ほうれん草    98句

母おそろし菠薐草を食べなさい   川崎展宏   俳句研究

作品
作者
掲載誌
掲載年月
腕力と菠薐草は苦手にて 小林鱒一 天牛 199904
段畑の菠薐草の茎赤し 根本孝子 春耕 199905
病んでゐる身に山盛りの菠薐草 田畑幸子 火星 199906
沼快晴一眸菠薐草畠 片山桃弓 199907
訃届くはうれん草の花咲くと 城孝子 火星 200005
ひと雨に締まる山畑菠薐草 唐沢静男 春耕 200005
菠薐草藜の類と言はれて食ふ 松崎鉄之介 200104
小ぎれいに男所帯や菠薐草 阿部紀子 俳句通信 200104
鍋よりも大きなはうれん草茹でる 坊城俊樹 ホトトギス 200106
母を訪ふはうれん草を和へてより 高尾豊子 火星 200106
男あり電子レンジに菠薐草 堀義志郎 火星 200106
垣根越しほうれん草を一握り 山内栄美子 ぐろっけ 200107
今朝の脇腹ほうれん草のやわらかさ 湯川礼子 ぐろっけ 200202
洗ふ手を止めて辞書引く菠薐草 北畠明子 ぐろっけ 200202
野猿来てはうれん草を食べ荒らす 小泉当子 酸漿 200205
菠薐草ポパイにならず長寿かな 片渕清子 ぐろっけ 200205
強がりを言つてしまへりはうれん草 花島陽子 遠嶺 200206
鍋蓋に丈のはみだすほうれん草 高沢昌江 ぐろっけ 200207
寒の鵯はうれんさうをはだかにす 長田秋男 酸漿 200303
旅終へて煮びたし旨し菠薐草 東芳子 酸漿 200304
菠薐草老いにあやかりたきポパイ 川崎光一郎 京鹿子 200304
菠薐草食ひ誇らしき幼児かな 大串章 百鳥 200305
病院の味噌汁今朝も菠薐草 田中呑舟 火星 200306
雨のあと山美しき菠薐草 高倉和子 200306
菠薐草赤茎揃へ置かれあり 北嶋美都里 西の峰 200401
菠薐草たつた独りのバス旅行 沖増修治 百鳥 200405
路地売りの菠薐草に薄氷 辻兎夢 200407
見送りの母にもらひし菠薐草 斉藤裕子 あを 200502
菠薐草湯がき香らせ旅戻り 松原ふみ子 200507
嬬恋の地に張りついてはうれん草 辻直美 200604
日は朝はうれんさうの水を切る 池田耕二 百鳥 200605
菠薐草雨の後なる緑濃し 山口秀子 酸漿 200605
つきあひのいつしか間遠菠薐草 田中藤穂 あを 200606
木枯やはうれん草は紅つくし 山尾玉藻 火星 200801
ポパイにもなれず菠薐草食べて 稲畑汀子 ホトトギス 200802
好き嫌ひ有無を言はせず菠薐草 稲畑汀子 ホトトギス 200802
はうれん草體は水といふ不思議 竹貫示虹 京鹿子 200802
春浅き菠薐草の色冴ゆる 八田與四郎 酸漿 200805
癒近しはうれん草の美味なるも 小島みつ代 200806
茎立ちておどろとなりぬ菠薐草 網野茂子 酸漿 200808
菠薐草畑の緑のやはらかに 仙石君子 雨月 200905
取りたてのはうれん草の名札かな 山野惣一郎 遠嶺 200906
菠薐草湯気まで染めて茹で上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908
夫の聞くほうれん草の茹加減 片野美代子 酸漿 201003
はうれん草の紅ほの甘き夕餉かな 小田明美 春燈 201004
菠薐草ポパイに成ると子等逸る 石岡祐子 201005
土つきのはうれん草買ふ道の駅 佐田昭子 ぐろっけ 201007
菠薐草兄弟はみな草食系 山本喜朗 雨月 201104
風評を被りて菠薐草の艶 能村研三 201105
春寒くはうれん草も被曝せる 細川洋子 201105
菠薐草主婦歴五十年となり 樺山翠 雨月 201105
水仕楽し菠薐草の紅も 樺山翠 雨月 201105
農事新聞にくるまり届く菠薐草 出口賀律子 雨月 201105
強かりし漫画のポパイ菠薐草 井田実代子 雨月 201105
赤よりも紅なつかしき菠薐草 井田実代子 雨月 201105
菠薐草ゆでる間も耳朶の揺れ 森さち子 201106
ほうれん草出荷停止に涙する 池田光子 201106
品薄の店の片隅菠薐草 福田雅子 万象 201106
恙なき媼に胡麻のほうれん草 伊藤憲子 201108
菠薐草の赤き根洗ふ幸田文 大地真理 201108
食べ嫌ひ「神が見てるよ」はうれんさう 竹内悦子 201204
日は西にはうれん草はお浸しに 安居正浩 201204
赤き根ははうれん草の力瘤 秋葉雅治 201204
命惜し菠薐草の根の紅し 栗原公子 201204
となりから到来どつさり菠薐草 上原重一 201204
朝市や菠薐草の根が真つ紅 原友子 201205
菠薐草取りほかし去る農夫かな 吉村さよ子 春燈 201206
菠薐草抜く手際良き農夫婦 山口庸子 ぐろっけ 201206
削り節をなか高に盛りはうれん草 有賀昌子 やぶれ傘 201206
ほうれん草灰汁も味なり人に臍 村田とくみ ぐろっけ 201209
はうれん草きらなす堰へ二掴み 井上石動 あを 201303
菠薐草草女の子とて力瘤 城台洋子 馬醉木 201305
失恋や菠薐草を茹で上げて 古川夏子 201305
挨拶の代り菠薐草の束 高田令子 201306
さばさばと忘れたるふりはうれん草 伊藤憲子 201306
菠薐草今日も湯掻いてをさな妻 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
菠薐草今日も湯掻いてをさな妻 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
過疎を守る菠薐草のいきいきと 浜福恵 風土 201405
愛憎や菠薐草の茄で加減 岩月優美子 201405
熱の子にはうれん草の魔法効く 三村純也 ホトトギス 201407
菠薐草旬とて茎の甘かりき 落合由季女 雨月 201411
食卓にみどり冴え冴えはうれん草 辰巳あした 雨月 201504
土まとふ露地物うれし菠薐草 長崎桂子 あを 201505
茹で上り鉢にちんまり菠薐草 長崎桂子 あを 201505
根にひげを伸ばしてをりぬ菠薐草 西村しげ子 雨月 201505
釈奠に祀るはうれん草真青 福島せいぎ 万象 201508
菠薐草頼もし昭和遠くにし 浅井青二 雨月 201705
菠薐草真青にゆでて母とあり 西住三恵子 201705
育てもす菠薐草を嫌ひな子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
育てもす菠薐草を嫌ひな子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
闇少し菠薐草の茄で汁に きくちきみえ やぶれ傘 201903
藤穂女史の茹で菠薐草甘し旨し 篠田純子 あを 201903
赤き根の菠薐草は母の味 城戸ひろみ 雨月 201905
はこべら旨し菠薐草に混じりゐて 篠田純子 あを 202004
赤軸の菠薐草や長恨歌 庄司久美子 202004
我渾名オリーブオイル菠薐草 篠田純子 あを 202005
訃の報せ呆然と持つ菠薐草 中田みなみ 202010
根性葉に育つうまみや菠薐草 小野寺束子 202104
釣銭が菠薐草の束になる 小澤えみ子 202105

 

2022年2月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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