穭(ひつじ)1  200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
穭田に雀群れゐるひとところ 水上秀一 雲の峰 200312
穭田に夜来の雨の煌けり 岡田万壽美 雲の峰 200401
ひつじ田の果て無き関東平野かな 篠藤江 帆船 200402
風荒き流謫の島の穭かな 駒井でる太 200605
穭田がときをり雀弾き出す 丁野弘 200710
長征に似て穭田の畦を行く 伊藤白潮 200712
箱の田を刈りて幾日の穭かな 阿部ひろし 酸漿 200712
好晴や穭田のみに風つどふ 山岸治子 馬醉木 200801
穭田の青き畦道独りゐて 塩野きみ 遠嶺 200801
穭田も土塀も真壁町の顔 布川直幸 200801
穭田の続く伊賀路の雲白し 細川コマヱ 雨月 200801
穭田の青さは水の近江かな 宮内とし子 200801
穭田の畦に四つ葉や何かある 松元末則 酸漿 200801
穭の穂頭垂る迄今少し 渡辺玄子 酸漿 200801
穭田をはさむ会話の筒抜けに 木内美保子 六花 200801
穭田に一本の穂を見つけたり 筒井八重子 六花 200801
穭田のそよぎを得たる青さかな 西口万佐子 200801
穭田にからす不穏な群れをなす 久津見風牛 200802
穭田や白紙に戻す農ごころ 鈴鹿仁 京鹿子 200802
御輿立つ里田穭の露きらら 丸山冬鳳 京鹿子 200802
穭田の穂のあをあをと神迎 宮川みね子 風土 200802
穭田にマンションの子等鬼ごつこ 原みさえ 200802
斎田の疎かならぬ穭かな 上田明子 雨月 200802
穭田の続く吉備路の五重塔 岡田章子 ぐろっけ 200802
ひつじ雲刃たりしかわがことば 遠藤とも子 ぐろっけ 200802
伊勢路いま穭田の青やさしかり 小島みつ代 200802
穭生ふ万象枯るるものの中 定藤素子 雨月 200803
いちめんの枯穭田や風静か 坂本ひさ子 遠嶺 200803
穭田の穂立に群るる雀かな 永岡セッ 酸漿 200804
穭田や日出づる国の掌 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
穭田にせきれいの尾のゆれどほし 渡邉友七 あを 200805
穭田や獅子担ぎくる若頭 朝妻力 雲の峰 200811
祈ること多し穭田星に暮れ 安立公彦 春燈 200812
穭田に白一点の鷺の舞ひ 池田光子 200812
わが庭に置く穭田のうすみどり 阿部ひろし 酸漿 200812
ひつじ田の穂ものびのびと湖西かな 水船みどり 200901
穭田の色を力として歩く 田村園子 200901
穭田へ午後のひかりの幾重にも 高田令子 200901
穭田に忘れ形見をさがしをり 吉田明子 200901
車窓から穭ずつと勿来まで 渡部磐空 200901
雨後の水溜めて穭田明けにけり 大島英昭 やぶれ傘 200901
穭田に転生の風赤き山 中山皓雪 200902
穭田や親しき風の耳かすめ 佐々木秀子 200902
穭田に野菜市場の拡声器 木内美保子 六花 200902
真昼日の穭さゆらぎ影もなし 青木陽子 酸漿 200902
穭田の一枚暮れて一番星 川口襄 遠嶺 200903
吹かれ来る函や田んぼの穭枯れ 若島久清 万象 200903
穭穗のしらじらとある二日かな 佐藤喜孝 あを 200903
穭田は稔りの余韻奏でをり 長山あや ホトトギス 200904
穭田の一広がりや残る稲架 阿部ひろし 酸漿 200912
湖風に穭穂孕み古戦場 小川玉泉 末黒野 201001
穭田に遊び呆けし天邪鬼 井潟ミヨ 京鹿子 201001
山月にそよぎはじめし穭かな 蘭定かず子 火星 201001
穭田の続く里なり知多行脚 加藤北天 雨月 201001
遠目には植田と思ふ穭かな 大内幸子 六花 201001
穭田や息子帰りて親の貌 長崎桂子 あを 201001
穭伸び日差に雀かくれんぼ 長崎桂子 あを 201001
夕暮や穭の花の咲いてをり 原田達夫 201001
穭田や畦に憩へる測量士 小川滋 やぶれ傘 201001
穭田にさぎの降り継ぐ夕べかな 苑実耶 201002
SL車待つカメラマン穭田に 坂根宏子 201002
初瀬道乏しき棚田穭生ふ 稲岡長 ホトトギス 201002
帰心ふと穭田の上の空深し 川口襄 遠嶺 201002
穭田と筑波山麓車窓より 渡辺安酔 201002
穭田に鴉降り立つところかな 大島英昭 やぶれ傘 201002
