干 鰈    64句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
干鰈の若狭富士背に友の句碑 松崎鉄之介 199805
潮の香を路地いつぱいに干鰈 酒井多加子 俳句通信 199904
干鰈犬眠りゐる蜑の庭 山田京子 俳句通信 199905
浜風や古りし値札の干鰈 岩田育左右 遠嶺 199906
干鰈ひらひら吊りて春を呼ぶ 伊藤京子 200003
燈台に松風の音干鰈 皆川盤水 春耕 200003
鰈干す断崖迫る一漁村 春田淳子 俳句通信 200005
縁側はたそかれやすき干鰈 中原道夫 銀化 200005
能登海のうた聴こえくる干鰈 戸村よねこ 遠嶺 200005
反り合はぬさまに盛られし干鰈 夏秋明子 ヒッポ千番地 200010
子規の忌やかるく焙りて干し鰈 川井政子 風土 200012
えんがはのほどよく焦げし干鰈 竹内弘子 あを 200103
干鰈揺れてきのふと同じ空 小林あつ子 火星 200104
干鰈叩きし母の日なりけり 松本恭昴 火星 200107
一夜干しの鰈に老いの秋渇き 廣島泰三 200202
鳥ごゑのこぼれてゐたる干鰈 戸栗末廣 火星 200207
干鰈みな極楽へゆける貌 滝沢環 京鹿子 200305
満潮の飛沫がとどく干鰈 林敬子 酸漿 200306
干鰈酌めよとばかり若狭より 阿部いく子 百鳥 200307
干鰈一気に乾き海女の路地 久保知音 対岸 200402
ゆつくりと夜が明け一夜干鰈 福井隆子 つぎつぎと 200405
尾道の直哉の旧居でびら干す 内藤三男 ぐろっけ 200405
日に二本バス来る村や鰈干す 岸川素粒子 万象 200409
カロリーのグラム療法干鰈期 禰寝瓶史 京鹿子 200504
干し場より埃叩きてむし鰈 内海保子 万象 200505
御食つ国小浜そこここ干鰈 梅原美子 200505
干鰈寄り目重ねて売られをり 菅原末野 風土 200511
遠山に雪の輝く干鰈 森脇貞子 雨月 200607
うすあかきはららご透けて干鰈 竹内弘子 あを 200705
干鰈透くや旧知の話など 黒須洋子 遠嶺 200707
干鰈透けり真実みゆるまで 近藤喜子 200805
暮るるまでバスの便なし干鰈 河崎尚子 火星 200806
海に立つ一の鳥居や鰈干す 伊川玉子 万象 200906
鰈干す軒端づたひに日本海 浅田光代 風土 200906
まみどりの紙より出でし干鰈 大山文子 火星 201005
受難節木の葉つなぎに干鰈 中尾杏子 201006
干鰈の下の水舐む猫の舌 田中文治 火星 201006
空海に染まらぬ白さ干鰈 冨松寛子 201006
干鰈砂丘の色になりにけり 長谷川たかお ろんど 201106
荒縄につなぎ室津の干し鰈 中道愛子 201107
干鰈包める瀬戸の新聞紙 波多野孝枝 末黒野句集 201203
干鰈薄き身あぶり祖母好み 郡山真帆 かさね 201205
鰈干され仰天の日に鰯雲 浅岡麻實 末黒野 201302
洞の眼に見られて叩く干鰈 山尾玉藻 火星 201305
干鰈どの目も海を見つむる目 松本峰春 春燈 201307
潮風に反りはじめたる干鰈 安部和子 雨月 201405
うす紅の色に腹透け干鰈 有賀昌子 やぶれ傘 201406
蒸し鰈干し直さるる軒端かな 奥田温子 やぶれ傘 201406
穏やかに暮れて若狭の干鰈 大上充子 馬醉木 201406
干鰈焼くや若狭に紺の海 古川夏子 201506
干鰈となりの島へ船の水脈 大崎紀夫 虻の昼 201510
鋭きこゑの鳥の過りし干鰈 戸栗末廣 201605
干鰈リヤカーに吊り商へり 赤堀洋子 万象 201608
鰈干す脇に合羽も長靴も 浜福惠 風土 201706
抱卵の紅のほんのり干鰈 佐津のぼる 六花 201706
門口は日向三昧鰈干す 浜福惠 風土 201706
民宿の裏の空き地に干鰈 青谷小枝 やぶれ傘 201805
波のおと子守唄なり干鰈 寺田すず江 201805
みな反れり縄につながる干鰈 住田千代子 野に遊ぶ 201811
一湾の風が仕上げる干鰈 大谷昌子 馬醉木 202005
風干しの鰈あぶりて四日かな 栗坪和子 202204
一塩の鰈干す籠春日差 平田きみ やぶれ傘 202207
潮の香のつかず離れず干鰈 亀田虎童子 あを 202305
干鰈乾く途中の舟溜り 和田照海 京鹿子 202306

 

2024年3月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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