頬 白    59句

頬白やひとこぼれして散り散りに    川端茅舎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
頬白のこゑ御慶めく日和かな 林翔 199902
頬白や逢ひたき人に遠電話 小川時子 199907
頬白のながむる枯野日の当る 阿部ひろし 酸漿 200001
頬白の地鳴き幾いろ春立てり 藤原たかを 馬醉木 200004
頬白の移りて影の移りけり 関正夫 酸漿 200004
頬白や多摩の野川にこぼるる日 皆川盤水 春耕 200004
二月野や頬白地鳴き誰を呼べる 木山白洋 馬醉木 200005
頬白やまだ新しき登り窯 松塚香寿子 俳句通信 200005
頬白の来てゐる桶の水匂ふ 小林あつ子 火星 200006
頬白や杉箸乾く吉野郷 中村風信子 馬醉木 200007
頬白を見かけぬままに峠越え 稲畑汀子 ホトトギス 200010
たたずめば頬白の鳴く枯野なり 阿部ひろし 酸漿 200101
頬白の歌ふ場所あり夕涼み 長田秋男 酸漿 200109
頬白の鳴くに過ぎ行く木の根道 中西久美子 200205
あの声は「巣々出来タヨ」と頬白か 林翔 200206
声ちちと頬白のをり畦の梅 阿部ひろし 酸漿 200207
枯るる中頬白の声移るあり 夏目満子 酸漿 200302
頬白のつがひしばらく視野のうち 伊藤白潮 200304
頬白や葛城を靄のぼりゆく 中御門あや 雲の峰 200305
頬白のこづたふ庭や小糠雨 竪ヤエ子 雲の峰 200305
頬白の喉元産毛そよぎけり 香釈好以 八千草 200310
軒下に頬白のゐて野分跡 長田秋男 酸漿 200311
頬白の地鳴きたしかよ奥みたけ 関まさを 酸漿 200402
頬白の細き地鳴きや春浅し 金子つとむ 雲の峰 200404
頬白へ杖を突かずに近寄りぬ 淺場英彦 万象 200407
頬白の殊に早起き今朝の秋 長田秋男 酸漿 200411
庭の木に来て頬白の囀れり 河野政恵 酸漿 200505
太陽にもの申しては頬白鳴く 大橋敦子 雨月 200507
頬白のくりかへし呼ぶ春の岬 瀧春一 菜園 200509
雨後の日を浴び頬白の飛び立てり 橋本光子 酸漿 200605
頬白の頬に日の色楢芽ぐむ 瀧春一 常念 200606
麦熟るゝ野に頬白のこゑひとつ 瀧春一 200706
鳴きながら頬白越ゆる地獄門 大坪景章 万象 200707
頬白の群れて椿は日向の木 杉浦典子 火星 200707
頬白の囀る綏遠将軍府 松崎鉄之介 200707
頬白や妻立ち止る子飼川 櫻井白扇 春燈 200710
頬白や釣橋なべて杣径へ 大畠政子 雨月 200712
明方や鳴く頬白に起こさるる 小峯雅子 酸漿 200810
頬白来ひかりの朝の厨かな 一ノ木文子 炎環 200906
頬白や生きる喜びなくもなし 荒井千佐代 201006
頬白と目白の仲は知らざりき 高橋将夫 201007
口蹄疫知らず頬白よく鳴けり 佐藤山人 201009
梅雨の日の光頬白庭に鳴く 長田秋男 酸奬 201009
頬白の太郎次郎三郎どれがどれ 溝口健也 201105
頬白の吉野便りに耳を貸す 鳳蛮華 201108
頬白や木々に力の漲りて 中田とも子 201206
とび立ちてやはり頬白なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201310
頬白の「一筆啓上」囀れり 神蔵器 風土 201403
頬白の一羽きてをり日向の木 杉浦典子 火星 201407
頬白の嘴が器用に籾捌く 佐藤山人 201505
頬白の一筆つかまつり候や 高野昌代 201506
寿福寺に頬白遊ぶ一忌日 大久保白村 ホトトギス 201603
頬白の目覚めさせたる森の精 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
頬白と分る距離まで近づきし 稲畑汀子 ホトトギス 201610
頬白や一筆せむに父母は亡く 土屋啓 馬醉木 202005
頬白や風に馴染みて藪のなか 今村千年 末黒野 202006
頬白の鈴音を近く杣の道 小田嶋野笛 末黒野 202007
頬白の声と言ひきる一俳人 安原葉 ホトトギス 202203

 

2022年3月18日 作成

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