〈キーワード〉    145句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
征夷将軍越へし山刀筏峠朴の花 松崎鉄之介 199808
筏曲れば乘り合ひの雪曲る 中原道夫 銀化 199903
山翡翠の掠めし淵に筏組む 愛須真青 馬醉木 199910
満月や凪の入江の舟筏 川口襄 遠嶺 200002
隅田川初日浴びゐる大筏 田中藤穂 「水瓶座」 200002
赤や黄に落葉筏の川くだり 西村咲子 六花 200003
筏めく船がすめてはつばくらめ 福場朋子 200006
長々と筏伸び切り水の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200008
秋潮を狭めて長き筏かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200009
夕凪の真珠筏を漕ぎて去る 鬼頭桐葉 春蘭 200010
水澄める竹の筏に荷を運ぶ 中里カヨ 酸漿 200101
潮満つる汚染の海の牡蠣筏 松永唯道 円虹 200103
氷張り貯木と貯木筏組む 田中嘉代子 ぐろっけ 200105
筏曳く音はアレグロ夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200105
万緑や筏で下る奥熊野 池尻足穂 俳句通信 200108
波かぶる海鼠の筏あいの風 棚山波朗 春耕 200110
筏組むこゑのひびけり秋の川 佳藤木まさ女 春耕 200112
漢らが筏に浚ふ枯はちす 濱地恵理子 200202
玉取の浦の果まで牡蠣筏 小西石蕗 円虹 200204
枯芦の不忍池を筏ゆく 醍醐季世子 200205
松の芯筏の鳥の羽づくろひ 山田六甲 六花 200206
おのころの浦曲に黒鯛の筏釣り 品川鈴子 ぐろっけ 200206
春一番ぶつかりあひて木場筏 鈴木良戈 200206
青竹の筏の下る夏の川 長山野菊 雲の峯 200207
鵜籠置き漓江を往来竹筏 土肥屯蕪里 雲の峰 200209
箱庭や筏流の笠のひび 後藤志づ あを 200210
浮標のせて蛇行してゐる牡蠣筏 赤座典子 あを 200301
渓を出て恵方筏となる流れ 宇都宮滴水 京鹿子 200302
新しき竹を加へて牡蠣筏 和田照海 京鹿子 200305
安芸津湾沖へひらけて牡蠣筏 和田照海 京鹿子 200305
牡蠣筏組むひと潮の引きたる間 和田照海 京鹿子 200305
花流る筏組みてはほどきては 長谷川鉄夫 200306
櫂休め花の筏とすれちがふ 高木嘉久 200307
かき筏のたりと揺れて後の月 宮井保八郎 帆船 200310
十六夜や真珠筏の黒々と 林裕子 風土 200312
牡蠣筏石油タンクが見張りせる 品川鈴子 ぐろっけ 200401
瀬戸内の幾何学模様蠣筏 新藤智子 帆船 200402
散る紅葉筏となつて川下る 福田千代子 築港 200402
一湾の波が眠らす牡蠣筏 小山香月 酸漿 200402
太陽と北風を載せ釣筏 浜福恵 風土 200403
家裏は花の筏の佃かな 大坪景章 万象 200407
湾に浮く筏数へる夏初め 中野薫 雲の峰 200407
入江には真珠筏や島若葉 浅村正子 帆船 200407
行く春や真珠筏の漂ひぬ 平尾信一 帆船 200408
散るやすぐ花の筏となりゆける 安達風越 雨月 200408
祭髪掻きあげ鯛の筏盛 延広禎一 200410
秋めくや湾の筏に人の影 酒井十八歩 草の花 200412
午後からの雨はにぎやか牡蠣筏 須佐薫子 帆船 200501
腕組みの男の彳てる牡蠣筏 飛鳥由紀 200501
遠目にも脈搏つてをり牡蠣筏 飛鳥由紀 200501
滝過ぎて黄葉筏の流れつぐ 長谷川史郊 馬醉木 200502
初凪やかもめ集まる牡蠣筏 岡村葉子 栴檀 200502
冬霞真珠筏の並ぶ海 平尾信一 帆船 200502
海苔筏に冬日鏤む須磨の浦 岡村葉子 栴檀 200503
さかのぼるあり薄が筏組み 鷹羽狩行 200503
遠筏に裸が一人海暮るる 河崎尚子 火星 200509
小流れに筏を組みしこぼれ萩 渡邊泰子 春燈 200512
舟着けて真珠筏に注連飾る 高崎武義 200512
滑走路筏となりて雪解急 澤田緑生 馬醉木 200601
満月の加茂湖に浮ぶ牡蠣筏 川原典子 酸漿 200601
呆け芒筏通し場多摩史跡 山川好美 春潮 200602
池氷る木の葉筏を閉ぢ込めて 渡邉英子 馬醉木 200603
百千の牡蠣筏揺り涅槃西風 高橋ひろ 万象 200606
筏曳く船の涼しく上りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
真珠筏眼下に志摩の初明り 名取袿子 200704
真珠筏ぐいちに揺らす春嵐 石橋萬里 ぐろっけ 200705
牡蠣筏かすり模様に日生湾 正木泰子 ぐろっけ 200705
筏追ひ越して水上バス涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
浦狭むる養殖筏風光る 岡用章子 ぐろっけ 200706
天龍の筏場跡に花うぐひ 椙山正彦 200707
堰越して花の筏を組み直す 田村すゝむ 風土 200707
雪柳水面に筏組みゐたる 金月洋子 六花 200707
保津川の岩打つ筏春の水 池崎るり子 六花 200707
