昼顔(ひるがほ)     108句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
昼顔の廃車置き場に蔓伸ばす 久保木千代子 春耕 199810  
昼顔や産まぬ気後れあるにはある 岡崎るり子 銀化 199810  
昼顔よわれ遠投をくり返す 宮崎斗士 海程 199811  
昼顔や家居の衣をゆるく着て 木内憲子 199812  
昼顔のあっけらかんと古紙回収 佐々木峻 船団 199812  
昼顔の見えるひるすぎぽるとがる 加藤郁乎 船団 199903  
背中まで昼顔まはる気でゐたり 山野みどり 銀化 199908  
捨椅子にひるがほ絡む祭町 野路斉子 199909  
人の世へひるがほが見送ってくれる 松林尚志 海程 199910  
昼顔や束ねてありし舫綱 佳藤木まさ女 春耕 199910  
昼顔にひがなもの憂き浪の音 大石登喜和 円虹 199911  
昼顔や汐木がこひの網干場 香川はじめ 春耕 199911  
ひるがほに昼来て義足うつくしき 鳥居真里子 船団 199912  
昼顔や屈託のなき海女の笑み 水原春郎 馬醉木 200007  
浜風に昼顔の色咲きひろげ 今橘眞理子 円虹 200007  
真向へば大きく円かひるがほは 阿部ひろし 酸漿 200007  
ひるがほや海苔どき過ぎし粗朶積まれ 新井田操 酸漿 200009  
昼顔よ汝はそも何故ひといろに 林翔 200009  
ひるがほや油を注せば鳴らぬなり 小山森生 200010  
大ぶりの昼顔美術館休み 上田希実 遠嶺 200010  
トルソーの臀の断面ひるがほよ 小山森生 200011  
この森に昼顔の声薄日差す 小枝恵美子 船団 200101  
昼顔のとなりの席に坐りけり 小西昭夫 船団 200101  
昼顔咲く子規庵出ての身ほてりに 佐々木峻 船団 200101  
子規の家の腰のあたりの昼顔 南村健治 船団 200101  
昼顔は誰も入れぬ母の部屋 鳥居真里子 船団 200102  
昼顔や風紋あらき親不知 横田和 春耕 200107  
昼顔や母のブラウス陰干しす 小林あつ子 火星 200108  
昼顔や河原に石積む死の遊び 柴田朱美 京鹿子 200108  
昼顔や千里ケ浜といふ入江 藤村美津子 春耕 200108  
昼顔を広げて浜を踏ましめず 鷹羽狩行 200108  
昼顔の先の湖水の碧さかな 山村桂子 遠嶺 200110  
機帆船錆び昼顔のまつはれり 安達実生子 200111  
昼顔や浜に漁網のきれつぱし 中本憲巳 200111  
昼顔や見えゐて遠き友の家 関口房江 酸漿 200111  
昼顔を七つほど来て引返す 須山つとむ 船団 200111  
昼顔や咲かねばこころただれたり 仁藤さくら 船団 200202  
わたくしは昼顔こんなにもひらく 櫂未知子 銀化 200207  
昼顔の浜にカヌーを乗り上ぐる 酒井康正 百鳥 200208  
昼顔や夜には夜の顔があり 柏木公江 帆船 200208  
晝顔や刃毀れの濤音に出て 中原道夫 銀化 200208  
昼顔の軒に吹かれて海野宿 宮原みさを 花月亭 200208  
昼顔や茶屋に貼らるる潮見表 中川晴美 雲の峰 200209  
ひるがほの流儀で余生行かうかと まついひろこ 銀化 200209  
昼顔の優しく咲けり古代より 河合笑子 あを 200210  
ひるがほの吹かれどほしや汐見町 宮尾直美 200210  
昼顔の眠りの足らぬ手足かな 梶浦玲良子 六花 200211  
昼顔の咲いて上りの電車透く 岡本眸 200211  
昼顔の小さく咲けり国境 中里カヨ 酸漿 200212  
昼顔や夜間人口零の都市 稲畑廣太郎 ホトトギス 200306  
昼顔の浜辺行つたり来たりして 稲畑汀子 ホトトギス 200306  
砂に足とられ昼顔踏んでをり 稲畑汀子 ホトトギス 200306  
父の日の父昼顔にあさがほに 堀内一郎 あを 200308  
