冬座敷          174句

冬座敷ときどき阿蘇へ向かふ汽車     中村汀女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
窯変の器愛でみる冬座敷 有本たけし 円虹 199901
ひとときの香に和らぐ冬座敷 木野本加寿江 火星 199903
「田や畑」の恩師の額を冬座敷 村上田鶴子 風土 199903
窓近き一畳灼けて冬座敷 岡本眸 199907
冬座敷我當の一茶佳境なる 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
夕さりの雨に香聞く冬座敷 石本秋翠 馬醉木 200002
落ちて朱の色濃き花弁冬座敷 今瀬剛一 200002
わが生れしも父逝きしもこの冬座敷 北川英子 200002
杉戸絵の松に日あたる冬座敷 今井松子 遠嶺 200003
一輪の活けられてをり冬座敷 柴田美佐子 いろり 200004
一間廊越に陽の入る冬座敷 二瓶洋子 六花 200004
火縄銃鴨居に眠る冬座敷 高橋好温 馬醉木 200005
身はとりに蘭の万雷冬座敷 中嶋知代 200005
飽かず聞く雀の声や冬座敷 伯井茂 春耕 200102
日の当る所が上座冬座敷 足利徹 ぐろっけ 200102
浦風や墨の香籠もる冬座敷 いしだゆか 遠嶺 200104
汽車ぽつぽ日本一周冬座敷 西塚成代 六花 200104
ながながと母の小言や冬座敷 杉江茂義 雲の峰 200202
一人には明る過ぎたる冬座敷 山田暢子 風土 200202
扁額の「丸に一の字」冬座敷 代田青鳥 風土 200202
微笑せし木彫の厄除冬座敷 久保田一豊 いろり 200202
冬座敷モビールの光播きにけり 浜口高子 火星 200203
酔うてあり酔はざるひとと冬座敷 深澤鱶 火星 200203
今日からの余白は一人冬座敷 木内美保子 六花 200203
風入れて道元と会ふ冬座敷 木曽岳風子 六花 200203
簡素とは美しきもの冬座敷 滝青佳 ホトトギス 200204
竜馬らの現れさうな冬座敷 杉江茂義 雲の峰 200204
弾痕に竜馬をしのぶ冬座敷 高野清風 雲の峰 200204
本心の言ひ出せぬまま冬座敷 木村光葉 200205
冬座敷人形の目を一隅に 渡邊千枝子 馬醉木 200302
皿置いて皿の影ある冬座敷 城孝子 火星 200302
冬座敷薩摩香炉の絵柄美し 岡村容子 築港 200302
須磨琴に目をつむりゐる冬座敷 三澤福泉 雲の峰 200302
小鋏の鈴のよく鳴る冬座敷 小島紅雅 雲の峰 200302
微笑仏大事に裔の冬座敷 村田さだ子 酸漿 200303
客を待つ九谷の香炉冬座敷 石田邦子 遠嶺 200305
冬座敷影の大きく来て座せり 志鳥宏遠 ホトトギス 200305
使者が来て綱取り告げる冬座敷 内藤三男 ぐろっけ 200305
冬座敷彼と最後の思ひ出も 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
帰り来る子等に空けおく冬座敷 稲畑汀子 ホトトギス 200312
良寛のことばに対ふ冬座敷 清水晃子 遠嶺 200404
客去りて釜鳴り残る冬座敷 斉藤道子 対岸 200404
正客に座の和みたる冬座敷 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
物の怪を庭に潜めて冬座敷 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
ふるさとの遺影古びて冬座敷 高畠陽子 河鹿 200502
通されて城が正面冬座敷 櫨木優子 200502
福助の月代青し冬座敷 鶴田武子 雲の峰 200503
冬座敷一抱へある蒟蒻芋 鈴木多枝子 あを 200503
直言の刃ずばりと冬座敷 小澤克己 遠嶺 200503
『今生』を鑑にひとり冬座敷 上田繁 遠嶺 200503
冬座敷座れば見ゆる隅田川 今橋眞理子 ホトトギス 200505
日だまりへ座布団ずらし冬座敷 水野禎子 対岸 200505