穭田の畦をつくろふ寡黙かな 小浦遊月 酸漿 201002
鳥遊ぶ穭田に日の移りけり 矢崎暉文 酸漿 201002
穭田の詮無き勢ひなりしかな 湯川雅 ホトトギス 201003
穭田の勢ひを残し丈五寸 森清尭 末黒野 201004
穭田の無庸のみどりそよぎけり 菅谷たけし 201011
二期作と見紛うてをり穭伸ぶ 吉田政江 201012
穭田の雀隠れに白鷺佇つ 神蔵器 風土 201012
穭田の雫水輪の祭かな 荒井和昭 201101
穭に穂佐原囃の小雨なか 荒井和昭 201101
穭田の孕みに群るる雀かな 岡野ひろ子 201101
花らしきまでつけてゐる穭の穂 大島英昭 やぶれ傘 201101
箱ながら穭田に日のかがよへり 阿部ひろし 酸漿 201101
庭のわが箱穭田に初氷 阿部ひろし 酸漿 201101
穭田の緑に若き穂を見たり 長谷川幸恵 酸漿 201101
朝風に箱田の穭そよぐなり 井上幸子 酸漿 201101
穭田の伸びに余生の希望得し 泉田秋硯 201102
穭枯れ海のひかりのひたひたと 南うみを 風土 201102
穭田の筑波山麓鳥あまた 鳴下昭 201102
穭田を鷺の羽ばたく風なりし 井上静子 201102
稔田に隣る刈田よ穭田よ 水野加代 万象 201102
百枚の穭田はやも枯るる色 小川玉泉 末黒野 201102
庭に見て箱穭田に初氷 阿部ひろし 酸漿 201102
雨一日穭の箱田あふれつつ 大西まりゑ 酸漿 201102
穭田や細に父子の小鮒釣り 時田義勝 やぶれ傘 201102
穭田と天道大日如来かな 延広禎一 201103
穭田のみどり濃くなるばかりかな 島谷征良 風土 201103
白息の往き交ふ穭寺普請 久保東海司 201104
雫して穭青あを列正す 小林洋子 万象 201104
穂をはらむ穭に迫り山の陰 堺昌子 末黒野 201104
穭田の勢ひほしや病む母に 竹内悦子 ちちろ虫 201108
穭田に藁けちらして鶏あそぶ 早崎泰江 あを 201112
穭田となりて一村蘇る 国包澄子 201201
神南備の麓の里や穭伸び 坂上香菜 201201
刻々と穭田占むる山の影 原田しずえ 万象 201201
穭田に山の陰りの被さり来 藤原若菜 春燈 201201
峡の日のひかりに応へ穭の芽 安武晨子 201201
六日町七日町てふ穭かな 森屋慶基 風土 201201
峡の田や穭浅黄をまた深め 上辻蒼人 風土 201201
穭田の吹かるる村を素通りす 大川八重子 火星 201201
穭田を這ふひとすぢの煙かな 大島英昭 やぶれ傘 201201
穭田に朝のひかりの届きたる 加藤みき 201202
穭田を要に神の径のあり 上坂渥子 雨月 201202
しほざゐの遠し穭の出ぬ刈田 岡本敬子 万象 201202
穭田のいちまい杣の小百姓 和田照海 京鹿子 201203
穭田の二枚三枚寺領にて 神蔵器 風土 201212
穭穂や甲種戦死し乙長らふ 佐藤山人 201212
穭田の果てに筑波は雲がくれ 上原重一 201212
谷戸の田の騒ぎ一面穭かな 大島みよし 201301
穭田に遊ぶ朱鷺見て満たさるる 竹内悦子 201301
穭田に不知火の海来て返す コ田千鶴子 馬醉木 201301
夕暮の穭田さみし北の国 山本達人 かさね 201301
嫁の来手なき穭田の豊かなり 森岡正作 201301
穭田や小さき無人精米所 塩貝朱千 京鹿子 201301
穭田の青さや師弟行脚の碑 大坪景章 万象 201301
穭生ふ重盛公の庵のあと 山本みゆき 万象 201301
穭田を吹きわたる風遠筑波 三輪慶子 ぐろっけ 201301
穭田に霧の薄蓋多摩郡 久染康子 201302
白米の色に穭の咲きにけり 古川忠利 ろんど 201302
穭田は谷内六郎の日差し 浜口高子 火星 201302
穭田に残んの夕日ありにけり 黒滝志麻子 末黒野 201302
穭田に日の燦々と群雀 菅野日出子 末黒野 201302
雲迅し谷地の穭の出揃ひぬ 山崎稔子 末黒野 201302
雪催伸びたる穭の黄ばみけり 和田勝信 かさね 201302
穭田や泥落とし池に縄束子 下山田美江 風土 201303
穭枯る列を乱さぬ愚直さよ 布施由岐子 末黒野 201305
穭田をつらぬく大河遠筑波 内藤静 風土 201312
田の実直な列羽越線 久染康子 201312
穭田をきて一望の離着陸 数長藤代 201312
休み田の罅を隠せる青穭 水谷靖 雨月 201312
