冬の虫   46句

胃の下の畳の下の冬の虫    金子蛙次郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬の虫いのししの鼻むぐしけり 金子兜太 海程 199905
襖絵の褪せし茶室や冬の虫 中川晴美 俳句通信 200101
岩座に何もなかりし冬の虫 沖汐妙子 火星 200201
冬の虫茶碗ふたつを並べたり 城孝子 火星 200202
冬の虫瀬音にまぎれ鳴きにけり 長沼紫紅 200203
湯の宿の暗きに鳴きて冬の虫 長沼紫紅 200203
さみしいと瀬音に鳴きて冬の虫 長沼紫紅 200203
絞る声尚も絞つて冬の虫 鎌田つた枝 築港 200401
ひとり来て水辺に遊ぶ冬の虫 岡本眸 200401
搗き臼の底のさみどり冬の虫 戸栗末廣 火星 200402
草深く土塁のつづく冬の虫 秋山ユキ子 200403
カクタスの葉裏に小さき冬の虫 竹内弘子 あを 200601
われも座す鳴くところ得し冬の虫 高千夏子 200603
沼べりに遭難の碑や冬の虫 岡本眸 200603
竹林は暗しくらしと冬の虫 青山悠 200605
冬の虫別れはうしろ振り向かず 鈴木多枝子 あを 200801
食堂に鳴いてけふより冬の虫 野路斉子 200801
日だまりに寄り来て孤独冬の虫 後藤眞由美 春燈 200802
捨て難きものに五升釜冬の虫 和田てる子 200803
逸る気に応へぬ手足冬の虫 塩千恵子 201001
選ばれて残されしもの冬の虫 高橋将夫 201004
電話ボックス灯れる水辺冬の虫 浜口高子 火星 201103
護摩壇のときに炎の立つ冬の虫 浜口高子 火星 201103
抽斗のつつかへしまま冬の虫 戸栗末廣 火星 201103
冬の虫嵩なき声となりにけり 鳳蛮華 201203
日の厚きところに陣張る冬の虫 布川直幸 201211
若武者の鎧ちひさし冬の虫 山本麓潮 万象 201303
冬の虫やぐら這ひ出る日和かな 田中一美 ろんど 201303
退屈な昼の公園冬の虫 高倉和子 201401
神木の加護にすがりて冬の虫 久米憲子 春燈 201402
定家選の百首詠はむ冬の虫 間島あきら 風土 201501
冬の虫逃さむとしてこときれし 神戸京子 ろんど 201502
冬の虫また鳴く空の電車行き 藤井美晴 やぶれ傘 201503
ぐうの音のぐうの音を出し冬の虫 鳳蛮華 201503
街の灯の抜け落つところ冬の虫 布川直幸 201511
腰といふ弱きものあり冬の虫 中島陽華 201602
風吹けばふひよろと鳴けり冬の虫 藤井美晴 やぶれ傘 201602
コンビニエンスストア植込みの冬の蟲 篠田純子 あを 201602
文机の落ち着く窓や冬の虫 高倉和子 201603
回廊の隅に鳴きをり冬の虫 辻井ミナミ 末黒野 201603
土塊のあはひうとうと冬の虫 岩下芳子 201703
大きな海かかえて眠る冬の虫 直江裕子 京鹿子 201703
冬の虫声平らかになりにけり 松尾龍之介 201803
名を知らぬ玉虫色の冬の虫 篠崎志津子 やぶれ傘 201902
紅殻の褪せし山門冬の虫 菅野日出子 末黒野 202003
留守番だけの家居に鳴けり冬の虫 中里よし子 春燈 202102
冬の虫確かに生きてゐるやうだ 安藤久美子 やぶれ傘 202201

2023年11月15日 作成

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