掛軸の墨痕清し冬座敷 宮原利代 ぐろっけ 200505
弔問に開け放ちたる冬座敷 坂井光代 ホトトギス 200506
呉服商座し繚乱の冬座敷 大森慶子 母衣 200602
冬座敷藍花終焉のベッドとや 木暮剛平 万象 200602
日輪の光集めし冬座敷 赤司美智子 酸漿 200602
冬座敷ルージュを指でうすくひく 波多野キヨ子 200603
つくねんと母の鏡台冬座敷 福島茂 200603
舞扇ひろげてありぬ冬座敷 山崎祐子 栴檀 200603
朗々の詠み声高き冬座敷 木村冨美子 遠嶺 200604
実南天ふたつころがる冬座敷 戸栗末廣 火星 200604
誰よりも遺影明るき冬座敷 北川英子 200702
パソコンのコード伸ばして冬座敷 山田暢子 風土 200702
夫帰る窓拭き終へし冬座敷 安部里子 あを 200702
水かげろふあそびてをりぬ冬座敷 伊東恵美子 馬醉木 200704
葭に触るるさざなみの音冬座敷 浅田光代 風土 200711
冬座敷いつとき嬰が君臨す ほんだゆき 馬醉木 200802
冬座敷大き遺影の斜にかまへ 折橋綾子 200802
剥製の鳥の眼光る冬座敷 西畑敦子 火星 200803
冬座敷形見の品を広げたる 平居澪子 六花 200803
早暁や三友凛と冬座敷 後藤眞由美 春燈 200804
独り言言う癖つきし冬座敷 伊藤康子 ぐろっけ 200804
琅玗の一湖を展く冬座敷 森竹昭夫 遠嶺 200804
刀痕も弾痕も古り冬座敷 丹生をだまき 京鹿子 200806
能面と向き合ひ座せる冬座敷 ことり 六花 200812
いまもある祖父の眼光冬座敷 浅田光代 風土 200902
単線の模型走らす冬座敷 戸田春月 火星 200903
冬座敷花の上向き下向きも 白石正躬 やぶれ傘 200903
朝粥や海開けたる冬座敷 竹内慶子 春燈 200904
趣味違ふ夫に距離おく冬座敷 鈴木石花 風土 200904
鳥羽行の汽車が見えをり冬座敷 八田木枯 晩紅 200908
冬座敷日当る海を真向うに 八田木枯 晩紅 200908
冬座敷窓に静かな海を置き 八田木枯 晩紅 200908
冬座敷よりまぼろしの句碑眺む 小澤克己 遠嶺 201002
赤き実の枝壷に挿し冬座敷 内海良太 万象 201002
衣擦れの近づきて座す冬座敷 鬼頭佳子 201002
ほのぼのと母乳の匂ふ冬座敷 北川英子 201003
水盤の水動かざる冬座敷 柿沼盟子 風土 201003
焼き締めの壺に火の色冬座敷 高橋まき子 風土 201003
富士絶景無言にさせる冬座敷 渡部磐空 201003
お軸替へ身のひきしまる冬座敷 渡邊泰子 春燈 201003
骨壺の二つ並びし冬座敷 陶山泰子 ぐろっけ 201003
お手玉と遊びし友や冬座敷 片山茂子 遠嶺 201004
花袋の書ときどき見やる冬座敷 白石正躬 やぶれ傘 201004
座布団のふくらんでをり冬座敷 小田嶋正敏 末黒野 201004
玻璃越の日のゆたかなり冬座敷 長谷川たか子 酸漿 201005
正座して言葉慎しむ冬座敷 三代川玲子 春燈 201101
畳かく褪せて親しき冬座敷 西川保子 春燈 201102
冬座敷漆の貝の釘隠 清水美子 春燈 201102
父母の忌のはらから集ふ冬座敷 伊藤百江 春燈 201102
冬座敷軸の達磨に見据ゑられ 伊藤百江 春燈 201102
方丈が教室で有り冬座敷 渡辺玄子 酸漿 201102
ジーパンののそりと入る冬座敷 山口ひろよ 201104
加賀染の花嫁のれん冬座敷 田下宮子 201201
畳の目青々とあり冬座敷 貝森光洋 六花 201201
孝書の万葉色紙冬座敷 坂上香菜 201202
冬座敷何もかからぬ朱の衣桁 芝田幸惠 末黒野 201202
ざわざわと来て冬座敷覗きけり 小林正史 201203
青々と母の新居の冬座敷 加藤峰子 201203
宿坊や一期一会の冬座敷 小野弘正 末黒野 201203
天井の板の人面冬座敷 宮元陽子 末黒野 201203
冬座敷妻の字少し丸くなり 伊吹之博 京鹿子 201203
磨かれし柱の太き冬座敷 久世孝雄 やぶれ傘 201204
