2021年12月24日

吹 雪 3   100句

たましひの繭となるまで吹雪きり   斎藤玄  雁道

作品
作者
掲載誌
掲載年月
いま晴れてすぐ吹雪き初む但馬海 武田ともこ ぐろっけ 201102
吹雪く夜の鏡の中のルージュかな 野中亮介 馬醉木 201103
アレグロとなりし吹雪やひとりの夜 千坂美津恵 201104
橋立も船も塗り込め吹雪ける 柴野静 201104
そうなんだあれは夢だよ吹雪だよ 松田都青 京鹿子 201104
関ヶ原掟の如く吹雪きけり 田中清子 雨月 201104
悠々と吹雪呑込む最上川 藤波松山 京鹿子 201105
地吹雪や海の入り日を見に来しに 小林愛子 万象 201105
吹雪行く山陰本線唸り声 鈴木愛子 ぐろっけ 201105
越前の男泣かせの大吹雪 上坂渥子 雨月 201105
地吹雪や思はず縮む首の筋 藤波松山 京鹿子 201106
吹雪貫きて延着なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201201
吹雪ゆゑ立往生となる旅路 稲畑汀子 ホトトギス 201201
雪折れの傷に突つ込む吹雪かな 布川直幸 201202
向かひ風伊吹雪形如何ならん 品川鈴子 ぐろっけ 201202
ローラー展べ伊吹雪形ただ四角 品川鈴子 ぐろっけ 201202
松明をたいて空港大吹雪 吉成美代子 あを 201203
地吹雪や川を挟みて古戦場 浅井吉雄慈 夕端居 201203
地吹雪やするめと地酒じょんがらと 松岡和子 201204
吹雪きても止みても住める街美し 嶋田摩耶子 ホトトギス 201204
晴天や越後吹雪いてゐるといふ 高橋将夫 201204
振り向くは山姥なるや春吹雪 西村博子 馬醉木 201204
地吹雪に子を訪ふ道を盗られけり 岡野ひろ子 201204
回雪の袖のごとくに吹雪く夜 中島玉五郎 201204
ジヨンガラ三味線はげし吹雪のしまくかに 丹生をだまき 京鹿子 201204
眼の手術時を待つ間の粉吹雪 藤田宣子 ぐろっけ 201204
吹雪止み函館山に長居せり 赤座典子 あを 201204
博多湾吹雪の波の打ち寄する 吉村摂護 201205
まつ白に吹雪遅れの電車着く 園部蕗郷 春燈 201205
吹雪く駅逃ぐるが如く電車発つ 園部蕗郷 春燈 201205
吹雪くなか妻救急車誘導す 沖則文 ぐろっけ 201205
窓を打つ吹雪に返す卵焼 森山暁湖 万象 201206
照る湖や昨夜の吹雪はうそのやう 森清信子 末黒野 201206
地吹雪や白き木立ちにおじろ鷲 吉田博行 かさね 201207
リハビリの帰り吹雪に堪へる杖 吉村摂護 201208
うなそこは吹雪なるべしおほやしま 遠山陽子 201212
吹雪く森俄か飛び退く鳥の群 菅原孟 かさね 201302
地吹雪の去つて一村無垢となる 福島茂 201303
凍滝の中の吹雪いてゐたりけり 広渡敬雄 201303
馬券屑吹雪く天皇誕生日 すずき巴里 ろんど 201303
吹雪くなか上るリフトの零下五度 塩路遼 201304
地吹雪や母のつばさの子をかばふ 池元道雄 馬醉木 201304
吹雪中沖へ船出の同期会 水野弘 ぐろっけ 201304
地吹雪の渦巻く芯となりて佇つ 大内マキ子 万象 201304
吹雪止み禽獣のこゑなかりけり 高島鶏子 馬醉木 201305
君のこと夢の中では吹雪ゐる 松田都青 京鹿子 201305
地吹雪やこれからといふ人の逝く 横内かよこ ぐろっけ 201305
駅を出て地吹雪のこゑまのあたり 大崎紀夫 やぶれ傘 201305
北国のまつりを囃す猛吹雪 門伝史会 風土 201306
地吹雪や層雲峡の底あるく 森田節子 風土 201306
地吹雪に行く手閉ざされ里の道 嵐弥生 末黒野 201306
地吹雪の中より忽とこまち号 石井美智子 風土 201401
母と娘のあいだに吹雪く川一本 はしもと風里 201403
地吹雪やかた焼きそばにエビふたつ たかはしすなお 201403
地吹雪の無といふ色のありにけり 福島茂 201403
吹雪く中鬣さはに寒立馬 秋葉雅治 201403
忽ちに吹雪となりぬ岳の変 坂根宏子 野山の道 201404
