冬 萌    133句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬萌を踏みつつフリーマーケット 大橋俊彦 199810
冬萌や座して思はぬ地の温み 藤井圀彦 199812
冬萌に地軸のあたま顏を出す 中原道夫 銀化 199902
冬萌やミサ終へ扉開かれぬ 岸恒雄 春耕 199904
坐れよと冬萌の草みどり濃し 大橋敦子 雨月 200002
冬萌の草を褥の童謡碑 伊藤京子 200003
冬萌のいづれも印を結ぶ形 小形さとる 200004
冬萌の野づらに灰の濡れてゐる 浜口高子 火星 200004
冬萌や遠き一歩を踏み出せり 島田和子 風土 200102
冬萌や嗅ぐことのみに犬の生 竹内弘子 あを 200102
旧伽藍発掘調査地冬萌ゆる 林裕子 風土 200102
冬萌や緬羊馬柵を一っ飛び 岡淑子 雨月 200103
相田みつをの「一生青春」冬萌ゆる 代田青鳥 風土 200103
冬萌に鋭き梢の影のあり 小澤克己 遠嶺 200202
冬萌の裳裾をのべてマリア像 伊藤洋子 200203
独身寮のテニスコートや冬萌ゆる 柿沼盟子 風土 200204
一つ家に玄関二つ冬萌ゆる 村上沙央 200204
冬萌や声あたたかき人とゐて 村田みちな 200204
冬萌や秋櫻子句碑先づ訪はな 大谷茂 飛白 200208
冬萌の山葵田あればくだりゆく 阿部ひろし 酸漿 200301
冬萌の山葵に花を見つけたり 阿部ひろし 酸漿 200301
冬萌や弥陀の大きな切手貼る 水井千鶴子 風土 200303
冬萌のただならぬ青寄つても見 中原道夫 銀化 200303
冬萌や小さき旅に橋二つ 藤井基史 帆船 200303
冬萌や松井の笑ふニューヨーク 江坂衣代 百鳥 200304
白糸の滝の岩々冬萌ゆる 阿部ひろし 酸漿 200401
虹かけて白糸の滝冬萌ゆる 阿部ひろし 酸漿 200401
冬萌や一鳥の影あきらかに 岡本眸 200402
冬萌や日陰の水の急ぐなり 渡邉友七 あを 200403
冬萌の始めは窓の輝けり 今瀬剛一 対岸 200403
冬萌の脇本陣に庭雀 三枝邦光 ぐろっけ 200403
冬萌や印旛にすこし風のきら 鈴掛穂 200404
冬萌や平成洛中洛外図 長谷川史郊 馬醉木 200404
冬萌や刺繍ふつくらさしあがり 西宮舞 200404
冬萌の一枝を加へ仏花とす 的池遙 百鳥 200405
冬萌に力得て歩を延すかな 田所洋子 雨月 200405
塩場寺と呼ばれて久し冬萌ゆる 佐々木よし子 200405
わが胸の底のここにも冬萌ゆる 伊藤白潮 200502
洗礼の頬紅き子や冬萌ゆる 辻恵美子 栴檀 200503
冬萌や千木の朽ちたる大藁屋 景山まり子 百鳥 200503
冬萌のうすき日向や人悼む 青山悠 200504
列なせる土竜の塚や冬萌ゆる 大坪景章 万象 200505
冬萌や人は憂きことのみならず 田中矢水 遠嶺 200505
冬萌や金剛力の日をためて 奥村邦子 200603
冬萌の径に茶店のありにけり 糸川草一郎 百鳥 200603
冬萌ゆるもののほとりに座りけり 糸川草一郎 百鳥 200604
冬萌の奥の劇団事務所かな 武田眞砂 百鳥 200604
門川や冬萌ゆるもの枯るるもの 糸川草一郎 百鳥 200604
冬萌や貨車に貨車足す鈍き音 戸田春月 火星 200605
冬萌の青きを踏める墓参かな 神山テル 栴檀 200605
冬萌や古地図を背に忠敬像 菊池由惠 酸漿 200703
冬萌に測量器材集めあり 蘭定かず子 火星 200703
冬萌や日の斑こぼるる禊川 森ひろ 馬醉木 200704
冬萌や午後の足裏の寧けさに 渡邊紅華 酸漿 200704
冬萌や野口英世の母の文 奥山絢子 風土 200801
冬萌の河原を広くしてをりぬ 國保八江 やぶれ傘 200804
冬萌や田より三尺高き墓地 大崎紀夫 やぶれ傘 200902
冬萌やあんよ上手に赤い靴 前川明子 200903
冬萌や空の青さをつとに受く 山荘慶子 あを 200903
保育器の小さき欠伸冬萌ゆる 藤原はる美 200903
シンプルに生きて還暦冬萌ゆる 岡澤田鶴 200904
紀の国の樹々の冬萌ゆ大気かな 仙石君子 雨月 200904
冬萌や関帝廟の赤蝋燭 呉屋菜々 万象 200905
冬萌えの枝ふくふくと散歩道 松村光典 やぶれ傘 200905
冬萌や旅信やうやく届きたり 環順子 遠嶺 201005
介護車のゆく冬萌の曲がり坂 丸井巴水 京鹿子 201005
沼傾ぐ冬萌に子と跼まれば 伊藤白潮 201010
冬萌や句集頂くあを十年 赤座典子 あを 201101