整然とならぶ刈り株穭生ゆ 原田達夫 201312
段丘の穭田海へ落つるごと 川井素川 かさね 201312
穭田にポンプ一基が錆びてゐる 大島英昭 やぶれ傘 201401
映え渡る日差し穭の千枚田 杉本裕子 末黒野 201402
みどり濃き穭田二枚峡深く 小川玉泉 末黒野 201402
穭田にあはき靄立つ八嶋かな 増田幸子 万象 201402
穭田に穂波震へる里の午後 水野弘 ぐろっけ 201402
穭田の隅にぬた場のやうな窪 田村園子 201402
穭穂の手持ちぶさたのやうな揺れ 山口ひろよ 201402
竹竿をばらし穭田広がりぬ 竹内悦子 201402
穭田の三寸知らぬ間に伸びて 鴨下昭 201403
穭田や二毛作かと思ふ青 布川直幸 201410
穭穂のみんな背伸びをしたがりぬ 辻美奈子 201411
穭田に首から歩く鳥がをり 小林朱夏 201412
穭田に暮色をたたむ風の声 諸岡孝子 春燈 201501
安房なれや千の穭田ほのぬくし 廣瀬克子 春燈 201501
穭田に鶏の出てゐる旗日かな 山尾玉藻 火星 201501
穭田のキャタピラ跡の水溜まり 大島英昭 やぶれ傘 201501
回想は虚し穭田穂を急ぐ 松本鷹根 京鹿子 201502
生きるとは不思議なものよ穭の田 大島みよし 201502
穭田に雀の群や道の駅 菅野日出子 末黒野 201503
寥寥と照らし穭田日和かな 能村研三 201511
稔田のとなり穭田畦を行く 久世孝雄 やぶれ傘 201512
穭田の広々つづき相模川 森理和 あを 201601
穭田の水に写りぬ雲の柄 安野眞澄 201601
穭田の畔に展げる測量図 杉田春雄 風土 201602
一面の穭こんこん伸び盛り 田部井幸枝 201602
穭田を広げてゐたる筑波山 山本久江 201602
不揃ひの丈の穭の枯るる小田 小川玉泉 末黒野 201602
照り翳り千の穭田穂を上げて 松本三千夫 末黒野 201602
おのがじし色もつ穭千枚田 松本三千夫 末黒野 201602
百選の棚田の穭濃く淡く 森清堯 末黒野 201602
雲の影走る棚田や穭に穂 森清信子 末黒野 201602
不揃ひの穭の丈や千枚田 森清信子 末黒野 201602
穭田の風の高さや千枚田 堺昌子 末黒野 201602
植田かと紛ふ穭の千枚田 堺昌子 末黒野 201602
穭生ふ棚田の畦も緑かな 辻井ミナミ 末黒野 201602
訪ね来し安房の棚田や穭の穂 今村千年 末黒野 201602
刈株の隠るるほどに穭生ふ 藤生不二男 六花 201602
枯穭男体山が見えてくる 大島英昭 やぶれ傘 201603
穭田や空地はソーラー張り詰めて 大内幸子 六花 201603
穭田の今青々と古戦場 楠原幹子 201612
穭田に売値つきしを知らぬ雀 松本峰春 春燈 201701
穭田に夕べの色のすずめかな 鈴木直充 春燈 201701
脱藩の畦径定か穭の穂 和田照海 京鹿子 201701
田の神の無精髭めく穭かな 甕秀麿 201701
穂の垂るるほどにはならず穭かな 駒形祐右子 万象 201701
穭田の雨を吸ひたる匂ひかな 高倉和子 201701
穭田のうつせ穂揺るる日暮かな 深川淑枝 201701
穭田を踏みて甲斐駒ヶ岳仰ぎけり 野畑さゆり 201701
穭なき刈田広ごる奥州路 駒形祐右子 万象 201703
黄ばみたる穭田沼の沖眠る 片桐帆一 万象 201703
穭田の本気いとしと佇みぬ 江木紀子 雨月 201801
穭田や夕日啄む群すずめ 林八重子 馬醉木 201801
穭田のひろがつてゐる鯉料理 根橋宏次 やぶれ傘 201711
大斎原清し一面穭田に 福岡かがり 雨月 201802
あをあを一と雨に立ち上ぐ穭の穂 山下良江 万象 201802
穭田のひつぢに小花混じりをり 笹村政子 六花 201803
穭田は鳥のあそび場夕日影 森田明成 201803
穭田の広し鳶の輪無限大 塩貝朱千 京鹿子 201902
穭田はすぐ穂を出して余生忌む 松本鷹根 京鹿子 201902
穭田の影の痩せたる柳かな 升田ヤス子 六花 201902
遊行柳まで穭田を突つ切れり 升田ヤス子 六花 201902
穭田や星の寝言を聞き流す 楠本和弘 201904
穭田の列の生真面目亡き人も 中田みなみ 201912
穭 →2      

2021年10月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。