杜鵑草 1    100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
時鳥草山道暗き日なりけり 渋谷ひろ子 酸漿 199911
油点草暮るるに疾し庫裡灯る 皆川盤水 春耕 199911
頼家の墓地の坂口時鳥草 中路間時子 火星 200001
杜鵑草奥の院への地図展ぐ 大森美恵 風土 200002
石垣の罅に咲きをり油点草 永田二三子 酸漿 200006
杜鵑草清められたる庭に咲く 福田みさを いろり 200012
たこ焼は七つ百円杜鵑草 岡田万壽美 俳句通信 200101
杜鵑草建仁寺垣緩みをり 勝山律子 200101
近づけば斑点増ゆる杜鵑草 小林あつ子 火星 200104
ほととぎす朝は童女も草を負ふ 水原秋櫻子 馬酔木 200108
三河路に親しみ増して油点草 稲畑廣太郎 ホトトギス 200111
杜鵑草籠に投入れ汀女の忌 福永みち子 馬醉木 200111
井戸の辺に咲き出づ白き杜鵑草 松崎鉄之介 200112
雨太し群れて傾く杜鵑草 二瓶洋子 六花 200201
杜鵑草さして白磁の白の冴ゆ 宇佐美祐喜子 酸漿 200201
斑のおほきことの親しき杜鵑草 鈴木伊都子 200202
ほととぎす朝草刈の鎌かろし 阿部ひろし 酸漿 200207
杜鵑草音の聞けざる書道塾 深澤テル子 200212
一客一亭一畳台目に杜鵑草 神蔵器 風土 200301
暮れゆくやまして余命の杜鵑草 林翔 200301
時鳥草阿蘇のかそけき川の音 岡山裕美 雲の峰 200311
四畳半の机一つに杜鵑草 神蔵器 風土 200312
油点草先師好まぬ花なれば 長屋璃子 火星 200312
妻に添ふ墓誌にあきあり杜鵑草 神蔵器 風土 200401
信号を待つ間の一句杜鵑草 原田ゆふべ 草の花 200401
棕櫚縄の朽ちたる木戸や油点草 中元英雄 河鹿 200402
杜鵑草よけれ上揩ネらずとも 佐藤淑子 雨月 200403
蔭にあらば思い色濃き時鳥草 平野きぬ子 八千草 200403
油点草花咲くまでの青畳 喜多初枝 雨月 200410
杜鵑草脛で分け行く墓の道 細野恵久 ぐろっけ 200410
杜鵑草祈りは友へ新たなる 藤田あけ烏 草の花 200411
杜鵑草尼僧の撞ける夕の鐘 朝妻力 雲の峰 200411
庭荒れて座を拡げたる油点草 佐野布娑 雨月 200412
杜鵑草耳のとほさをまた言はる 淵脇護 河鹿 200501
杜鵑草ひび割れ著き登り窯 谷野由紀子 雲の峰 200501
杜鵑草抱きて逮夜の道急ぐ 神谷信子 雲の峰 200501
ほととぎす畑青草を焚くけむり 阿部ひろし 酸漿 200508
さみだれにうたるる草のほととぎす 瀧春一 菜園 200509
遠山を雨濡しゆく杜鵑草 吉田順子 200601
誰が描きし斑かこまやかに油点草 若江千萱 雨月 200601
点描の技が好きなる杜鵑草 物江晴子 八千草 200604
杜鵑草何か一つは気掛りが 赤座典子 あをかき 200612
杜鵑草と白杜鵑草撮りにけり 松崎鉄之介 200612
庭咲きを母へ供へる杜鵑草 KOKIA 六花 200701
杜鵑草端つこの方賑賑し 椿和枝 200701
杜鵑草そんなに仰山咲かずとも 竹下幸子 火星 200702
杜鵑草色濃く咲くや夫の里 和南城ふみえ 酸漿 200702
亡き君に情を深め時鳥草 池田倶子 雨月 200703
なんとなく人恋しくて杜鵑草 寺田すず江 200712
杜鵑草一夜の雨にみな散れり 松崎鉄之介 200801
杜鵑草湧くがごとくに咲ききたる KOKIA 六花 200802
夕刻の雨しづかなり時鳥草 高皿令子 200812
夢二の世の半衿かとも杜鵑草 高橋あさの 200812
杜鵑草激つ瀬に添ふ峡の路 森竹昭夫 遠嶺 200901
時鳥草はびこり日々の仏花とす 椋本一子 雨月 200912
杜鵑草みじかく剪つてしまひけり 竹内悦子 201001
