動物園 佐藤喜孝 あを 201101  
月餅の餡重くして溽暑かな 中島玉五郎 201107  
口明しままや溽暑の休み木偶 塩路隆子 201109  
卑弥呼世の銅鏡くもる溽暑かな 中村ふく子 201109  
センサーの外灯縫うてゆく溽暑 千田百里 201109  
夜烏の一声太し溽暑かな 鎌倉喜久恵 あを 201109  
出納簿何度も遣り直す溽暑 長崎桂子 あを 201109  
散歩とて徘徊まがひ溽暑かな 坂上香菜 201110  
吊り橋の影ゆらぎいる溽暑なり 福田かよ子 ぐろっけ 201110  
溽暑なり亀の甲羅の重からむ 東良子 201209  
格好など構ってをれぬ溽暑かな 坂上香菜 201210  
嵯峨竹林溽暑の風の揺れ重し 齋藤晴夫 春燈 201210  
ひとの句のみな佳く見ゆる溽暑かな 塩田博久 風土 201210  
襖絵の達磨眼を剥く溽暑かな 岡野里子 末黒野 201211  
僧の声途切れがちなる溽暑かな 中山とし子 201211  
溽暑かな弁慶岩に塩噴きて 森屋慶基 風土 201310  
犬の耳持ち上げてやる溽暑かな 中田みなみ 201311  
溽暑かな想ひ至れぬ夜の稿 吉田克美 ろんど 201311  
何処をどう為すも溽暑を変へられず 布川直幸 201408  
暗がりの戦争動く溽暑かな 中林晴雄 201411  
温泉に母を連れ行く溽暑かな 森屋慶基 風土 201510  
アウライン失ふ街や溽暑なる 成宮紀代子 201510  
力こめ毒草を刈る溽暑かな 有松洋子 201510  
胃もたれを抱へて歩く溽暑かな 小山陽子 やぶれ傘 201512  
歩を止めゐ動く歩道や溽暑なほ 能村研三 201609  
自販機に呼びとめらるる溽暑かな 杉本光祥 201609  
天守への手すり溽暑の湿りかな 馬屋野純子 馬醉木 201610  
パンの耳四角く残す溽暑かな 松本三千夫 末黒野 201610  
地の揺らぎ命ゆらげる溽暑かな 戸田澄子 末黒野 201610  
町溽暑笑顔絶やさぬ配達夫 戸田澄子 末黒野 201610  
シャツのタグちくちくとする溽暑かな 小山陽子 やぶれ傘 201610  
靴下の跡が溽暑の足首に 小山陽子 やぶれ傘 201708  
もりそばがメニューの端で呼ぶ溽暑 高木嘉久 201709  
靴下の跡が溽暑の足首に 小山陽子 やぶれ傘 201709  
毛布にて覆ひし如き溽暑かな 森なほ子 あを 201709  
監視さる日の始まりし溽暑かな 七郎衛門吉保 あを 201709  
印度孔雀尾を引き歩く溽暑かな 宇都宮敦子 201710  
洛中はどこを切つても溽暑かな 和田照海 京鹿子 201711  
靴紐のすぐに解ける溽暑かな 小山陽子 やぶれ傘 201710  
飯粒を指よりはがす溽暑かな 内藤静 風土 201810  
九十年の脂抜けゆく溽暑かな 池田葉子 春燈 201810  
空港を出づる一歩の溽暑かな 岡野里子 末黒野 201810  
訃報つづきし溽暑の夜や風の音 綱徳女 春燈 201811  
考ふる力うするる溽暑かな 児玉充代 201812  

 

2019年8月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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