鰭 酒    101句

鰭酒や雨本降りの花川戸    星野麥星人

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鰭酒にいささか威厳を崩したる 山田弘子 春節 199503
鰭酒の勢ひを借りしことのあり 山田弘子 春節 199503
旅なれや鰭酒に気を許したる 山田弘子 春節 199503
鰭酒に放埒の声前うしろ 皆川盤水 春耕 199812
鰭酒を継ぎてきちんと蓋をしぬ 山尾玉藻 火星 199901
鰭酒にいささか威儀を崩したる 山田弘子 円虹 199901
鰭酒に二度目の山雨来てゐたり 湯橋喜美 200001
鰭酒の後口おぼえ初めにけり 大橋敦子 雨月 200002
鰭酒の蔵す六分の侠気かな 大和田鏡子 俳句通信 200002
鰭酒や来し方ばかり話しては 大橋敦子 雨月 200002
鰭酒や故人の口もと真似もして 小川昭江 200003
鰭酒とことば喉にて行き違ふ 亀丸公俊 銀化 200101
鰭酒やぬくき奥処に夢馳せて 小澤克己 遠嶺 200102
鰭酒や北支南支の戦経て 竹村良三 200102
鰭酒やしびれるほどの古句を読む 佐々木溪村 遠嶺 200103
ひれ酒や孤高が好いと呟きぬ 小澤克己 遠嶺 200105
ひれ酒の一口に年明けにけり 加古みちよ 火星 200204
鰭酒をすすりて嘆くことも無し 本河康子 200204
ひれ酒やひそかな誘ひ乗つてみる 丸井巴水 京鹿子 200205
鰭酒もありて今宵の月を待つ 増田久子 酸漿 200211
鰭酒や返しことばの裏の裏 小澤克己 遠嶺 200303
咳止めと鰭酒いづれすすむべき 後藤比奈夫 ホトトギス 200304
鰭酒の話辻棲あはぬまま 水原春郎 馬醉木 200404
鰭酒の海の香沁むる一口目 上田玲子 200502
小料理屋に鰭酒匂ふ女連れ 太田絵津子 200505
鰭酒に神事のごとき火を灯す 齊藤實 200601
鰭酒を座るやいなや頼む夫 籾山和子 酸漿 200603
鰭酒の女愚痴とも自慢とも 近藤倫子 ぐろっけ 200604
鰭酒や漁夫は死ぬまで荒鵜の眼 迫田白庭子 百鳥 200604
ひれ酒を誰も飲めとは言うてくれず 後藤比奈夫 ホトトギス 200608
鰭酒や同齢は早や老いたがる 能村研三 200611
鰭酒にぴりりと舌を刺されけり 三嶋隆英 馬醉木 200703
鰭酒や大き尾鰭のついて来し 石脇みはる 200805
ひれ酒に酔ひし漢や河豚に似る 勝原文夫 ペン皿 200811
ひれ酒の酔のはやさや寄席帰り 村井二郎 馬醉木 200902
鰭酒や向ふ傷なら褒めらるる 山本無蓋 200902
鰭酒や大言壮語してゐたる 石脇みはる 200903
鰭酒を愛し銀座を徘徊す 宮崎安汀 春燈 200904
鰭酒や酒豪家族に嫁が増え 館容子 200906
鰭酒や帰ると言うて聞かぬなり 相良牧人 201002
鰭酒や両生類の遥かなり 中島讃良 ろんど 201002
しぐるるや鰭酒の味まだ知らず 山田暢子 風土 201002
注ぎ足されまた鰭酒となりにけり 根橋宏次 やぶれ傘 201003
鰭酒や青春語る声太し 山野惣一郎 遠嶺 201003
鰭酒や昔ザイルを組みし仲 久染康子 201003
鰭酒にのまれいよいよ恵比須顔 近藤きくえ 201004
鰭酒やふぐりは後生大事なる 荒木甫 201004
鰭酒や狼煙岬の今日は凪 石井勇 末黒野 201005
ひれ酒のこはくのいろに海鳴りす 鈴鹿仁 京鹿子 201201
鰭酒の舌に火のつく贅の味 四條進 201202
鰭酒や対岸の灯の荒れてきし 杉浦典子 火星 201203