紫の斑より暮れゆく杜鵑草 青木由芙 末黒野 201001
大甕の虚ろのひびき杜鵑草 山田禮子 遠嶺 201001
杜鵑草嬉しきことも打ち明けず 近藤倫子 ぐろっけ 201002
桟道や瀬音をまとふ杜鵑草 森清尭 末黒野 201004
土の匂ひ草のにほひや時鳥 根岸善行 風土 201009
杜鵑草活けて定家の軸寂びぬ 徳井節子 馬醉木 201011
むらさきの滓面いたはし杜鵑草 大橋敦子 雨月 201012
杜鵑草吾が文机に愛でをりぬ 吉田晴子 201101
触れもせずはじけて雨の杜鵑草 成田美代 201112
愛宕路の保存家屋や杜鵑草 坂根宏子 201201
杜鵑草血の斑渇きてほろと落つ 吉井潤 ぐろっけ 201203
野仏のまはり一面杜鵑草 後藤克彦 かさね 201212
碧空の深く城址の杜鵑草 碇天牛 雨月 201212
問屋場の框黒ぐろ杜鵑草 小澤菜美 201301
老斑の気兼ねなかりし油点草 田中貞雄 ろんど 201301
ひつそりといつもの場所に杜鵑草 早崎泰江 あを 201301
庭手入れ花まで引かれ杜鵑草 足利ロ子 ぐろっけ 201302
夕影に斑の沈みたる時鳥草 山田佳乃 ホトトギス 201303
油点草忌日の色として淡し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
杜鵑草どこからとなく虻をよぶ 早崎泰江 あを 201312
杜鵑草根締め悪しきを供華となす 水野範子 ぐろっけ 201401
杜鵑草咲きそむ三下り半の寺 松林依子 201412
紫も地味な紫時鳥草 稲岡長 ホトトギス 201501
虚子館の杞陽展出て杜鵑草 千原叡子 ホトトギス 201502
杜鵑草子規の供華とて目立たざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
油点草咲くまで待てぬ庭案内 稲畑汀子 ホトトギス 201509
見慣れゐてその名問はるる油点草 稲畑汀子 ホトトギス 201509
杜鵑草庭の表情変るほど 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
時鳥草皆天を向く忌日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
むらさきを粋にあしらひ杜鵑草 渡部節郎 201511
杜鵑草風に揺れつつ翔つを待つ 上原重一 201512
杜鵑草名も知らぬ人そこここに 飯田ひでを 201601
杜鵑草血の斑ふやして飛ぶ構へ 岡野ひろ子 201602
杜鵑草公民館の賑はひて 野中圭子 京鹿子 201602
久に訪ふ家に声なし杜鵑草 青野安佐子 201602
油点草忌心ほどに揺らす風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
杜鵑草路地にはみ出し招きおり 植木やす子 201611
尼寺やそばかす美しき杜鵑草 箕輪カオル 201612
洛北の川風清に杜鵑草 利國春美 馬醉木 201701
杜鵑草端然として虚子の墓 加藤静江 末黒野 201702
斑点は神のいたづら油点草 玉置かよ子 雨月 201702
杜鵑草咲いて忌日の静けさに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
杜鵑草供華の要として楚々と 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
杜鵑草忌日の寺苑埋め尽し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
 

 

2021年9月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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