冬萌やDNAといふ不思議 芝宮須磨子 あを 201103
冬萌やかつては幸を疑はず コ田千鶴子 花の翼 201111
冬萌のいまさらながらの杜日和 豊田都峰 京鹿子 201203
冬萌や欅は翼広げ立つ 井口ふみ緒 風土 201203
冬萌や和本をとぢる木綿糸 小嶋洋子 201203
冬萌えに第九流れてきたりけり 寺田すず江 201203
冬萌や道は炭焼小屋に尽き 松本三千夫 末黒野 201204
冬萌や如来半歩を踏み出され 内藤静 風土 201204
冬萌や突破口まだ見えぬまま 杉井真由美 京鹿子 201204
逆光の冬萌触れてみたくなる 大豆生町耕一 ろんど 201204
冬萌の大地を分かつ国境 宮田香 201204
冬萌を啄む雀みな小振り 小川玉泉 末黒野 201204
冬萌や意地のひとつを捨てきれず 杉井真由美 京鹿子 201204
冬萌えの野の足跡の岸にまで 大崎紀夫 やぶれ傘 201303
大川の土手に冬萌二三本 佐藤喜仙 かさね 201303
冬萌や松をこぼるる松ぼくり 大竹淑子 風土 201304
冬萌のつづきの海の波頭 浜口高子 火星 201304
冬萌や双魚の尾鰭やや動き 庄司久美子 201304
少年に碧き空あり冬萌ゆる 中沢三省 風土 201304
冬萌の岸や野川のさざめける 前川美智子 末黒野 201304
冬萌や七十路に秘む夢いくつ 清水由恵 201304
冬萌や更地に立てるポンプ井戸 平居澪子 六花 201305
冬萌や岸に干さるる艇と櫂 國保八江 やぶれ傘 201306
鶴の塚整然と畦冬萌ゆる 工藤義夫 馬醉木 201402
冬萌を踏みて小さき咎を抱き 塩路隆子 201403
冬萌を踏みて遊びし遠き日よ 能勢栄子 201403
冬萌えの中に古りたる校舎かな 藤井美晴 やぶれ傘 201404
冬萌の光へ向きて窯の口 川端俊雄 火星 201404
冬萌や買ひ手決まらぬ売却地 竹内悦子 201404
記念樹のヒポクラテスの木冬萌ゆる 仙田孝子 風土 201404
冬萌のくぼみくぼみに鹿の糞 小林成子 火星 201404
冬萌にほのかな紅の心意気 長崎桂子 あを 201404
冬萌や未定無印子の未来 酒本八重 201502
週ごとに投薬一つ冬萌えて 下山田美江 風土 201502
子の声の変はりそめしや冬萌ゆる 内藤静 風土 201502
ダイバーゆく冬萌砂丘踏み鎮め 遠藤真砂明 201503
冬萌の野は聞耳をたててをり 柴田佐知子 201503
冬萌や末代までの放射能 高橋将夫 201504
冬萌の土手を歩きし旅心地 鈴木静恵 花こぶし 201508
冬萌や石階少し温りて 赤座典子 あを 201601
冬萌や門前の小僧歌うまし 赤座典子 あを 201602
冬萌を見る新聞を取りに出て 藤井美晴 やぶれ傘 201603
赤四手の冬萌え見たり晴るる日に 渡邊孝彦 やぶれ傘 201604
冬萌ゆるいしぶみの歌読めずねる 高野春子 京鹿子 201604
冬萌や這ひ這ひの手の何掴む 田部明子 馬醉木 201604
冬萌や王の墳より鳥翔てり 吉田葎 201605
冬萌の野を横切りて県道へ 秋山信行 やぶれ傘 201703
冬萌は雨後のあをさとなりにけり 大島英昭 やぶれ傘 201703
冬萌は田んぼのへりになかほどに 根橋宏次 やぶれ傘 201703
冬萌や明日の我へ背中押す 藤田美耶子 201704
冬萌やわが行く道は牛歩たり 安野眞澄 201704
冬萌や試歩を雀に追ひ越され 間宮あや子 馬醉木 201803
冬萌えの畑のあたりぶらぶらす 大島英昭 やぶれ傘 201803
捨網に冬萌ゆ草のみどりかな 浜福惠 風土 201805
冬萌は田んぼのへりに中ほどに 根橋宏次 やぶれ傘 201903
冬萌や亡き夫の椅子修復す 池上昌子 春燈 201903
父と娘のしりとり速し冬萌ゆる 赤座典子 あを 202001
冬萌や服薬日誌投げすてて 辻水音 202003
冬萌を歩くときたま雲を見て 根橋宏次 やぶれ傘 202003
冬萌や小さきしあはせ重ねつつ 白井友梨 馬醉木 202003
冬萌や並木は空へ手をかざし 石井美智子 風土 202004
冬萌に乗り上げてくる車輪かな 柴田佐知子 202005
冬萌や少年の手に赤き糸 雨宮桂子 風土 202104
冬萌やどんな日々にも子の笑顔 仲里奈央 202211
冬萌や谷戸にふくらむ水の音 六崎正善 末黒野 202305

 

2024年1月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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