太箸・柳箸・祝箸     87句

太箸に鯛のさしみや病起   松根東洋城  松根東洋城句抄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
名を書いて夫在るとせむ柳箸 河野多希女 船団 199903
恙なく太箸使ふ左利き 鈴鹿仁 京鹿子 200002
一人減り一人増えたる祝箸 菅谷弘子 雨月 200004
太箸をつづめてやれば鼓なる 山田六甲 六花 200101
太箸の抓みそんじもなかりけり 大橋敦子 雨月 200203
去年になき名をしたたむる祝箸 小野島淳 200203
太箸や仕掛時計の鼓笛隊 斉藤和江 帆船 200301
大皿に太箸を置き家郷なり 大串章 百鳥 200302
祝箸名を書く役の家長継ぐ 能村研三 200302
祝箸久しく増えも減りもせず 小野博志 築港 200303
祝箸名を書く役の家長継ぎ 能村研三 滑翔 200402
太箸や眉に白毛の混じり来し 山崎ミチ子 帆船 200403
太箸や日を拝みきし父の眉 山口マサエ 雲の峰 200403
太箸やどれもこれものおかげさま 名田西の鴉 草の花 200403
太箸に亡き父の指見てをりし 小林朱夏 200403
嫁となる子の名を記す祝箸 木村てる代 雲の峰 200403
太箸や声変はりの子一人居て 西屋敷峰水 河鹿 200404
祝箸年毎増える繁栄期 森下康子 200404
太箸のまづころころと豆掬ふ 福井隆子 つぎつぎと 200405
一病を諾ふ夫の祝箸 長田曄子 火星 200408
太箸や有りし夫の座婿招く 村井洋子 酸漿 200503
太箸や残る命と申すまじ 江崎成則 六花 200504
太箸や飯盛山を真正面 栗栖恵通子 200603
父と子の鋸談義祝箸 福山悦子 200603
丸餅のささやかな幸柳箸 松本文一郎 六花 200605
太箸やすこやかであれ槐の樹 谷村幸子 200703
太箸やしみじみ子等と向き合へり 原島ふじ子 遠嶺 200704
祝箸のそれぞれの名に正坐して 大泉美千代 雨月 200704
太箸や遠く見えゐし年にいま 宮津昭彦 200801
太箸を置くたび眠くなつてくる 青山丈 200803
一人も欠けぬ太箸並べけり 島谷征良 風土 200805
嬰に置く熊の絵柄の祝箸 KOKIA 六花 200805
太箸の女手迷ふ睨み鯛 品川鈴子 ぐろっけ 200902
柳箸へも脂ぎる睨み鯛 品川鈴子 ぐろっけ 200902
懸命に太箸使ひゐたりけり 加藤みき 200904
誰かゐるごとくに置きぬ太箸も 中村恭子 200904
太箸に曾孫二人が増えにけり 波田美智子 火星 200904
死なざれば吾が名書かれし祝箸 泉田秋硯 200904
座布団の窪みいろいろ柳箸 堀志皋 火星 200904
太箸や忘れられゆく父の膝 松田都青 春燈 200905
家族の名ひかる墨跡祝箸 伊藤憲子 201003
それぞれの特等席や祝箸 次井義泰 201004
一つ減りひとつ加ふる祝箸 荒木甫 201004
太箸や子に伝へたき事あまた 鈴木隆子 201004
葛飾にくらす幾とせ祝箸 竹内慶子 春燈 201006
八十路なる我も仲間の祝箸 森山のりこ あを 201103
まづ起こすことに始まり祝箸 高松由利子 火星 201104
太箸に口伝の肴ならべたる 高松由利子 火星 201104
太箸や夫なき日々に馴染みたる コ田千鶴子 花の翼 201111
黒豆の自慢の照りや祝箸 笠井清佑 201203
太箸や日当たりの良き山の色 高倉和子 201203
ナフキンに太箸寝かすとき静か 井上信子 201203
帰郷せぬ子の名を書けり祝箸 太田良一 末黒野 201204
太箸を上手に使ふ手となりぬ 加古みちよ 火星 201204
太箸に夫あらぬこと娘のあらぬこと 加古みちよ 火星 201204
帰られぬ子の名も記し祝箸 平田恵美子 ぐろっけ 201204
独りごち吾が名筆太箸紙に 石谷淳子 雨月 201204
ほろ酔いの夫の項や祝箸 中村いく子 万華鏡 201206
太箸を器用にさばき三歳児 和田郁子 粥の味 201209
太箸や正座くづさぬ屋島山 植田桂子 馬醉木 201303
重箱に子等の槍めく祝箸 古井公代 ぐろっけ 201304
帰郷せぬ子の名を書けり祝箸 太田良一 末黒野 201304
朝酒をつつしみ深く祝箸 能村研三 201402
太箸の深閑と座す丹塗り膳 藤兼静子 201404
太箸や位置につきたる鶴と亀 金井裕子 風土 201404
名を書くに変体仮名や祝箸 山田六甲 六花 201501
平成の子の名眩しき祝箸 すずき巴里 ろんど 201501
太箸や見届けられぬものばかり 高橋道子 201504
太箸をつかまり立ちの子に添ふる 坂本徹 201604
太箸に絆深めてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
二の重の金粉付きし太箸に 中貞子 201703
義母にわが妣を重ねて祝箸 樋口みのぶ 201704
太箸やお食初てふ嬰もゐて 白神知恵子 春燈 201704
夫の名も入れて太箸並べけり 久米憲子 春燈 201704
七福神の絵柄揃へぬ柳箸 安斎久英 末黒野 201704
子らの名も漢字になりし祝箸 本西一代 201803
七十路の吾に母在す柳箸 コ田千鶴子 馬醉木 201803
太箸や歩み切りたる伊勢詣 中田みなみ 201803
太箸の集まる小鉢香のもの 小林輝子 風土 201805
使はねど初孫の名や祝箸 伊吹之博 京鹿子 201904
陰膳に太箸並べゐたりける 加藤みき 202002
海鳴りや太箸白き米祝 和田照海 京鹿子 202003
ひらがなの名前ひとしほ祝箸 井上和子 202006
太箸やひかりの中の一家族 服部早苗 202006

 

2021年1月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。