身じろぎもせず地吹雪の寒立馬 遠山風 馬醉木 201404
吹雪かれてふと青春の歌うかぶ 丸井巴水 京鹿子 201404
地吹雪や神と悪魔の陸奥の陣 鎌田悟朗 末黒野 201404
地吹雪や秘密保護法這ひそむる 土屋草子 末黒野 201404
吹雪来て車追ひ抜く速さかな 藤波松山 京鹿子 201405
地吹雪を喜ぶ台湾観光団 鎌田慶子 ろんど 201405
吹雪く夜は無声映画の街となり 山田正子 201406
岬馬の四肢抜けてゆく大吹雪 小野寿子 201501
手つながねば吹雪亡者にさらはれさう 小野寿子 201501
猫荒るる丹後地方は吹雪かな 吉田宏之 201502
雨戸引く三日の明けの吹雪かな 長崎桂子 あを 201503
風化地蔵吹雪のあとの目鼻かな 定梶じょう あを 201503
初雪の吹雪となれる日の始め 大橋晄 雨月 201503
やすし似の若き店長大吹雪 たかはしすなお 201503
徐行車のライト点々吹雪く街 桂敦子 201503
風紋に無頼印して吹雪去る 峰崎成規 201503
吹雪いてよ恋は幾重の誤認より 乾有杏 201504
地吹雪の母の津軽の唸り出す 葉山彰 ろんど 201504
塞翁が馬の始まり吹雪かな 松川悠乃 ろんど 201504
日はまるし地吹雪土手をかけあがり 大崎紀夫 虻の昼 201510
よろづ屋の一燈吹雪く峠越 ほんだゆき 馬醉木 201510
地吹雪上げて富嶽の男振り 正谷民夫 末黒野 201604
家ぬちの耳みな尖る吹雪の夜 青木朋子 201606
乾坤を一如としたる吹雪かな 竹下陶子 ホトトギス 201607
風哭くやここは吹雪の奥越後 石原孝人 京鹿子 201701
大吹雪ささら電車を一呑みす 大内和憲 万象 201703
吹雪く夜を沖縄人と飲み語り 林陽子 万象 201703
この花の散る日吹雪く日あることを 稲畑汀子 ホトトギス 201704
吹雪く夜や郷愁のごと赤のれん 藤浦昭代 ホトトギス 201704
吹雪く日の杣家に迷ひ込む雀 山形悦子 万象 201704
地吹雪の出羽振り寂し一重窓 沼澤石次 馬醉木 201704
吹雪く夜のハザードランプ児を寝かす 井上菜摘子 京鹿子 201705
地吹雪に翔ちつ戻りつ鳩の群 松原智津子 万象 201705
放牧の馬寄り合へり吹雪く中 鏡英子 末黒野 201706
又吹雪確と戸締り怖気をる 長崎桂子 あを 201804
地吹雪の中をイベントテント張 藤波松山 京鹿子 201805
春はいつ日本海側猛吹雪 鈴木石花 風土 201805
小吹雪が雪のしづるを誘へる 赤川誓城 ホトトギス 201806
成層圏より地吹雪見えますか 三宅やよい 船団 201809
吹雪く夜や火影に越前竹人形 夏生一暁 馬醉木 201902
地吹雪に脚より貌の踏ん張れり 森岡正作 201903
真実は吹雪の奥にありさうな 小野寿子 201903
猛吹雪三尺向かうは闇のしろ 小野寿子 201903
さよならの人もう見えず吹雪なか 201903
先見えずうしろも見えぬ吹雪道 小野寿子 201903
後ろより吹雪亡者の来るやうな 小野寿子 201903
吹雪なか生まれし赤子の声大き 小野寿子 201903
地吹雪に黒の恍惚貨車続く 齊藤實 201903
蒼天や越後の吹雪思ひ遣る 小島昭夫 春燈 201904
地吹雪にしなひつ向きつ白樺 森田節子 風土 201905
吹雪かれて吹雪かれて心素となりぬ 飯川久子 201905
めづらしや六甲吹雪摩耶吹雪 後藤比奈夫 ホトトギス 201906
吹雪く夜や懐紙に魚の隠し捨て 石川桂郎 風土 202002
富士は富士伊吹は伊吹雪残る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
地吹雪の奥に墨絵のやうな森 森岡正作 202003
地吹雪に黒の恍惚貨車動く 齊藤實 202101
吹雪 →4

 

2021年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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