一茶庵塵一つなき冬座敷 佐藤喜仙 かさね 201205
冬座敷百科事典の手擦れなほ 布川孝子 京鹿子 201206
老いふたり伝ひ歩きす冬座敷 酒井秀郎 返り花 201211
子と叔母と半日談笑冬座敷 渡辺安酔 201301
座布団に温みの残る冬座敷 笠井清佑 201302
灯は一つ影は四方に冬座敷 藤岡紫水 京鹿子 201302
一振りの名刀統ぶる冬座敷 碇天牛 雨月 201302
冬座敷暗きところに喪服掛け 山田暢子 風土 201303
てのひらのほどの仏頭冬座敷 下山田美江 風土 201303
祖父祖母の額が見下ろす冬座敷 高橋将夫 201303
黒ずみし長押の槍や冬座敷 碇天牛 雨月 201303
声溢る日差しあふるる冬座敷 岡野ひろ子 201304
雨音もひとつの調べ冬座敷 宮川みね子 風土 201304
なつかしき歌声ききし冬座敷 藤波松山 京鹿子 201304
七人を招き入れたる冬座敷 石脇みはる 201305
今生の父の清拭冬座敷 田嶋洋子 七線譜 201306
冬座敷遺影ばかりが家を守る 森岡正作 201402
「會」の字の会津藩旗や冬座敷 笠井 清佑 201402
幕末の遺品さまざま冬座敷 渡部法子 201402
すぐそばに茶の香立ちたる冬座敷 前田美恵子 201402
虚子の書の扁額掲げ冬座敷 室伏みどり 雨月 201402
呉服屋の来てゐるらしき冬座敷 小倉陶女 春燈 201402
吽形の口元かたし冬座敷 吉村さよ子 春燈 201402
掛け軸の忍の一文字冬座敷 久世孝雄 やぶれ傘 201404
客去りてもとのひとりや冬座敷 田中淺子 201404
冬座敷しづか耳鳴はじまりさう 島谷征良 風土 201404
灯を消して闇を呼び込む冬座敷 上野進 春燈 201405
冬座敷しばし日脚もとどまりぬ 鈴木阿久 201502
冬座敷母の遺影の加はりぬ 高倉和子 201503
五本指ソックス百畳冬座敷 笹村惠美子 201503
火の島を正面に据ゑ冬座敷 吉永すみれ 風土 201503
父を知る耆宿の語り冬座敷 呉文宗 春燈 201503
冬座敷母の遺影の加はりぬ 高倉和子 201504
赤ちやんの匂ひ残れる冬座敷 近藤紀子 201504
招く座を陽当りと決む冬座敷 布川直幸 201511
三味の音を好む人居り冬座敷 大日向幸江 あを 201601
冬座敷今宵の客はふたり連れ 秋川泉 あを 201602
冬座敷「花のワルツ」の時計鳴る 矢崎すみ子 201603
お手玉の小豆の音の冬座敷 秋千晴 201603
襖古り人も古りけり冬座敷 藤岡紫水 京鹿子 201603
亡骸に娘が紅をさす冬座敷 秋山蔦 春燈 201604
細やかな欄間の日差し冬座敷 堤京子 馬醉木 201702
ちちははの世は遠くなり冬座敷 河前隆二 馬醉木 201704
源氏屏風二双を並めて冬座敷 高橋照子 雨月 201704
おはじきに夕日のあたる冬座敷 天野美登里 やぶれ傘 201712
三味の音の漏れくる京の冬座敷 山田天 雨月 201802
遺されて広くなりけり冬座敷 山田暢子 風土 201802
枝垂れ柳活けて重文冬座敷 竹内喜代子 雨月 201804
筆太の無事の掛軸冬座敷 長田厚子 末黒野 201804
婿はラガー正座の汗も冬座敷 平井奇散人 船団 201805
無為の日の静かに暮るる冬座敷 平野無石 201811
冬座敷一茶の軸のむら雀 鈴鹿仁 京鹿子 201902
踏み場なき玩具だらけの冬座敷 中川幸恵 201905
冬座敷君にお経を上げむとは 竹内喜代子 雨月 201905
一つ灯の四方に影あり冬座敷 藤岡紫水 京鹿子 202002
残り香の母のぬくもり冬座敷 池乗恵美子 末黒野 202003
冬座敷俳句アタマを並べけり おーたえつこ 202003
漆喰の壁の乱れや冬座敷 渡辺富士子 末黒野 202004
生け作りの尾鰭動くや冬座敷 豊谷青峰 春燈 202004
小面のふと息遣ひ冬座敷 石黒興平 末黒野 202005

 

2020年12月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。