日覆・日除    98句

田の人の日除になるや雲のみね   小林一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
日覆を下ろし深海魚のやうに 山田弘子 春節 199503
日除して神の礎石の一鍬を 板谷純子 ホトトギス 199810
一雨後のひろびろと張る秋日除 野路斉子 199901
日除して隣の音を聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 199907
日除巻き上げて一日終りけり 稲畑汀子 ホトトギス 199907
傾きし日に巻き上げし日除かな 稲畑汀子 ホトトギス 199907
惣菜屋横丁日除もつれ合ひ 野路斉子 199909
夕風を孕みて日除巻き取られ 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
船宿の日除はづさぬまま冬へ 高橋さえ子 200002
傘をもて魚籠の日除としたりける 桑田真佐子 200008
日覆を流れてをりぬ昼の雨 真保喜代子 200012
日除帽取れば突然若かりし 後藤立夫 ホトトギス 200012
雲現れて日除となりぬ砂漠往く 嶋田摩耶子 ホトトギス 200103
ジュネといふ渚通りの日覆店 能村登四郎 200108
鉢棚の日除けを風が巻きあぐる 木野本加寿江 火星 200110
森へ向くみどりの日除け珈琲館 萩谷幸子 雨月 200110
日覆をはみ出す数の花の鉢 津田経子 火星 200111
日覆の下のらくろの微笑めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200207
結局は日除の下にばかり居て 稲畑廣太郎 ホトトギス 200207
日除取り払はれて下町広し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200208
日覆を巻き戻しあり駐在所 今村恵子 200210
日除して手焼せんべい江戸育ち 吉田久子 200210
縞日除ここの茶房の水旨き 岡本眸 200211
池の面へ扇日覆の接写かな 能村研三 200309
紅茶濃し日覆朱きカフェテラス 佐々木幸 200309
日除けして骨董市の始まれり 高倉和子 200310
日除張る女宮司の水天宮 山崎桂 帆船 200310
尾道の日除巧みや坂住まひ 伊藤稔代 200311
するすると日除け広げて葛粉売る 関根洋子 風土 200407
日除け深くししむら紅き精肉店 淵脇護 河鹿 200408
日除けして乳母車の子指しゃぶる 津田霧笛 ぐろっけ 200409
新聞紙二枚で日除け操縦席 角谷美恵子 ぐろっけ 200409
草刈女背に日除けの柴挿せり 海野勲 万象 200411
日覆捲く坂段市場人気なし 能村研三 200508
大日除腰骨高き人ら群れ 山本浪子 風土 200509
ワゴンセール同じ柄なる縞日除 山部淑子 200509
三房ほど生りし日除の葡萄棚 竹内弘子 あを 200511
大日除下りてロビーの午後となる 稲畑汀子 ホトトギス 200605
日覆のなかにわたしの子を置きぬ 辻美奈子 200609
庇てふ日除の幅をさびしがる 齊藤實 200609
申しわけほどの日覆海に向き 高橋道子 200611
鍔の広さをもてあまし日除帽 足立幸信 200611
にとべ葛日除となりし診療所 伊舎堂根自子 万象 200611
紗の日除風景夢のよに溶かす 宮津昭彦 200611
林間に物売るための春日除 野路斉子 200705
鉢に鉢沈め目高の日除けとす KOKIA 六花 200709
日除深くし荒物屋残りけり 高木嘉久 200710
子規の忌来日除の棚の深みより 横田初美 春燈 200711
美容室日除の下の茄子の花 田中藤穂 あを 200809
日覆やお客一人の青果店 木暮剛平 万象 200810
日除けして潜むが如くソファー上 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200810
日覆のうしろもつとも暗きかな 川口崇子 万象 200812
日覆を深く銀座の時計商 鷹羽狩行 200907
託児所の日除ふうせんかづらかな 平照子 酸漿 200909
日覆ひを張る釣り船の碇綱 渡邊孝彦 やぶれ傘 200912
日除にと植ゑしゴーヤー実りけり 立川タカ子 酸奬 201012
庭椅子に日除一枚ととのへり 稲畑汀子 ホトトギス 201107
来る夏の日除けの苗を選びをり 本島むつみ ろんど 201107
省エネの日除けのゴーヤ花盛り 藤見佳楠子 201109
節電のゴーヤの日除黄花つけ 木村茂登子 あを 201109
煙草屋の色の褪せたる日除けかな 瀬島洒望 やぶれ傘 201201
日覆のきしみて出で来霜日和 垣岡暎子 火星 201203
日除上げ俯瞰の景を楽しみぬ 稻畑汀子 ホトトギス 201207
巻き上げし日除に夕べ来てをりぬ 稻畑汀子 ホトトギス 201207
バスに乗り少年すぐに日除とる 細野恵久 ぐろっけ 201207
天窓に印度更紗の日除かな 平居澪子 六花 201209
日々伸びる日除けのゴーヤー窓隠す 池田光子 201210
仏蘭西語日覆の前をすぎてきゝぬ 水原秋櫻子 馬醉木 201307
日覆に地野菜並べ峡の駅 伊東和子 201311
よろづ屋の日覆深く峡の町 松田明子 201311
丸ビルといふ日覆の下を行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
日除して江戸の四百年の店 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
川沿ひの縞の日除けのカフェオレ 青谷小枝 やぶれ傘 201507
絡まりし網を日除に診療所 吉田葎 201607
句座に着く日除片陰使ひ切り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
店主出て伸ばす日除けや青物屋 青谷小枝 やぶれ傘 201608
一本のヒマラヤ杉を日覆に 山本久江 201609
花舗に立つ背へするすると日覆伸ぶ 田中臥石 末黒野 201609
復興の道のり遠し墓に日除 東秋茄子 京鹿子 201610
山の寺日除けにゴーヤ這はせたる 福島せいぎ 万象 201611
崖下の蕎麦屋日除を深くせり 高田令子 201708
駄菓子屋の日除に鉄の骨見えて 大崎紀夫 やぶれ傘 201708
古書市の日除けの傘に入りにけり 瀬島酒望 やぶれ傘 201708
日除けして元祖豚饅頭の皮 辻水音 201809
日覆の端のはためく今小路 斉藤マキ子 末黒野 202009
くたびれた日除けをくぐり定食屋 瀬島洒望 やぶれ傘 202010
雨傘で日除けをしたるトマトかな 白石正躬 やぶれ傘 202209
駄菓子屋の日除の下の忘れ物 日高みち子 やぶれ傘 202212
初旅の車窓日除けをすこし下げ 瀬島洒望 やぶれ傘 202303
日覆を外して星を招き人れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
日除して三百年の老舗守る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
日除して猫の天地となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307

 

2023年7月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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