117句

海原をちゞめよせたり鰯曳   正岡子規

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
蜑の家は砦構へに鰯干す 鈴鹿野風呂 京鹿子 199810  
青波や鰯の兵隊大行進 渡辺純 京鹿子 199904  
山の人朝から潤目鰯かな 加藤青女 海程 199905  
鰯引く浜の今昔ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
鰯焼く匂ひに昔ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
町伸びて鰯のとれし浜失せぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
とれたての鰯の旬はのがされず 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
手ぎはよく料る鰯の小骨まで 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
真鰯の鰭は休火山のひらめき 吉田透思朗 海程 199909  
水揚げの鰯に海猫の占むる空 稲畑汀子 ホトトギス 199910  
無造作に量る鰯の五、六ぴき 宇都宮滴水 京鹿子 199910  
テストの朝鰯食ひし子結果良し 村井久美子 199912  
小鰯のうろこ眩しき朝の河岸 木下節子 俳句通信 199912  
傾ぎたる山立て直し鰯船 田畑幸子 火星 200012  
黄泉醜女潤目鰯を食べていた 金子兜太 海程 200101  
魚屋の鰯ねだりし猫なりき 坂口三保子 ぐろっけ 200101  
鰯割くわれ生え抜きの銚子つ子 座古稔子 200101  
駐車場鰯散らばる何の兆し 金子兜太 海程 200106  
自然干しの鰯探して旅半ば 中原梓 海程 200106  
としこしに食して飾らぬ鰯かな 高木伸宜 船団 200106  
はらわたをまっくらにして鰯食ふ 吉弘恭子 あを 200106  
柊に鰯のあたま癒えたいよ 麻生良 海程 200107  
銅鐸叩き鰯売りくる忍野道 永沼弥生 春耕 200110  
鰯引く浜にサンダル脱ぎ捨てて 佐藤輝子 200111  
鰯喰ふ孤高無頼の面つけて 浜崎良彦 円虹 200112  
一葉忌鰯焼く香が街裏に 古市枯声 春耕 200201  
ぶちまけられ鰯銀波の渦なせり 藤野智弘 200201  
島人の似し顔ばかり鰯汲む 藤野智弘 200201  
島文楽桟敷の庭に鰯干す 藤野智弘 200201  
焼き立ての鰯が盛られディナー皿 龍神悠紀子 200201  
足指もつかひ繕ふ鰯網 近藤暁代 馬醉木 200202  
からいもと鰯で生きし隠れ耶蘇 松崎鉄之介 200202  
大漁と問へば時化とや鰯船 松岡隆子 200202  
とれすぎの潤目鰯に値のつかず 武政礼子 雨月 200204  
がうがうと寄せる涛音鰯割く 櫻井多恵 200206  
鰯干すうしろの海が夜となる 櫻井多恵 200206  
芙美子の路地小鰯鬻ぐ曳売女 長谷川史郊 馬醉木 200211  
御神火や浮標に鰯の寄りあうて 延広禎一 200212  
貧しさを灯す海小屋潤目鰯焼く 関口ゆき あを 200301  
鰯不漁空一ぱいのうろこ雲 小菅美代子 ぐろっけ 200302  
間仕切りの低き衝立泥鰌鍋 長谷川守可 百鳥 200310  
家庭科で鰯を捌く二男かな 藤枝五三子 帆船 200311  
鰯干す室の泊の昼下がり 大柳篤子 雲の峰 200311  
鰯引く漢の背に風唸る 小澤克己 遠嶺 200311  
じやんけんは負けよ鰯の骨を抜く 高橋澄子 200312  
爪立てて裂くや鰯の銀の腹 伊藤とら 雲の峰 200312  
鰯引く網に落暉の重さあり 長谷英夫 馬醉木 200401  
節分や鰯一連加へ買ふ 阿部悦子 酸漿 200404  
節分や鰯はささぬ魚ぎらひ 岩崎憲二 京鹿子 200405  
半端酒畳鰯がうれしくて 泉田秋硯 200412  
鰯売り十年前も鰯売り 岡野イネ子 春燈 200412  
血を流す鰯の頭不面目 富沢敏子 200412  
糶る声の白髪茶髪鯛鰯 大串章 百鳥 200412  
浜風に地声の割るる鰯売 片田千鶴 馬醉木 200501  
台風圏畳鰯の目のつぶつぶ 須佐薫子 帆船 200501  
海に向く百戸の漁港鰯干す 玉置かよ子 雨月 200503  
一斉に向きを変へたる鰯かな 高橋将夫 炎心 200510  
常習のぬすつととんび鰯干す 泉田秋硯 200512  
