飯 蛸       56句

飯蛸の手をひろげたる檐端哉 正岡子規

作品
作者
掲載誌
掲載年月
飯蛸や潮目の先の藍の色 塚本敏子 忍冬 199806
飯蛸を笑へば綺羅の灯の別れ 丸山海道 海道全句集 199910
飯蛸の糶場の隅に忘れられ 能村登四郎 芒種 199911
小さくて飯蛸をとる壺といふ 能村登四郎 芒種 199911
飯蛸のとなりの鰺のひらきかな 小形さとる 200006
飯蛸やつまるところの似非博徒 中原道夫 銀化 200103
飯蛸のずるりと頭よりずり落つる 窪田佳津子 雨月 200106
釣り上げし美貌の飯蛸落としけり 小田元 六花 200204
飯蛸の値札を抱いて転びけり 吉村玲子 円虹 200205
飯蛸の吸ひついてゐる秤皿 桑田眞佐子 火星 200206
飯蛸の頭くらゐは詰りゐる 中原道夫 銀化 200206
飯蛸の箱に並べり佐島港 広瀬敏子 酸漿 200206
秤より落つ飯蛸の二つ三つ 高橋照子 雨月 200206
飯蛸の腹に浅知恵つめてをり 石山正子 銀化 200207
なにか佗し飯蛸の飯とぼしきも 市場基巳 200307
飯蛸を泳がせて売る魚ん棚 橋本佐智 円虹 200307
飯蛸の飯舌先にあそばせて 市場基巳 200307
飯蛸を干し釣道具商へり 大串章 百鳥 200404
飯蛸の取りもつ縁でありにけり 片岡静子 200405
糶られつつ飯蛸足を出しにけり 志水千代子 雲の峰 200406
辣韮で釣る飯蛸や秋暑し 宮坂幸次郎 帆船 200412
柳川の堀端大き飯蛸売る 須原正三 200506
飯蛸を噛みて潮の香探りけり 鳴海清美 六花 200506
飯蛸や酒友といふがひとりゐる 杉浦典子 火星 200507
飯蛸の雄は半値で売られをり 内山芳子 ぐろっけ 200605
貝の殻積める飯蛸月夜かな 南一雄 200609
飯蛸を種に加へし関東煮 高崎武義 200702
飯蛸の煮られて飯をこぼしけり 広田和子 200704
佃煮の飯蛸好きの叔父達者 平田美知子 200705
飯蛸に金色の紋しっかりと 後藤洋子 ぐろっけ 200706
呉須鉢に沢煮の独活と飯蛸と 小阪律子 ぐろっけ 200906
飯蛸のかたちに残す父の帽 森さち子 200907
飯蛸の墨ぬく男慣れたもの 四葉允子 ぐろっけ 201004
飯蛸漁磯に積まれし二枚貝 野沢光代 ぐろっけ 201008
魚の棚飯蛸逃げる逃げる逃げる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
飯蛸を輪切りにす吾ここ梗塞 品川鈴子 ぐろっけ 201103
ごはん粒飯蛸好きでない理由 稲畑汀子 ホトトギス 201103
飯蛸や川を境の須磨明石 成瀬櫻桃子 春燈 201301
飯蛸といふも親指ほどのもの 稲畑汀子 ホトトギス 201303
飯蛸のやんちやが売れてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
飯蛸の何拗ねてゐる砂の上 土屋実郎 末黒野 201405
飯蛸の飯喰ひこぼす迷ひ箸 久保東海司 201506
飯蛸や明日いちばんの船で発つ 秋月祐一 船団 201512
這ひ出でし飯蛸へとぶ糶値かな 内山花葉 201606
飯蛸の甘めのたれも米寿過ぐ 諸戸せつ子 春燈 201606
飯蛸の足ももつれる議論かな 高橋将夫 201607
飯蛸のこまつしやくれて茹で上る 田岡千章 201608
俎板を這ふ飯蛸へ手のつかず 山内碧 201705
飯蛸や赤石の浦の棚曇り 赤松赤彦 六花 201706
飯蛸のずるりがすぐに戻さるる 浅田光代 風土 201806
飯蛸となつてジャングルジムくぐる 高橋将夫 201807
飯蛸の地を走りゆく魚の棚 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
飯蛸の半分噛り腑に落ちる 谷口一献 六花 201905
飯入りをらぬ飯蛸買はさるる 志方章子 六花 202006
不機嫌なまま飯蛸の茹で上がる 森岡正作 202104
飯蛸と土佐酢自慢のいごっそう 楠本和弘 202209

 

2023年2月6日 作成

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