冬に入る 6   100句

ただならぬ病覺えて冬に入る  高島茂  草の花

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
展示さるる石炭ひとつ冬に入る 山内碧 201803
鳥海の山容峨々と冬に入る 園部蕗郷 春燈 201803
片意地は越後生まれぞ冬に入る 田村すゝむ 風土 201803
マッチ箱振ればかたこと冬に入る 村田あを衣 京鹿子 201803
マタニティマークのハート冬に入る はしもと風里 201803
野沢菜の漬菜あをあを冬に入る 奥田温子 やぶれ傘 201804
ブロンズのトランペッター冬に入る 千原叡子 ホトトギス 201804
戻り橋みんな渡って冬に入る 中井保江 船団 201806
青いバラ爪に咲かせて冬に入る 波戸辺のばら 船団 201806
人生の節目を迎へ冬に入る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
犬の耳立て冬に入る山の音 コ田千鶴子 馬醉木 201812
縹渺と星相寄りて冬に入る 藤岡紫水 京鹿子 201812
橋上にぽつんと一つ冬に入る 赤石忍 船団 201812
冬に入る養老山脈黒み帯び 長崎桂子 あを 201901
時刻ややバスが遅れて冬に入る 定梶じょう あを 201901
近江富士嶺を丸めて冬に入る 松本鷹根 京鹿子 201901
冬に入る俳句教室四十の瞳 宮川みね子 風土 201901
籠もり堂木つ端積まれて冬に入る くどうひろこ 201901
詠めず書けず誰も来ぬ日や冬に入る 坂下成紘 201901
冬に入るしづかな海の忘れ潮 栗坪和子 201901
弁天堂の動かぬ水や冬に入る 斉藤玲子 馬醉木 201901
波引きて次の波待ち冬に入る 安斎久英 末黒野 201902
冬に入る巌越す時の水の艶 黒滝志麻子 末黒野 201902
藁の形残す藁灰冬に入る 宮内とし子 201902
かさぶたのごとき欲心冬に入る 久保夢女 201902
閼伽石をまはる風音冬に入る 竹中一花 201902
延命の中止遣言冬に入る 南奉栄蓮 風土 201902
おいそれと変はれぬ暮し冬に入る 石黒興平 末黒野 201902
雲の端に入り日の名残り冬に入る 齋藤朋子 やぶれ傘 201902
色見本帳の鴇色冬に入る たかはしすなお 201903
錆色の葉の落ちぬまま冬に入る 布施由岐子 末黒野 201903
池の面に山影深く冬に入る 吉田万喜子 雨月 201903
濠川の十石舟や冬に入る 田中美恵子 201903
冬に入る人を恋ふかに赤提灯 山田正子 201904
訃報聞くのみのふるさと冬に入る 山内碧 201904
街の灯の賑はひを増し冬に入る 森田明成 201905
田畑の平たくなりて冬に入る 曽根富久恵 201905
メタセコイアびくともせずに冬に入る 大橋晄 雨月 201905
ハンターの息子はニート冬に入る 植田かつじ 船団 201906
振り返る日々多かりし冬に入る 稲畑汀子 ホトトギス 201911
齟齬ありしこと心して冬に入る 稲畑汀子 ホトトギス 201911
冬に入る覚悟などなき如くゐて 稲畑汀子 ホトトギス 201911
探したる一人の時間冬に入る 稲畑汀子 ホトトギス 201911
冬に入る道路の補修例の政策 長崎桂子 あを 202001
見越の松に(うだつ)梲の家並冬に入る 浅野順子 雨月 202001
緑やや落ち箕面連山冬に入る 大橋晄 雨月 202001
せせらぎの奈良公園の冬に入る 大橋晄 雨月 202001
仏飯の湯気の高盛り冬に入る 諸岡和子 202001
観音の指やはらかく冬に入る 森祐司 202001
義理不義理身に余らせて冬に入る 藤岡紫水 京鹿子 202001
神に祈る御手洗の水冬に入る 小張昭一 春燈 202001
蝋石の固き手触り冬に入る コ田千鶴子 馬醉木 202001
公園の句碑寂として冬に入る 五十嵐貴子 末黒野 202002
参道の一直線や冬に入る 岡田史女 末黒野 202002
縁側の猫の寝姿冬に入る 大川暉美 末黒野 202002
冬に入るわけても深き海の紺 安斎久英 末黒野 202002
診断の腎は健やか冬に入る 田中臥石 末黒野 202002
御堂筋にイルミネーション冬に入る 溝内健乃 雨月 202002
取り落とす鍵のひびきや冬に入る 阪上多恵子 雨月 202002
掌のくぼに息をまるめて冬に入る 栗山恵子 雨月 202002
旅荷解く一人の部屋や冬に入る 金森教子 雨月 202002
一斉に北向く羅漢冬に入る 杉本薬王子 風土 202002
後手後手の終活作業冬に入る 小林輝子 風土 202002
チャイムの音半音さげて冬に入る 佐藤まさ子 京鹿子 202002
潮騒の物見櫓や冬に入る 金森教子 雨月 202002
かばんよりいつもの帽子冬に入る きくちきみえ やぶれ傘 202002
丸四角三角ボタン冬に入る つじあきこ 202003
冬に入る家の電話の鳴らぬまま 廣畑育子 六花 202003
味噌煮込みの幟はためき冬に入る 遠藤清子 末黒野 202003
著莪の葉の艶に力や冬に入る 中田みなみ 202005
地玉子の殻の厚さや冬に入る 戸栗末廣 202006
馴染まざる季節の心冬に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202011
整理して又整理して冬に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202011
気に掛る友の消息冬に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202011
天空を突き刺す梢冬に入る 沼田巴字 京鹿子 202011
死せし児の魂いづこ冬に入る 沼田巴字 京鹿子 202011
冬に入る貨車を利用の赤提灯 長崎桂子 あを 202101
へばりつく川底の石冬に入る 鈴鹿呂仁 京鹿子 202101
砂時計のオリフィス細く冬に入る 辻美奈子 202101
冬に入る革砥をすべる刃の音も 千田百里 202101
解像度上げ水底の冬に入る 平松うさぎ 202101
文庫本束ねしままに冬に入る 倉澤節子 やぶれ傘 202101
布草履なじまぬままに冬に入る 持田信子 春燈 202102
しみじみと朝の一服冬に入る 山下朝香 春燈 202102
コロナ禍の憂国論や冬に入る 室井津与志 春燈 202102
忘れ物さはの外出冬に入る 木下晃 末黒野 202102
冬に入るがさと音して紙袋 土井三乙 風土 202102
教卓に「廃棄」の札や冬に入る 中嶋陽子 風土 202102
立て掛けし箒の無聊冬に入る 吉清和代 202103
立て掛けし箒の無聊冬に入る 吉清和代 202103
直線でつながる星座冬に入る 今橋眞理子 ホトトギス 202104
ボタン孔挺摺りをりて冬に入る 松下道臣 202104
湯煙の勢ひも冬に入りにけり 角野良生 202107
問はれもす健康も又冬に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202110
ことさらに瀬の青き日よ冬に入る 山岸明子 202110
國をあげてたゝかふ冬に入りにけり 久保田万太郎 春燈 202111
冬に入る手足の痛み治療院 長崎桂子 あを 202201
江戸川の流れ豊かに冬に入る 安立公彦 春燈 202201
冬に入るタングステンの電球も 小林陽子 202201
波頭立つ銀沙灘冬に入る 橋添やよひ 風土 202201
冬に入る →7

 

2023年12月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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