射 干     50句

射干や蝦夷鹿われを見てをりぬ    鈴木多枝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
射干もかの東京の子も昔かな
北原志満子
海程
199812
射干や狭庭の隅に薄明り
高木伸宜
船団
199812
射干や夕べを鈴木大拙忌
岡井省二
199910
射干に亦君が代がいぶかしき
藤田守啓
船団
199912
射干の前をときどき笑ひ過ぐ
岡井省二
200106
射干の咲く川岸に風立ちぬ
當麻幸子
俳句通信
200109
射干や海に出る道石多し
鈴木多枝子
あを
200110
射干や塵払ひたるかなめ石
中島陽華
200111
射干の実も黒々と冬に入る
伊藤いな栄
酸漿
200202
射干のひんと咲きたる健気さよ
高木伸宜
船団
200202
射干や足くづし待つ華麩料理
中川晴美
雲の峰
200209
射干の束抱き来る大原女
前阪洋子
雲の峰
200209
射干や中州へ小さき丸木橋
原茂美
雲の峰
200209
満願の朝や射干実をはじく
飯田はるみ
築港
200312
仏谷出て射干の朱にまみゆ
淵脇護
河鹿
200410
射干や雨のたばしる杉の谿
淵脇護
河鹿
200411
射干や人欺かず蔑まず
小澤克己
遠嶺
200508
射干を活けて人待つ奥座敷
師岡洋子
ぐろっけ
200511
灯明りに射干いよよ艶増せる
和田照子
200602
射干や脚を洗へば手が濡れて
野路斉子
200609
射干を嗅いで黒谷紫雲山
近藤きくえ
200710
詩齢祝ぐ句座に射干あでやかに
磯野しをり
雨月
200710
射干や黄檗山に師のお骨
石脇みはる
200808
射干を活けて仮名文字鵬雲斎
岡本幸枝
ぐろっけ
200810
射干や薪積む軒の深庇
生田喬也
200910
射干を揺らししほどの通り雨
与川やよい
遠嶺
200911
射干や日差しを走るアスリート
川上成弥
遠嶺
200911
射干や午後の講演はじまりて 石脇みはる 201108
射干やふるさと奈良に塔多し 北崎展江 くりから 201209
射干の花や風ある谷戸の径 酒井秀郎 返り花 201211
射干や男無頼でありしころ 坂口夫佐子 火星 201211
射干の鉢植ゑの軒雨宿り 石川かおり 201310
射干や寝かせてありし増女 竹内悦子 201311
大傾ぎして射干の美しき 井上信子 201408
射干の丈の定まる朝日影 井上信子 201408
射干を活けて都のど真ん中 中道愛子 201510
射干の束を担ぐも男かな 高木晶子 京鹿子 201611
射干や錦小路の湯葉買うて 中島陽華 201701
姫射干の紫静か野草展 田尻勝子 六花 201707
射干や桐の箪笥に採す書 竹内悦子 201710
射干のあふぎを覆ふ草の丈 布施由岐子 末黒野 201711
二の丸の射干の群生鴉鳴く 若泉真樹 201902
射干や墨と膠の匂ひして 竹内悦子 喜悦 202002
亀とゐてこの射干玉の秋の夜 中島陽華 202003
射干の一片欠ける夕間暮れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
射干の斑点一つ飛び立ちぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
姫射干の風の抜け道照らしをり 平松うさぎ 202207
射干の花無口な人と眺めゐる 安藤久美子 やぶれ傘 202307

 

2023年8月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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