牛 膝       160句

ゐのこづち犬と犬より小さな子    角谷彩子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
七十に七十の意地ゐのこづち 八木愁一郎 ぐろっけ 199902
いのこずち親子も犬もまんべんに 寺田良治 船団 199903
DNAなんて云はずにゐのこづち 松山律子 船団 199903
ゐのこづち離れ難きはけふ忌日 鈴鹿仁 京鹿子 199911
奈良ホテルボーイの袖のゐのこづち 深澤鱶 火星 199912
金閣に遠く離れてゐのこづち 中谷まもる 火星 200001
美しき毛並みの犬やゐのこづち 松下幸恵 六花 200002
きし子につくはずもなき牛膝 松本恒子 ぐろっけ 200002
能勢を行く姉いもうとにいのこずち 笠学 船団 200009
ズボンまで脱がせてしまふ牛膝 和田瑞子 銀化 200012
手の鳴る方へ呉と越のいのこずち 若森京子 船団 200105
ゐのこづち後日譚ある桃太郎 丸山分水 200107
蔵王嶺の退路絶つかにゐのこづち 鷹羽狩行 200111
ゐのこづちひそかな花が蝶を呼ぶ 阿部ひろし 酸漿 200111
ゐのこづち湖北に風の出てをりぬ 槐布由子 銀化 200112
掛けてある喪服の裾にゐのこづち 鈴木とおる 風土 200112
ゐのこづち子のスカートにとびつきぬ 岡和絵 火星 200112
縄電車どの子も付けし牛膝 金田美恵子 ぐろっけ 200112
結界を犯せし証ゐのこづち 小西石蕗 円虹 200202
ゐのこづち枯れきつてより実の大き 中根美保 風土 200202
袖を引くことを覺えて牛膝 中原道夫 銀化 200210
野暮天につける薬とゐのこづち 中原道夫 銀化 200210
ゐのこづち犬の首輪をはづしけり 谷上佳那 百鳥 200301
溺死せし牛の墓なりゐのこづち 植松美根子 200301
漱石の猫の聞き耳ゐのこづち 柴田英彰 200301
川風に海のにほひやゐのこづち 荒井和昭 200302
ゐのこづち此の世の外よりついて来し 森茉明 京鹿子 200302
選ばれしわけでもなくて牛膝 今瀬剛一 対岸 200309
チエンソーの音のときどき牛膝 岩月優美子 200311
スカートは引摺るほどや牛膝 苑実耶 200312
ジーンズに明日香めぐりの牛膝 古川利子 200401
ゐのこづち沼尻蒸して来たりけり 岡本眸 200401
古墳めぐる飛鳥みやげのゐのこづち 市川十二代 ぐろっけ 200401
ゐのこづちまみれの夫の戻りけり 高尾豊子 火星 200403
牛膝ためしに付けてみれば付く 岬雪夫 200403
駆けてきし子の胸までもゐのこづち 滝沢伊代次 万象 200410
ゐのこづち付いてゐるまま見送られ 鈴木多枝子 あを 200412
ゐのこづち連れて帰りぬ旅ごろも 鎌倉喜久恵 あを 200501
ゐのこづち悪さしたこと見破られ 鈴木多枝子 あを 200501
トアロード裏の鎧戸ゐのこづち 深澤鱶 火星 200501
牛膝佛はれゐたり能勢電車 大城戸みさ子 火星 200501
少女等の笑ひ増えゆく牛膝 渡辺美代 対岸 200502
殿原にしがみつきたるゐのこづち 吉弘恭子 あを 200102
ゐのこづち八方へ穂を突出せり 荒井正隆 200512
別れきて胸に残りしゐのこづち 浅田光代 風土 200512
宮の裏抜け道のあり牛膝 塩川雄三 築港 200512
ゐのこづち笑顔まろまる道祖神 篠田純子 あを 200512
人訪うてみたき小径やゐのこづち 村田菊子 遠嶺 200602
駈けてくる仔牛の額牛膝 福田雅子 万象 200602
麓まで一緒に行こうかゐのこづち 松井和恵 八千草 200604
ゐのこづち顔料のこる薬指 吉田明子 200611
続編に続編のありゐのこづち 篠藤千佳子 200612
高館に付き来る御所のゐのこづち 落合絹代 雨月 200701