船遊び真珠筏の中を抜け 手拝なをみ 200712
洗濯場は竹筏(ツーバイ)寄せ場赤とんぼ 小泉三枝 春燈 200802
兄の背の母に傾く牡蠣筏 森理和 あをかき 200803
春潮にゆらりと傾ぐ釣筏 村上絢子 馬醉木 200808
竹筏漕いで鵜飼の近づけり 梶井和呼 酸漿 200810
古利根へ放ちし鶴や草筏 柴崎甲武信 月日 200811
引き上ぐる海の冥さや牡蠣筏 近藤暁代 馬醉木 200903
自衛艦に大きく揺らぐ牡蠣筏 永本純子 200904
崩れたる牡丹百片筏とす 北川英子 200907
夕映に水面煌く牡蠣筏 小滝奈津江 酸漿 201001
瀬戸内の波穏やかや牡蠣筏 和田政子 201001
牛窓の浦に整列かき筏 島純子 ぐろっけ 201002
あら玉の伊勢の青潮真珠筏 小林成子 201003
散る紅葉筏と化して下りけり 渡部磐空 201003
あら玉の年の青潮真珠筏 小林成子 201004
岸を出る筏に槐の花こぼる 江見悦子 万象 201004
牡蠣筏より江田島の夜のとばり 和田照海 京鹿子 201005
ため池の小さな筏亀の鳴く 安部里子 あを 201006
曲水に筏組みたる落椿 廣瀬雅男 やぶれ傘 201007
驟雨来て真珠筏の浮き沈み 岡佳代子 201008
漁夫渡る真珠筏に卯波立つ 鈴木愛子 ぐろっけ 201011
ならひ吹く海くろぐろと海苔筏 吉成美代子 あを 201102
筏より暮るる英虞湾秋夕焼 森清信子 末黒野 201102
牡蠣筏潮の満干に美味となり 加藤克 201103
牡蠣筏繕ふ舟に入日さす 中村翠湖 馬醉木 201105
初雲雀真珠筏の見廻りに 山田春生 万象 201106
攫はれて花の筏の行方かな 遠山みち子 201107
筏には成らず花びら下りゆく 武田ともこ ぐろっけ 201107
朝凪に真珠筏の浮標光る 石川かおり 201109
岩燕雲より湧きて筏追ふ 藤谷紫映 馬醉木 201109
落葉筏友呼ぶやうに合流す 吉田克美 ろんど 201202
赤き実の初荷と見えて梛筏 布施由岐子 末黒野 201204
大川へ筏を組めよ花吹雪 石川寿夫 万華鏡 201206
行く春や真珠筏の透きとおる 鶴濱節子 始祖鳥 201206
揺れ合ひて花びら筏を組むところ 吉田葎 201207
瀬戸内の味をふふみて牡蠣筏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
牡蠣筏ちよと揺らしゆく船の水尾 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
鵜が囲む舟筏の灯川に揺れ 津田富司 201211
風止みて落葉の筏とどこほり 森岡陽子 かさね 201302
瀬戸内のさ揺らぎもせず牡蠣筏 秋葉雅治 201404
蒼き空湖上に並ぶ牡蠣筏 神田惣介 京鹿子 201404
川ならば筏となるを花の塵 松本三千夫 末黒野 201407
手造りの筏下りを帰省子ら 渡たみ 馬醉木 201410
寄る辺なき藻屑筏へ秋の蝶 當間シズ 万象 201502
一島をがんじがらめに牡蠣筏 和田照海 京鹿子 201504
俯して見る筏は速し春の川 王岩 あを 201505
物売りの筏や漓江よなぐもり 比嘉半升 万象 201507
初夏の日矢真珠筏へ真つ直ぐに 立村霜衣 ホトトギス 201509
一湾に秘密基地めく牡蠣筏 大政睦子 京鹿子 201601
牡蠣筏復興兆す数と見し 林いづみ 風土 201602
春日射す真珠筏に惜しみなく 横山昭子 雨月 201606
散る花の筏つなぎに阿国の忌 錫木妙子 馬醉木 201606
磯竈真珠筏を指呼にして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
わたつみの神見そなはす牡蠣筏 堀井英子 雨月 201703
牡蠣筏揺すりだしたる艦の波 南うみを 風土 201704
さくら散る川なら筏地なら塵 松本三千夫 末黒野 201706
桜はや筏組みをり船着場 岡野里子 末黒野 201707
牡蠣筏どの岬鼻をまがりても 根橋宏次 やぶれ傘 201803
寒凪や真珠筏をすべる波 山田閏子 ホトトギス 201806
銀漢のしづくに眠る真珠筏 佐藤保子 馬醉木 201811
老漁夫の揺れしなやかに牡蠣筏 谷田明日香 風土 201901
艦過ぐと湾に張りつく牡蠣筏 田中佐知子 風土 201902
枯蓮を浚へる筏あたたかし 西野桂子 201905
夏川やかつて筏師唄負ひ来 橋添やよひ 風土 201906
英虞湾の真珠筏に白雨かな 山口登 末黒野 201909
真珠筏眼下の泊り月涼し 三輪温子 雨月 201910
海苔筏に東京湾の狭められ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
静かなる熟成の時牡蠣筏 江島照美 202004
秋澄める真珠筏の幾重にも 浜崎喜美子 202011
花吹雪分かれて筏そして塵 石川東児 202209
対岸の揚げ場の筏大花火 渡辺富士子 末黒野 202211

 

2023年3月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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