昼顔ののぼりつめるを見とどけり 早崎泰江 あを 200308  
昼顔の這ひ廃れゆく馬柵つづく 田中峰雪 雨月 200309  
昼顔をグラスに挿して茶友達 萩原記代 200309  
とめどなく昼顔咲けりにごり川 糸井芳子 200309  
川音のひびく岸辺や小ひるがほ 山口トシ 酸漿 200310  
咲くともなく咲く昼顔へ杖運ぶ 村越化石 200310  
こころ足る日や昼顔に潮しぶき 長沼三津夫 200310  
荒畑はなべて昼顔花明り 関戸文子 酸漿 200311  
昼顔や潮の匂へる路線バス 杉江茂義 雲の峰 200408  
昼顔や銃持たぬ身となりて生く 三関浩舟 栴檀 200408  
ひるがほの早くも咲けり朝曇 阿部ひろし 酸漿 200408  
昼顔や四時指す日時計佐渡に靄 東亜未 あを 200408  
昼顔の溶岩に巻きつき波の音 松山正江 河鹿 200408  
死後に咲く花昼顔の二つ三つ 布施まさ子 風土 200409  
昼顔の茂りてゐたる地震のあと 藤原浩 栴檀 200409  
昼顔や波音の無き日本海 芝尚子 あを 200409  
晝顔や死んで生きるといふ手あり 八田木枯 夜さり 200409  
ひるがほや中仙道へ渡る橋 穴澤光江 遠嶺 200410  
昼顔の二輪寄りそふ長堤 山下美絵子 遠嶺 200410  
昼顔の蔓の行方は問ふまじき 佐藤よしい 風土 200410  
昼顔はいつも孤独に反骨に 森津三郎 京鹿子 200410  
昼顔の今日と昨日と明日の花 長谷川通子 雲の峰 200410  
折れ竹を這ひ昼顔の咲き上る 中林たみを 築港 200410  
昼顔を通り突堤まで二人 酒井十八歩 草の花 200410  
昼顔の咲いて潮の香深まりぬ 宮川迪夫 遠嶺 200411  
昼顔に湖の風ある午後三時 鈴木實 百鳥 200411  
昼顔の蕾がうしろ指をさす 丸山佳子 京鹿子 200412  
昼顔の一ト日の色の儚過ぎ 寺島順子 雨月 200412  
昼顔に砂の寧けき起伏かな 加瀬美代子 200507  
昼顔に浜いくたびの砂あらし 岡本眸 200508 鴨川
昼顔に彩ありやあり怒濤音 岡本眸 200508 鴨川
解体の残土晝顔育ちをり 鎌倉喜久恵 あを 200508  
昼顔や初診は半日がかりにて 澤田緑生 馬醉木 200509  
タブレット渡す小駅や昼顔咲く 中嶋昌子 春燈 200509  
昼顔や縁側広き祖父の家 高倉和子 200509  
昼顔やみなみへ急ぐ沖の船 九万田一海 河鹿 200510  
昼顔はやすらぎの花坂くだる 沢聰 馬醉木 200510  
昼顔が咲きこれよりの午後長し 野路斉子 200510  
昼顔や又騙さるる旅に発つ 渡邉友七 あを 200510  
昼顔の本気はすぐに解けて効く 河西志帆 京鹿子 200511  
昼顔や記憶は水のごと流れ 木内憲子 200511  
昼顔や一戸一戸に木の小橋 松本きみ枝 遠嶺 200606  
晝顔はみな肌色の熱き色 瀧春一 瓦礫 200606  
昼顔や平等院の鳳鳳堂 小澤克己 遠嶺 200608  
日本海の見ゆるどん山昼顔咲く 大石昌代 200608  
昼顔のほのかに咲ける梅雨明り 阿部ひろし 酸漿 200608  
ひるがほやおもひのたけはかなもじで 野口香葉 遠嶺 200609  
昼顔に巻きつかれても日向の木 伊藤早苗 200609  
昼顔やあそぶにいつも晴れをんな 宮尾直美 200609  
嚇と射す日が昼顔をよろこばす 佐藤山人 200610  
昼顔の蔓引き父母の世に出づる 千田百里 200610  
ひるがほや遠のけば濃き海のいろ 真保喜代子 200610  
はまひるがほ手囲ひて砂やはらかし 佐々木幸 200611  
昼顔にずぶぬれの跡なかりけり 井上菜摘子 京鹿子 200612  
不機嫌な身に昼顔の咲き昇る 岡崎るり子 200704  

2007年6月30日 作成

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