ゐのこづち子等に山野の残りをり 橋本貞二 酸漿 200701
美しき毛並の犬にゐのこづち 松下幸恵 六花 200705
ゐのこづち付くが嬉しき齢かな 青山丈 200711
ゐのこづち付けて戻りし猫叱る 生田恵美子 風土 200712
下野の牛膝(いのこずち)付く句碑探し 品川鈴子 ぐろっけ 200712
ぬくもりへぬすみ入りたるゐのこづち 吉弘恭子 あを 200712
愛犬の探検みやげゐのこづち 安永圭子 風土 200801
身の丈に合つた生き方ゐのこづち 宮本幸子 京鹿子 200801
牛膝の花の朝日に輝けり 松崎鉄之介 200801
ジーンズの女性を好むゐのこづち 松崎鉄之介 200801
人住まぬ裏口塞ぐ牛膝 松崎鉄之介 200801
名札付け農作業体験牛膝 小林朱夏 200801
ゐのこづち付けて句碑への山案内 磯野しをり 雨月 200802
ゐのこづちまみれとなりぬ初詣 浜口高子 火星 200804
深草の君かもゐのこづちつけて 服部早苗 200804
ふまじめもまじめも裾にいのこずち 坪内稔典 稔典句集U 200804
一度だけ内緒に会ひしゐのこづち 飯塚惠美子 炎環 200811
牛膝こぼる地下駅永田町 品川鈴子 ぐろっけ 200811
枯るるにも金剛力やゐのこづち 鷹羽狩行 200812
根気よく取られ背中のゐのこづち 山中宏子 200812
貌の無き噂話や牛膝 今城あき子 炎環 200812
比丘尼屋敷址の日の原ゐのこづち 浜福恵 風土 200901
ゐのこづち気の合ふ人と取り合へる 清水幸治 200902
ゐのこづち空にくつつきたく揺るる 湯川雅 ホトトギス 200904
雪太郎逝く牛膝尾に残し 岡田満壽美 夢のごとしと 200904
ついて来し子規庵よりのゐのこづち 藤原照子 200911
寄り道の動かぬ証拠ゐのこづち 石川かおり 200912
かすり傷舐れば甘しゐのこづち 森岡正作 200912
海風にとびつきさうや牛膝 浜口高子 火星 200912
いのこずち人さらひ来ると母の声 遠藤実 あを 200912
道草の苦き思ひ出ゐのこづち 大松一枝 201001
ゐのこづち付かぬ青さに触れにけり 星アヤ 酸漿 201001
いのこずち先達につく生駒山 島純子 ぐろっけ 201001
ゐのこづちどの道ゆくも行き止り 遠山みち子 201002
アスファルトの下は黒土ゐのこづち 柳川晋 201002
ゐのこづち付けて疲れて戻りけり あさなが捷 201002
近道をして牛膝まみれかな 岸野美知子 酸漿 201004
母親の小言ズボンにゐのこづち 楯野正雄 201101
抜け道の辷り易しよ牛膝 数長藤代 201101
蹴上までくつついてきしゐのこづち 杉浦典子 火星 201101
径に沿ふ日向日蔭やゐのこづち 大島英昭 やぶれ傘 201101
牛膝洗濯に堪へ乾きをり 城下明美 ぐろっけ 201102
追慕会裾にびつしりゐのこづち 品川鈴子 ぐろっけ 201108
ゐのこづち腹の立つほど付いてゐる 柴田佐知子 201111
ゐのこづちまみれに母へ駆け寄り来 柴田志津子 201112
牛膝尻尾に付くる阿蘇の牛 苑実耶 201112
ゐのこづち手折りて風を感じをり 岡山敦子 京鹿子 201112
牛膝まみれの子等や無人駅 西川みほ 末黒野 201201
志高くと師の声ゐのこづち 伊吹之博 京鹿子 201202
山の辺の道にはみだす牛膝 田中文治 火星 201211
牛膝付けて世継ぎの帰りけり 森岡正作 201212
山暮れて法衣の裾のゐのこづち 青木由芙 末黒野 201301
牛膝くつつけ異界より戻る 高橋将夫 201302
からびゐて粘力ませり牛膝 大場ましら 201302
おーい雲一生いっしょ牛膝 陽山道子 おーい雲 201304
くっ付いて名を覚えられ牛膝 陽山道子 おーい雲 201304
引率の先生ゐのこづちまみれ 岩田公次 ホトトギス 201305
