冬の夜    145句

冬の夜の父は怒りて豆こぼす   原裕

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬の夜を笑いころげて過ごしけり 岩田浩明 船団 199811
犬の毛が無くなって悲し冬の夜 岩田浩明 船団 199811
冬の夜やボールペンまで刃物めく 菅原健一 199903
冬の夜に硬きことばを受胎せり 田中俊弥 船団 199903
冬の夜の鹿なり脚に音持たず 山岸竜治 海程 199905
冬の夜の入口である鼻の穴 小枝恵美子 ポケット 199911
冬の夜恋しき母の膝枕 斉藤富久子 遠嶺 200003
冬の夜のじんじんと泌むドビュッシー 志方桜子 六花 200003
看取りゐる刻過ぎやすき冬の夜 水田清子 200003
しんしんと鎖骨の奥まで冬の夜 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
恙なき妻ゐて冬の夜のココア 遠藤和彦 遠嶺 200103
点滅灯冬の夜から夜わたりゆく 村上瑪論 銀化 200103
心の至福追いかけて冬の夜の海 金子皆子 海程 200105
フィルムの廻る冬の夜観覧車 寺田良治 船団 200107
知恵の輪のくるりくるりと冬の夜 宮嵜亀 船団 200107
冬の夜湖の如紅茶のむ 皆吉司 船団 200201
静けさに針よく通る冬の夜 伊藤月江 雲の峰 200202
冬の夜や止まったままの時計あり 荻原史子 いろり 200202
アルバムの亡き友の顔冬の夜 茂木とみ いろり 200202
無辜の民誤爆に怯ゆ冬の夜 嶋木勝次郎 遠嶺 200202
冬の夜や化粧せしまま寝る女 小島せつ子 百鳥 200203
冬の夜や佛の母に言へば足り 岡田和子 馬醉木 200204
階段を降りてくる音冬の夜半 星加克己 ぐろっけ 200204
又夜半を過ぎて稿置く冬の夜 稲畑汀子 ホトトギス 200212
落着ける一人の時間冬の夜 稲畑汀子 ホトトギス 200212
冬の夜や男はなべて浪漫派 須佐薫子 帆船 200301
初冬の夜明も近きつぶら星 阿部ひろし 酸漿 200302
電灯に集いし冬の夜の思い出 鈴木喜三郎 ぐろっけ 200302
乳与ふ闇も豊かや冬の夜 野坂民子 馬醉木 200304
冬の夜の少し濃くなる薬草茶 竹山みや子 築港 200304
握手されをり冬の夜のゼミナール 伊藤白潮 200402
冬の夜のわが半生を手繰り寄す 大串章 百鳥 200403
熟考に声を忘れし冬の夜 高倉和子 200403
終電を終へて工事の冬の夜 木村幸子 帆船 200404
冬の夜の角うづきたる天邪鬼 小野恵美子 馬醉木 200502
冬の夜のこれは一輪挿しの壷 木下野生 200502
合挽きの肉練りつづく冬の夜 太田佳代子 春燈 200502
耳底に師の声ありぬ冬の夜半 成川和子 200503
人の気も知らずに冬の夜の猫 倉持梨恵 200503
冬の夜や情薄き世は智に頼り 滝青佳 ホトトギス 200504
冬の夜や玩具に残る子の匂ひ 田中春生 200512
冬の夜や吾子の臓器の音に添ひ 太田佳代子 春潮 200602
冬の夜や民話の終りはみな「ずもな」 西村梛子 馬醉木 200602
冬の夜半このまま朝が来はせぬか 鈴木榮子 春燈 200603
群鴉消えゐる冬の夜晴れかな 大山里 200603
金平糖ちりばめ冬の夜空かな 岩月優美子 200603
手探りで探すぬくもり冬の夜 わかやぎすずめ 六花 200604
やせうまの程良い餡こ冬の夜 佐原正子 六花 200605
冬の夜星の数だけ君を待つ わかやぎすずめ 六花 200605
冬の夜のはじけてゐたるざくろかな 竹内悦子 200703
冬の夜を明かす大事や香を焚き 佐藤博美 200704
流星も冬の夜空を飾るもの 稲畑汀子 ホトトギス 200712
透明なエレベーター来る冬の夜 中島玉五郎 200712
冬の夜の回想いつも一人なる 松尾緑富 ホトトギス 200801
冬の夜や決めし心がふと揺らぐ 柿崎寿恵子 酸漿 200802

