氷 室    76句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
氷室より人の出で来し黒穂かな 今木偉郎 199811
氷室椿園花ととのはぬ時に来て 能村登四郎 199904
氷室より足取はたと跡切れたる 中原道夫 銀化 199909
氷室あと浅くし落葉罪もなし 丸山海道 海道全句集 199910
結び文揺るる氷室の糸桜 谷野由紀子 春耕 200007
言霊の重なつてをる氷室かな 栗栖恵通子 200108
春を待つ二月の氷室椿園 能村登四郎 羽化 200110
もんぺはく氷室女に残り花 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
氷室八軒その一軒の干蕨 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
氷室いで来し真つ白な軍手かな 飯塚ゑ子 火星 200211
氷室社の花に糸引く朝の雨 朝妻力 雲の峰 200305
風騒のひときはなりし氷室あと 高橋道子 200308
その頃も氷室守ゐて氷室守る 内山芳子 雨月 200310
氷室社の本殿に聞く昼ちちろ 岡本明美 雲の峰 200311
しんみりと古代をしのび氷室丘 藤田昇 築港 200408
氷室守わけてもけふの雲迅し 水野恒彦 200408
天窓や氷室の闇の消えてゆく 高橋将夫 200410
山峡に氷室の屋根の厚くあり 奥田郁子 対岸 200410
氷室あり低温研究室に似し 浜田周作 200410
コンビニの夜明け氷室となりにけり 射場智也 六花 200410
空つぽの氷室にものの芽のほぐれ 高橋将夫 200506
将門記氷室の桜咲きにけり 高橋将夫 星の渦 200507
一輪草二輪草咲き氷室みち 瀧春一 菜園 200509
氷室の扉かたし杉生は花を垂り 瀧春一 菜園 200509
古町に氷室のありしいまもあり 鈴木榮子 春燈 200510
氷室社の賜氷畏み畏みつ 本城布沙女 雨月 200601
氷室守きぬぎぬ窶る氷を嘆き 本城布沙女 雨月 200601
酷暑かな江戸城奥に氷室跡 平野きぬ子 八千草 200602
石楠花の抱きしづめる氷室口 小林和子 風土 200609
螢舞ふ氷室のありし氷取沢 鵜沢千恵子 200610
中流と言はれひさしき氷室菓子 丸井巴水 京鹿子 200610
難波にも氷室敬ふ祭あり 後藤比奈夫 ホトトギス 200702
うちはの絵氷室の氷運ぶところ 後藤比奈夫 ホトトギス 200702
火の山の氷室をふかく抱きをり 阿部順子 200709
氷室守氷挟みて自在にす 鈴木榮子 春燈 200710
三伏や氷室の跡の朽ち柱 河内桜人 京鹿子 200711
山裾に草の絮とぶ氷室跡 高橋将夫 200712
筆柿の蕩けさうなる氷室口 近藤きくえ 200801
寒晴れや紺の氷室の幟匂ふ 宮口文泰 万象 200804
氷室口去年を覗く瞬時かな 齊藤實 200810
満月の氷室を出たり入つたり 有馬克代 200810
眼老いたるも氷室の櫻かな 伊丹さち子 馬醉木 200810
氷室近くて金縷梅の花ざかり 山尾玉藻 火星 200904
氷室とて国がさばくや延喜式 林日圓 京鹿子 200908
仁徳帝初めて氷室日本書紀 林日圓 京鹿子 200908
能囃子物語りせる氷室守 小澤淳子 200909
振舞の搗ち割り賜ばる氷室祭 奈辺慶子 雨月 200911
上空に氷室ありけり寒波くる 瀬川公馨 201005
住み慣れて氷室の里の杉すずし 丸井巴水 京鹿子 201009
遠嶺は氷室の里なり父母恋し 並河富有野 京鹿子 201101
斑雪山氷室残れる天城越 伊藤いな栄 酸漿 201105
氷室守氷挟みて自在にす 鈴木榮子 繭玉 201105
眼をつむればそこが天国兼氷室 滝沢幸助 春燈 201105
氷室の碑裾曲に雪残りけり 山本麓潮 万象選集 201205
氷室社のしだれ桜に刻忘じ 小林成子 201206
青笹を敷きて氷室の雪供ふ 井村和子 風花 201206
雪詰めし氷室を括る藤の蔓 小林愛子 辻楽師 201206
芽起しの雨に烟れり氷室小屋 新保ふじ子 万象 201208
杉空を時雨走りし氷室越 河崎尚子 火星 201301
生き生きと氷室の神の花氷 田下宮子 201307
翠黛の山へ氷室の戸を開く 豊田高子 万象 201310
風呂敷の氷室饅頭配りかな 大坪景章 万象 201310
掘り跡の狸穴てふ氷室めき 瀧春一 花石榴 201312
枝垂れ咲きこれぞ氷室の桜なる 谷村祐治 雨月 201407
切り出して氷室の氷青を帯ぶ 三村純也 ホトトギス 201412
山の気の濃く漂ひし氷室跡 寺田すず江 明日葉 201505
氷室への山路なりけり水流る 竹中一花 201510
杉林より氷室守現はるる 遠山みち子 201510
寝かされて育つ醤油は氷室内 江島照美 201610
念仏を唱へ氷室に雪を詰む 大坪景章 椿垣 201612
着ぶくれの女取巻く氷室小屋 大坪景章 椿垣 201612
雪詰の氷室に供ふ塩と米 大坪景章 椿垣 201612
番鴨居つき泳ぎの氷室池 和田照海 京鹿子 201702
時雨るるや百万石の氷室跡 池美佐子 201702
枯蓮折れるしかなき氷室池 橋添やよひ 風土 201705
山あひの村に大きな氷室かな 萩原久代 やぶれ傘 201912

 

2022年6月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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