牛膝まみれリハビリ躓けば 品川鈴子 ぐろっけ 201310
牛膝つけて電車に馳け込み来 前田忍 火星 201401
払ふ気の失せるほど付くゐのこづち 柴田佐知子 201311
草虱より執拗にゐのこづち 瀧春一 花石榴 201312
悪友の悪友は吾ゐのこづち 林昭太郎 201312
先生の尻をめがけてゐのこづち 甕秀麿 201402
石蹴りて一人帰る児ゐのこづち 野畑さゆり 201402
終電のスーツの背なのゐのこづち 山野美賛子 ぐろっけ 201402
平凡を厭ふ抜け道ゐのこづち 橋本知笑 201402
髭先にまでゐのこづち猫戻る 井上石動 あを 201409
ゐのこづちズボンに付けて午前様 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
ゐのこづち新幹線で旅立てり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
ゐのこづちでかい夕陽の山隠れ 鈴鹿仁 京鹿子 201411
ゐのこづち道を替ふるも牛膝 城台洋子 馬醉木 201501
一日の終はりの袖のゐのこづち 生田恵美子 風土 201501
真間川の昔の幅やゐのこづち 吉田政江 201511
子規庵の庭に付けしかゐのこづち 落合絹代 風土 201512
ゐのこづちたっぷり付けて都心まで 大橋晄 雨月 201512
牛膝たつぷり付けて都心まで 大橋晄 ホトトギス 201603
寄り道の好きな子に付く牛膝 中田みなみ 201611
ゐのこづち放浪癖の今もなほ 森岡正作 201612
ゐのこづち由無し事にかかづらふ 荒井和昭 201612
ゐのこづち付けて戻りし初デート 赤松赤彦 六花 201701
腕白に秘密基地ありゐのこづち 堀井英子 雨月 201801
おせつかいやかれ煩きゐのこづち 時澤藍 201801
童子仏に散らばる銭やゐのこづち 和田絢子 春燈 201801
ゐのこづち揺らし遮断機上がりけり 永井惠子 春燈 201801
ゐのこづち銀座線まで乗り込める 田丸千種 ホトトギス 201802
男子寮裏に近道ゐのこづち 田丸千種 ホトトギス 201802
野原馳け野原を漕ぎぬゐのこづち 伊藤希眸 京鹿子 201802
ひとつづつ剥がすほかなしゐのこづち 原友子 201803
拘りはほどほどが良し牛膝 佐俣まさを 春燈 201811
牛膝狙はれやすき言葉じり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201812
コスモスに夢中になればゐのこづち 須賀敏子 あを 201812
ゐのこづち付けて知らぬは我ばかり 岡田正義 雨月 201901
ゐのこづち行先知れぬ旅となり 中谷富子 201903
近道の思はぬ仲間ゐのこづち 高橋あさの 201912
ゐのこづち道順までも悟られり 野村宏 201912
径ならぬ径禅林にゐのこづち 田丸千種 ホトトギス 202002
根つめて剥がしをりけり牛膝 住田千代子 六花 202003
近道の思はぬ仲間ゐのこづち 高橋あさの 201911
ゐのこづち相槌打つてしまひけり 鷺山珀眉 京鹿子 202101
ジーンズの裾の折り目や牛膝 岡美智子 末黒野 202104
故郷に知る人僅かゐのこづち 窪みち子 202105
牛膝崩るる塀の猫の道 浅岡麻實 末黒野 202111
経緯を知る目撃者ゐのこづち 鈴木呂仁 京鹿子 202211
すがらねば生きてはゆけずゐのこづち 古山智子 202212
嘘よりも悪態許すゐのこづち 甲州千草 202301
せせらぎに序破急のありゐのこづち 亀井福恵 京鹿子 202301
をさな児は泣いて勝ちたり牛膝 苑実耶 202308

 

2023年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。