冬 館     64句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬館ドアノッカーに獅子の顔 藤田宏 199903
ギヤマンの燭台古りし冬館 大矢和歌子 200103
大奥の生活を偲ぶ冬館 芳賀雅子 「航跡」 200108
衣擦れは正装の音冬館 稲畑汀子 ホトトギス 200112
刀剣のロマンふくらむ冬館 石田邦子 遠嶺 200202
猫好きな女主人の冬館 大空純子 ぐろっけ 200202
一山の生みだす星や冬館 関口幹雄 遠嶺 200202
裸婦の絵の美しかりし冬館 木野本加寿江 火星 200202
自画像の吊目なりけり冬館 徳永真弓 百鳥 200203
安らぎの一隅のあり冬館 土岐明子 遠嶺 200203
夭逝の詩人の写真冬館 若生まりあ 遠嶺 200303
茶の碗に宇宙のゆらぎ冬館 土岐明子 遠嶺 200303
真夜中のからくり時計冬館 田中聡子 遠嶺 200303
大正のロマン沸々冬館 中山勢都子 200303
桃桶(さるぼう)は泪のかたち冬館 伊藤早苗 200403
*桃桶は泪のかたち冬館 伊藤早苗 200403
くれなゐの蝋燭透けて冬館 澤藤蓑助 200403
冬館突風を撥ね返しけり 大串章 百鳥 200403
冬館自画像はまだ未完成 高木武人 百鳥 200404
正面にゴツホを吊るす冬館 上薗櫨夫 河鹿 200405
人形のどの眼も青し冬館 大曽根育代 遠嶺 200406
日本間を洋間に使ふ冬館 稲畑汀子 ホトトギス 200412
若き日の花嫁すがた冬館 小澤克己 遠嶺 200503
玻璃越しに蕉翁の像冬館 森竹昭夫 遠嶺 200503
せがまれてアニメの世界冬館 木村冨美子 遠嶺 200503
冬館蔓の自縛をのがれ得ず 林玲子 200503
大窓に夕日入りこむ冬館 片野美代子 酸漿 200503
冬館きらりと光る飾り太刀 金丸鐵蕉 200601
部屋の奥にまた部屋のあり冬館 蓮井崇男 対岸 200602
冬館栖まふともなく注連飾る 田中清之 百鳥 200603
志高き人なり冬館 大橋晄 雨月 200701
逸翁とふ偉人ありけり冬館 大橋晄 雨月 200701
冬館出づ寛容になりはぐれ 田村園子 200702
桂郎のぐい呑み見たり冬館 門伝史会 風土 200703
冬館堆朱の文箱古びをり 赤座典子 あを 200704
全階に暖ゆきわたり冬館 足立幸信 200705
冬館ユトリロの白寒すぎる 山元志津香 八千草 200705
冬館華やぐ声のあり初めし 中杉隆世 ホトトギス 200706
青白き電飾聖し冬館 後藤眞由美 春燈 200802
洋館と呼ばれて島の冬館 寺岡ひろし 雨月 200804
捨て猫のやうな島見ゆ冬館 直江裕子 京鹿子 200805
深川飯食べてうなづく冬館 芝宮須磨子 あを 200902
余呉の湖にこぼる一灯冬館 佐治奈津 雨月 200905
弾かざれば鳴らぬピアノや冬館 生田恵美子 風土 201003
兼続の愛の兜や冬館 石井邦子 酸漿 201003
軽やかな楽の音空へ冬館 野口光江 遠嶺 201004
冬館オフエーリヤの老後かな 小堀寛 京鹿子 201005
残照は雲のうらがは冬館 岡井マスミ 末黒野 201102
特攻の昭和とどめる冬館 鳴下昭 201102
冬館明治諸賢の顔写真 碇天牛 雨月 201302
風入れの一窓開けて冬館 中島讃良 ろんど 201402
美濃紙の座布団並ぶ冬館 河原昭子 万象 201403

 マンデラ氏逝去

アフリカの父へ半旗や冬館

甕秀麿 201403
果樹園の透けて灯しの冬館 杉原ツタ子 201404
会ふまでの扉は六つ冬館 栗原京子 201503
冬館粗樫の森楯として 相沢有理子 風土 201504
冬館遮断機ごっこの宴となる 赤座典子 あを 201701
冬館一柱一窓ゆるぎなし 木多芙美子 春燈 201702
小学生に人生の質問のあり冬館 野中圭子 京鹿子 201703
大鏡の裏にまた部屋冬館 正谷民夫 末黒野 201703
本棚の奥に抜け道冬館 栗原京子 201904
天井が高すぎないか冬館 おーたえつこ 201904
家系図の端を略して冬館 菊川俊朗 202004
昭和史を刻む時計よ冬館 和田華凛 ホトトギス 202004

 

2021年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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