鰭酒の青き炎や夜の雨、加賀葉子 赤松郁代 万象 201203
鰭酒は妙薬なりし蘇へる 小林久子 201203
鰭酒やうからやからの和みゐて 西出しず子 雨月 201203
鰭酒や上がり框の大福帳 町山公孝 201203
鰭酒や不意に飛び出す恋ばなし 西村滋子 京鹿子 201203
鰭酒や平家びいきの下関 井上淳子 火星 201203
鰭酒の器の不揃ひにゆきわたる 小林成子 火星 201204
鰭酒や軍歌春歌とわかちなき 竹内弘子 あを 201204
鰭酒やテトラポッドの暮れかかる 根橋宏次 やぶれ傘 201205
刎頸の二人鰭酒汲む夜なり 早川周三 ぐろっけ 201207
鰭酒のすすむ末席確保して 井尻妙子 京鹿子 201301
鰭酒やオーロラ色のほのほ立て 久染康子 201302
まえ注ぎ足して名ばかりの鰭酒に 根橋宏次 やぶれ傘 201303
鰭酒にうかと本音や通り雨 コ田千鶴子 馬醉木 201304
鰭酒や濡れてひっつく箸袋 中谷三千子 船団 201306
鰭酒に火照り腹蔵なにもなし 小河原清江 201401
回し飲む鰭酒二周目に入る 湯川雅 ホトトギス 201403
鰭酒を熱しあつしと子の飲める 伊勢きみこ 火星 201403
鰭酒や確信犯のごとき眼に 竹内弘子 あを 201501
鰭酒の喉元過ぐる旨さかな 伊藤憲子 201504
鰭酒の初の一口ちよと舐めし 岡安仁義 やぶれ傘 201504
鰭酒の鰭あつあつと運ばるる 雨村敏子 201505
鰭酒に身ぶるいしたる好好爺 秋川泉 あを 201602
鰭酒に箍のゆるんできたりけり 楠原幹子 201603
鰭酒へ昭和の焔燐寸擦る 峰崎成規 201604
兄の忌の鰭酒に火のぽつと点く 秋山信行 やぶれ傘 201604
鰭酒を着くやいなやに頼みけり 天野美登里 やぶれ傘 201703
鰭酒や夫の十八番の歌「昴」 高橋和女 風紋 201709
鰭酒へ寄る口笛を吹くごとく 大矢恒彦 201802
鰭酒や外山ともしびいろに昏れ 鷺山珀眉 京鹿子 201803
鰭酒に酔へば相弟子師の話 服部早苗 201807
鰭酒や女所帯に慣れて久し 小林朱夏 201812
鰭酒の熱きを含む妻恋うて 石川りゅうし 201902
鰭酒やこの世あの世のはざまの世 菊池和子 京鹿子 201903
相伴の鰭酒二杯座の弾み 山口登 末黒野 201903
鰭酒や声はばからぬ女正月 斉藤マキ子 末黒野 201904
鰭酒や欠けしひとりのその後など 藤原照子 201904
本筋はまだ鰭酒に火をつくる 岸洋子 201905
鰭酒の瞬の炎こころ灯しけり 藤原照子 202002
句ともがらと鰭酒くみて饒舌に 丸尾和子 雨月 202003
鰭酒や夫の髭には白きもの 岩崎藍 末黒野 202003
存へて酌む鰭酒に頬を染め 宮平静子 雨月 202003
鰭酒や語調だんだん強くなる 浜崎素粒子 ホトトギス 202005
鰭酒に吐き出してゐる妻の愚痴 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
ちろりより鰭酒に酒足しにけり 瀬島洒望 やぶれ傘 202103
鰭酒に一夜をもつていかれけり 善野行 六花 202104
下戸なれど鰭酒に火をつけもして 木暮陶句郎 ホトトギス 202106
鰭酒やうれしき時に男泣く 木多芙美子 春燈 202203
鰭酒やいつも無口な人と飲む 綾戸五十枝 202203
鰭酒や昔ながらの新開地 善野行 六花 202206

 

2023年1月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。