逃げ惑ふ鰯の群れのとび跳ねて 山田隆男 築港 200512  
いわし干す後ろに鰯博物館 岡崎真子 百鳥 200601  
堺から手手かむ鰯半世紀 加藤君子 火星 200602  
買ひ手つき声の弾みし鰯売り 河井富美子 ぐろっけ 200606  
鰯引く昔の浜と聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 200610  
淡路島指呼に親子の鰯釣る 梅原美子 200612  
網絞るほどに真鰯ひかり増す 川口襄 遠嶺 200612  
驚きの潤目鰯のまなこかな 高橋将夫 200704  
銀の日をぬりこめし干し鰯 百瀬七生子 海光 200705  
新鮮を丸ごと叩きつみれ 大城重子 八千草 200705  
鰯焼く独りの厨けぶらせて 柳生千枝子 火星 200711  
鰯食む独り暮しも十年なる 柳生千枝子 火星 200711  
繰り返す集合離散群れ鰯 高橋将夫 200712  
しばらくは眺めて畳鰯かな 高橋澄子 200801  
存念の鰯の色を疑はず 高橋澄子 200801  
醤油一滴いつてきづつの焼鰯 小林正史 200801  
飽食のよくかんでゐる鰯漬 高田令子 200801  
鰯売炭火に焼く香流しをり 大房帝子 酸漿 200804  
海の端のめくれてゐたり鰯引き 鷹羽狩行 200810  
盆笊に鰯七本頭をそろへ 斉藤小夜 風土 200811  
鰯桶百浜びとの力瘤 宮島宏子 200812  
中減りの俎板に盛る秋鰯 土屋青夢 ぐろっけ 200812  
不揃ひの鰯の軒に乾きつつ 堀志皋 火星 200812  
鱗てふ光を散らし鰯釣る 立村霜衣 ホトトギス 200901  
ひと炙りされたる畳鰯かな 瀬島洒望 やぶれ傘 200901  
わが前の皿に右向く鰯かな 片山由美子 200906  
鰯群れスイッと向きかへひとかたまり 藤野寿子 あを 200908  
料る手に鰯弾んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910  
なんまんゑ〜鷹匠町の鰯売 柳川晋 200912 生餌
潤目鰯即ちDNAを食ぶ 池園二三江 春燈 200912  
海よりの風を定かに焼く鰯 宮崎紗伎 春燈 200912  
曳き売りのはねる小鰯手でおほふ 小林玲子 ぐろっけ 200912  
鰯煮てゐて人の恋しかりけり 助口弘子 火星 200912  
猫が猫見張る鰯の干されをり 芝尚子 あを 200912  
節分の潤目鰯を求めけり 井上正子 春燈 201004  
梅天や鉄枠錆びし干鰯倉 須賀允子 万象 201010 浦賀
鰯ほか名を教はりて地引網 内藤庫江 末黒野 201012  
日表や日裏やぐいと鰯引く 瀬川公馨 201101  
干鰯場のいさば女春の雪掻けり 田中臥石 末黒野 201105  
しろがねの弾けてゐたる鰯漁 長節子 201106  
鰯来て敷島の海甦る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109  
鰯売リヤカーの水こぼしけり 大山文子 火星 201112  
秋の空雲は綿あめと鰯たち 東秋茄子 京鹿子 201201  
ふやけたる手に盛られゆく鰯かな 西村節子 火星 201201  
柊鰯吾が背目安に挿してをり 能村研三 201203  
店頭の鰯の数やみすずの詩 金田けいし ろんど 201203  
春浅き浜にきらめくしこ鰯 稲垣佳子 末黒野合同句集 201203  
右廻りを決めて鰯のひと日かな 田中芳夫 201204  
春鰯漬け込む樽へ磧石 井村和子 201206  
啄木忌鰯一と皿売れのこり 中田みなみ 201207  
鰯群れて船に人なき船溜り 渕上千津 201210  
鰯には灸のあとがひいふうみい 赤松有馬守破天龍正義 201211  
鰯干す迷路の多き海女の村 石田野武男 万象 201212  
鰯には炙りのあとがひいふうみ 赤松有馬守破天竜正義 201212  
落とし蓋ぷくりぷくぷく鰯煮る 山根征子 201301  
松枯れの浜に人なく潤目鰯うるめ干す 岡井マスミ 末黒野 201303  
豊漁てふ鰯三昧の恵みかな 山本町子 風土 201303  
蒼天や巻き上げられて鰯網 ふけとしこ 船団 201304  
藁刺しの鰯食らふや縄のれん 丸山酔宵子 かさね 201305  

2013年8月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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