山下薹華氏追悼

冬の夜の君亡き闇の中にゐる

鈴鹿仁 京鹿子 200803
冬の夜の職員室より電話くる 野澤あき 火星 200803
又しても冬の夜更かししてしまふ 稲畑汀子 ホトトギス 200812
待つときの時間ゆつくり冬の夜 稲畑汀子 ホトトギス 200812
冬の夜の灯りを消して星を見る 稲畑汀子 ホトトギス 200812
冬の夜の声に出したる「お母さん」 外川玲子 風土 200902
待針を数へ取り出す冬の夜 吉村摂護 200903
ランタンでiモード見る冬の夜 岡田満壽美 夢のごとしと 200904
冬の夜を惜しみて集ふジャズの店 高田令子 200904
冬の夜ユニットバスに窓はなく 芝宮須磨子 あを 200904
冬の夜の砂蒸風呂の浄土かな 菊池由惠 酸漿 200904
「おやすみ」がぬくもりになる冬の夜 小嶋洋子 泡の音色 200912
冬の夜子の授からぬ一人かな 安部里子 あを 201002
折鶴の羽根の鋭角夜半の冬 松本三千夫 末黒野 201003
冬の夜の百戸の谿に百の燭 草本洋子 201003
歳の数重くなりたる冬の夜半 小野木雁 酸漿 201004
冬の夜時々亡夫(つま)の声に覚む 駒井のぶ 201005
冬の夜のひと間を灯し受験の子 宮崎左智子 201102
冬の夜を刻む遺品の腕時計 岡淑子 雨月 201102
冬の夜読みさしをまた栞より 安藤久美子 やぶれ傘 201104
冬の夜実験手技を語り合ふ 伊吹之博 京鹿子 201105
サイレンに遠吠響く冬の夜 長崎桂子 あを 201105
補聴器に心音聞けり冬の夜 高谷栄一 201202
針の穴スット通して冬の夜 川井素山 かさね 201202
美作に對ひて冬の夜の電話 佐藤喜孝 あを 201203
冬の夜の更けたればくる父の声 井上信子 201204
冬の夜の溜息誘ふココアかな 紅谷芙美江 万象 201204
母遙か冬の夜空に語り合ふ 溝渕弘志 六花 201205
どこよりの明りか冬の夜の海 佐藤喜孝 あを 201301
冬の夜や選挙速報見て更けぬ 長島清山 かさね 201302
冬の夜や半音下がる猫のこゑ 藤原若菜 春燈 201303
映画から日本の良さを冬の夜 ス丸田信宏 京鹿子 201303
読点の位置に煩ふ冬の夜 坂場章子 201303
冬の夜を急ぎ来て聴くアヴェマリア 向江醇子 ぐろっけ 201303
冬の夜をまた読み返す俳誌なる 秋田直己 ぐろっけ 201303
世辞もなき得難き友と冬の夜 向江醇子 ぐろっけ 201304
冬の夜の「銀座の雀」深夜便 鷲見たえ子 201401
アパートの廊下に凹み冬の夜 小山陽子 やぶれ傘 201402
冬の夜かぎ針出して試し編み 土井久美子 201402
物捨つることためらひてゐる冬の夜 向江醇子 ぐろっけ 201403
初冬の夜テレビに映る古都ドラマ 水谷直子 京鹿子 201403
出刃刺身菜切三徳冬の夜 はしもと風里 201403
冬の夜の嬰の喃語を聞き分くる 瀬戸悠 風土 201404
今日のこと今日遣り果せ冬の夜 稲畑汀子 ホトトギス 201411
初冬の夜の橋に聞く水のこゑ 藤井美晴 やぶれ傘 201501
冬の夜屋根の瓦の軋む音 大日向幸江 あを 201501
冬の夜や弔事切手の色見本 小山陽子 やぶれ傘 201502
ひもじさを耐える病や冬の夜 齋藤博 やぶれ傘 201502
数かぞへきつて湯をでる冬の夜 渡邉孝彦 やぶれ傘 201503
冬の夜を飾るLED遊歩道 佐藤正人 京鹿子 201503
冬の夜のメルヘン青色LED 佐藤弘香 ろんど 201503
