柊挿す    73句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
柊挿す昔のままの母の部屋 水田清子 199905
柊を挿しに訪ひたる父の家 土田栄 199908
柊挿す柾目正しき門柱 能村登四郎 「芒種」 199911
父ありて柊挿すをゆづらざる 岡本高明 200003
柊を月の重みと挿しにけり 彌榮浩樹 銀化 200004
柊挿し夜勤の夫を送り出す 村上和子 ぐろっけ 200005
往診医柊を挿す門潜る 永野秀峰 ぐろっけ 200006
柊の挿されし門と見て過ぐる 阿部寒林 「夢」 200010
柊挿す鬼無き里に近く住み 内山和江 奧嶺 200010
住居には挿さず漉屋に柊挿す 片山喜久子 雨月 200104
仕舞屋の向きあふ戸口柊挿す 佐藤琴 200204
柊を挿して老舗の外厠 鈴木恭子 200204
昏れてより柊挿しぬ雨の中 醍醐季世子 200205
経済の乱世柊挿しもみつ 浅井青二 雨月 200205
柊を挿す裏木戸のぎぎと鳴り 指尾直子 雨月 200205
川音のまちなかにあり柊挿す 石脇みはる 200205
柊挿す鬼の立ち入る隙もなし 塩川雄三 潮路 200210
操舵室の窓に柊挿されあり 片山喜久子 雨月 200304
柊を挿すマンションの鉄の扉に 萩谷幸子 雨月 200305
仕来りの古き羽目板柊挿す 北原東洋男 200305
柊を挿してひとまづ安堵の夕 大井昌 京鹿子 200306
柊挿す自治会長と木札下げ 竹内美登里 雲の峰 200404
柊挿す戸袋厚き民家園 白澤よし子 馬醉木 200404
柊挿す門らしき門なけれども 塩川雄三 築港 200404
柊挿す窯場の軒の罅柱 岡村葉子 栴檀 200405
柊挿す街並みをいま竹送り 朝妻力 雲の峰 200503
新世帯郵便受に柊挿す 奧田恵美 200503
柊を挿せる大和に遊びけり 山尾玉藻 火星 200503
柊挿さる移築民家の長屋門 伊東秀二 200504
柊を挿し船小屋の罅柱 遠藤真砂明 200504
柊を挿したる門のいかめしく 塩川雄三 築港 200504
柊挿す父の指図を今にかな 能村研三 200603
柊の挿したる位置を父移す 山田六甲 六花 200603
柊挿し木戸に十日も取り忘れ 近藤豊子 雨月 200605
柊を挿しても今の暮らしぶり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
夫の亡き門に柊挿しにけり 佐久間由子 200704
柊を挿して二軒の餅屋かな 中島陽華 200705
柊挿す拭きこまれたる奈良格子 小林愛子 万象 200705
柊挿す厩は納屋となりにけり 大坪景章 万象 200705
柊を挿してぴしゃりと世を隔つ 大橋敦子 雨月 200803
一憂は誤診に終り柊挿す 水成玲子 春燈 200804
柊挿す雪の雫をてのひらに 布施まさ子 風土 200805
柊を挿してわが家の勝るなし 田所洋子 雨月 200805
父なくて柊を挿す母の背よ 草間時彦 ぐろっけ 200902
柊を挿して無住寺開かずの戸 鈴木撫足 春燈 200904
柊挿せばいのち惜しめと夫の声 平野伸子 馬酔木 200905
柊を挿して戸締りきつちりと 布川直幸 201003
どの家も柊挿して蜑の路地 菅谷たけし 201003
柊を挿す過越の夜のごとく 柳川晋 201004
柊を挿して針江は水あます 深澤鱶 火星 201005
柊挿す鶏舎豚舎の傾ぐ軒 柴田近江 201104
門口に柊挿して医師くすしかな 山下青坡 201105
柊鰯吾が背目安に挿してをり 能村研三 201203
柊を挿して日本の町家かな 細川コマヱ 雨月 201205
柊を挿す夕影の古家かな 大久保弘子 雨月 201205
柊を挿し家系図の裾に居り 秋津令 201205
さりげなく柊を挿し独りなり 天野正子 201205
釣瓶井に柊挿して伏屋守る 山田春生 万象 201205
柊挿す我が背丈よりやや上に 能村研三 201303
柊を挿して隣も老家族 佐々木秀子 201304
亡き母の仕草まぶたに柊挿す 上原重一 201304
柊を挿す艮の窓格子 辻井ミナミ 末黒野 201305
亡き夫の表札あふぎ柊挿す 湯谷良 火星 201405
信ずるほかなし高だかと柊挿し 窪田佳津子 雨月 201405
牛小屋も柊挿して回りけり 菅谷たけし 201504
柊を挿しよき酒肴ととのへぬ 佐渡谷秀一 対座 201505
柊挿す低き門柱星明かり 鈴木良戈 201505
柊挿す棘より邪気の入り込む 江見巌 六花 201704
下宿屋といまも言はれて柊挿す 升田ヤス子 六花 201705
柊挿す古びし町の裏通り 窪みち子 201706
柊挿す神田に残る板廂 白澤よし子 馬醉木 201804
柊の挿しある寄席の二階席 和田華凛 ホトトギス 201804
神妙に柊挿せる漢かな 中田みなみ 202208

 

2023年1月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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