79句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鼬走るあの夕光(ゆうかげ)の幼き日 金子兜太 海程 199812
鼬罠かけしと兄に耳うちす 皆川盤水 高幡 199905
鼠くはへて走るいたちと夏木の傷 丸山海道 海道全句集 199910
鼬罠仕掛ける事を仕上げとす 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
産土神を祓ひてをりぬ鼬の尾 槐布由子 銀化 200001
湯治客誘はれ覗く鼬罠 皆川盤水 春耕 200002
いたづらに月光強し鼬罠 彌榮浩樹 銀化 200002
あたふたと血の流れをる鼬罠 中原道夫 銀化 200002
床下の鼬の罠の内緒なり 田畑幸子 火星 200004
二日はやまみゆ鼬のおもてかな 澤本三乗 200004
牟婁の江の稀の吹雪に鼬跳ぶ 高橋好温 馬醉木 200005
束の間に逃げし鼬やオリーブ園 水原春郎 馬醉木 200101
数珠買ふや百万遍に鼬をり 中島陽華 200103
雪の日の鼬ふり向き日暮れけり 山尾玉藻 火星 200103
身籠れば藁積む土間に鼬きて 吉田さかえ 海程 200107
鼬罠のあたりで夫の声のせり 伊藤多恵子 火星 200204
畦焼の焔伸びくる鼬穴 鈴木夢亭 春耕 200206
しなやかに鼬いで来し昼さがり 植村よし子 雨月 200206
鼬見しつかのまのこといつまでも 朝妻力 雲の峰 200212
鼬出て腓返りの夜となりぬ 橋本榮治 馬醉木 200302
にはとりの鼬とほりて騒ぎたる 市場基巳 200303
田の神のまへを素通り鼬捕 桑田眞佐子 火星 200303
氷美味き地上を脱兎の鼬かな 天野きく江 200402
鼬出るテニスコートの灯の消えて 黒田咲子 200402
鼬罠あり関所番士の屋敷跡 鈴木五鈴 草の花 200403
鼬出て施行の餅を啣へゆく 北吉裕子 雲の峰 200403
口開ける鼬の罠のうすごほり 浜口高子 火星 200405
藁葺の縄文のむらいたち跳ぶ 九万田一海 河鹿 200405
足元に鼬とび出すブラシの木 岩下芳子 200406
鼬出てキャベツ畑を駈けにけり 佐藤忍 万象 200410
鼬の外走るものなき峡の村 赤松丹山 雨月 200502
藁塚を住処の鼬顔出せる 赤松丹山 雨月 200502
うららかや鼬が畦へ飛び出すも 石川慧 200607
鶏のひよいと乗りたる鼬罠 齊藤實 200702
縁下のいたちのしつぽ冬に入る 城孝子 火星 200702
仔鼬と人いろいろと見る日かな 市場基巳 200703
血の付きし鼬の口がふり向きぬ 山田美恵子 火星 200802
独り居の古家やひそと鼬駆け 大泉美千代 雨月 200903
すきとほる昼月を背に鼬肥ゆ 中村恭子 200904
罠にかかる鼬の貌とも思われず 貝森光洋 六花 200904
裏山へ鼬罠見に子を連れて 渡辺鶴来 春燈 200904
触りたきものに鼬の尻尾かな 涼野海音 火星 200905
目に赤き光走らせ鼬なる ことり 六花 200912
一陣の風のコスモス鼬跳ぶ 田中臥石 末黒野 201001
金星の点りはじめし鼬罠 蘭定かず子 火星 201002
鼬見た見ないの路地の騒ぎかな 竹内悦子 201002
力抜けよと棒立ち鼬ふり向きぬ 松井倫子 火星 201002
びとりごとのやうに消えたる鼬かな 広渡敬雄 201003
人ゐなくそこらあたりにいたち罠 久津見風牛 201004
わが庭にまさか鼬の現るるとは 村上悦子 雨月 201102
金色の毛の絡まりし鼬罠 宮井知英 201104
霊の道鼬の道と賑やかに 柳川晋 201203
鼬ゐし頃の東京下駄の音 田中藤穂 あを 201204
塀の上を鼬一気に月明り 松井倫子 火星 201301
庭先をすつと駆け抜く鼬かな 井上正子 春燈 201301
暁の路地に鼬のあどけなき 宮田香 201302
拭きたてめ窓を鼬の過りけり 大山文子 火星 201303
鼬罠まはりの土の濡れてをり 戸栗末廣 201303
疾走の鼬隠れし冬菜畑 藤生不二男 六花 201304
庭荒す鼬くるとや京の茶屋 岩田登美子 ぐろっけ 201403
鼬鳴く醤油工場跡地より 小林正史 201502
太き尾を上げて鼬の庭過る 栗山恵子 雨月 201503
鼬罠掛けて寂しき夜となりぬ 宮井知英 201503
痩せ鼬の骸を埋め白き夜 谷口俊郎 201504
さっき見たあいつやっぱりイタチだろ 火箱ひろ 船団 201508
矢のやうに的場横切る鼬かな 石崎和夫 201510
裏山へ口を開けたる鼬罠 宮井知英 201601
鼬跳ぶ夜道の浜の松林 田中臥石 末黒野 201603
鼬罠かけ月細ききのふけふ 深川淑枝 201604
人恋し家から家へ行く鼬 江島照美 201702
水温む鼬が覗く農具小屋 戸栗末廣 201705
ハードルをくぐつてしまふ鼬かな 高橋将夫 201802
人の道鼬の道も確とあり 江島照美 201802
鼬がはこぶ月光とこむら返り 奥田筆子 京鹿子 201902
鼬走り狭庭の闇の動きたる 栗山恵子 雨月 202002
下萌に出てうつくしき鼬かな 善野行 六花 202007
跳ぶ鶏に鼬はつひに追つけず 山田六甲 六花 202102
鶏を飼ひゐし頃よ鼬罠 横田敬子 202107
鎌鼬遭ひし傷よとのたまへり 辻美奈子 202202
鎌鼬こころに風の吹く日かな 久保久子 春燈 202204

 

2022年12月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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