腕枕待ちゐる猫や冬の夜 青木朋子 201504
冬の夜の夢継ぎ足して母に逢ふ 樋口英子 201505
冬の夜へ駅のエレベーター降りる 大崎紀夫 虻の昼 201510
冬の夜の細やかに注ぐ瓶ビール きくちきみえ やぶれ傘 201601
坂上は闇のカタマリ冬の夜 小山陽子 やぶれ傘 201601
ひとところ明るし冬の夜の雲 藤井美晴 やぶれ傘 201602
師に合うて冬の夜風のやはらかし 黒滝志麻子 末黒野 201602
冬の夜や三更告ぐるオルゴール 黒滝志麻子 末黒野 201602
うず高く積まれしがれき冬の夜 出口誠 六花 201602
ひねもすのどこかでゆるむ冬の夜 中堀倫子 201603
励まされゐる冬の夜の電話口 坂場章子 201603
冬の夜やノンアルコールとは侘し 松崎雨休 風土 201603
冬の夜のバニラアイスと塩せんべい きくちきみえ やぶれ傘 201603
冬の夜の渋谷の空を飛行船 瀬島洒望 やぶれ傘 201603
湯沸しのがて静まる冬の夜 小山陽子 やぶれ傘 201603
冬の夜の川の向かうに飲み屋の灯 小山陽子 やぶれ傘 201603
薔薇買うてうすむらさきの冬の夜 おーたえつこ 201603
そら耳に猫の鳴声冬の夜 藤原若菜 春燈 201604
人恋うてラジオつけおく冬の夜 荒井ハルエ 春燈 201604
鍋料理ばかりがつづく冬の夜 萩原久代 やぶれ傘 201606
冬の夜肩まで風呂に沈めけり 出口誠 六花 201702
冬の夜の内ポケットの宝くじ きくちきみえ やぶれ傘 201703
冬の夜の真ん中にあるお猪口かな きくちきみえ やぶれ傘 201703
訳もなく潰すぷちぷち冬の夜 青谷小枝 やぶれ傘 201703
一夜にて冬将軍の支配下に 相良牧人 201703
冬めきし証夜空の美しく 山田閏子 ホトトギス 201704
冬の夜の宇宙に遊ぶ望遠鏡 田中臥石 末黒野 201802
冬の夜の時を吸ひ込む太柱 水野恒彦 201802
クイズ見つつ廻す地球儀冬の夜 永井恵子 春燈 201803
冬の夜や一千万の街明り 布施由岐子 末黒野 201805
膝折りて話したきこと冬の夜 高倉和子 201806
冬の夜ネジ緩くなるオルゴール 陽山道子 船団 201809
神々し冬の夜明けの茜色 渡辺節子 201811
歳時記に夫の書込み冬の夜 田中藤穂 あを 201901
指先に頁繰る音冬の夜 瀬戸峰子 春燈 201903
病室の楽しき語らひ冬の夜 府川昭子 春燈 201903
治療なき緩和の薬飲む冬夜 山崎刀水 春燈 201903
冬の夜や言葉激しき詩を綴る 坂入妙香 春燈 201904
お吟さまひたひた来る冬の夜 近藤紀子 201904
落款へ込むる力や夜半の冬 尾崎千代一 末黒野 201904
冬の夜のゴジラの光る歌舞伎町 鈴木昌子 やぶれ傘 201904
まだ読まない本の目次や冬の夜 おーたえつこ 201904
じんわりと砂糖崩れる冬の夜 小山よる やぶれ傘 202002
かぎ針は自在に冬の夜を遊ぶ はしもと風里 202003
冬の夜の布団の中の足の先 きくちきみえ やぶれ傘 202003
冬の夜ちよいと寄り道したくなり 瀬島洒望 やぶれ傘 202003
冬の夜のメトロノームをなんとなく 青谷小枝 やぶれ傘 202003
くちびるにセロファンテープ冬の夜 出口誠 六花 202003
心音のこととこととと冬の真夜 芝田幸惠 末黒野 202004

 

2020年12月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。