緋 鯉    62句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
昏れぎはの緋鯉呼ぶ手の大きかり 山尾玉藻 火星 199809
青鷺の盗みし緋鯉落しけり 海上俊臣 酸漿 199909
亀噛る緋鯉の背鰭浮き沈み 堀睦子 ぐろっけ 200103
黄菖蒲の水へ緋鯉の子が跳ねし 高鴨アヤ子 春耕 200107
水の輪のさざなみとなる緋鯉かな 鷹羽狩行 200108
溝川の緋鯉せはしき踊り前 加藤廣子 火星 200109
岩陰に緋鯉は傷をいやしをり 小田玲子 百鳥 200110
水濁し緋鯉の視野を杳くする 宇都宮滴水 京鹿子 200209
真鯉とは哀し緋鯉の下潜り 今瀬剛一 対岸 200212
真昼間や柿右衛門の朱緋鯉の朱 今瀬剛一 対岸 200212
斑を見分け合ふか緋鯉の瞬かず 品川鈴子 ぐろっけ 200308
三四郎池の緋鯉や青あらし 遠藤米 帆船 200309
みづからを一擲したる緋鯉かな 鷹羽狩行 200309
松籟や緋鯉ひらりと身を返す 岡本明美 雲の峰 200309
人の寄る気配に緋鯉群れ寄りぬ 安藤誠子 築港 200310
嘘言うて緋鯉の動き見てゐたり 大島翠木 200409
橋からの影に集まる緋鯉かな 苑実耶 200410
神ながら巫女のごとしよ緋鯉の列 丸山佳子 京鹿子 200504
水神の緋鯉移されへドロ抜く 黒田咲子 200509
国宝のかけらの緋鯉息つがず 丸井巴水 京鹿子 200510
おかめ笹やをら緋鯉のあぶくかな 延広禎一 200511
二度三度緋鯉寄り来る湯浴かな 赤座典子 あを 200607
濁り池緋鯉溜まりの縄張か 品川鈴子 ぐろっけ 200608
反転の緋鯉に膝を濡らさるる 大島翠木 200610
餌を食べる緋鯉の頭口となる 山口庸子 ぐろっけ 200610
色極む緋鯉の池を濁しあり 森山暁湖 万象 200710
背びれ浮く緋鯉潜水艦に似て 高橋大三 ぐろっけ 200802
水替への緋鯉の真紅峡の村 杉野原弘幸 200808
真鯉きて緋鯉の影となりにけり 高橋将夫 200809
浮かんでは濁世の空気吸ふ緋鯉 高橋将夫 200908
鎌倉も源平池の緋鯉かな 八木岡博江 酸漿 200909
重さうな緋鯉が髭を見せに浮く 風間邦子 200910
上杉の城濠統ぶる緋鯉かな 池内結 ろんど 200912
緋鯉追ふ真鯉もあらむ蛤塚忌 長田等 201002
尻揚げて緋鯉の姿探りをり ことり 六花 201005
「卆寿記念展」版画の緋鯉遊泳す 丹生をだまき 京鹿子 201009
よく動く緋鯉の渦に散り松葉 佐藤恭子 あを 201105
緋鯉浮く池に迫り出すお茶処 鈴木石花 風土 201108
庭に飼ふ小池の緋鯉きんつば屋 大松一枝 201110
金銀の鯉と緋鯉がゐて虚し 高橋将夫 201110
残像のいまだ消えざる緋鯉かな 市川伊團次 六花 201209
うつくしき背を真つすぐに来る緋鯉 舩山東子 ろんど 201211
浮かんでは濁世の空気吸ふ緋鯉 高橋将夫 如意宝珠 201306
風いっぱい幸せ運ぶ緋鯉かな 森田利和 201307
磯渡り語りかけくる緋鯉かな 加藤良子 春燈 201307
平安の大池遺構緋鯉浮く 森屋慶基 風土 201310
県庁の堀に目高と緋鯉かな 半田稜 ろんど 201409
緋鯉群れ真鯉は離れ石蕗の花 田中藤穂 あを 201501
古池の緋鯉の口よりのどかな詩 有松洋子 201508
手を打つや緋鯉に遅れ亀二匹 片岡さか江 末黒野 201510
石橋の亀は緋鯉に首のばす 貫井照子 やぶれ傘 201512
蒸しますね緋鯉の口の中よりも 林田麻裕 201603
緋鯉見る子の背を風が押しにけり 柴田佐知子 201607
岩の隙緋鯉の出づる朝かな 亀田やす子 万象 201611
口開けて緋鯉寄りくる太鼓橋 秋山信行 やぶれ傘 201807
雨戸引く音に寄り来る緋鯉かな 持田信子 春燈 201809
沙羅に水浄められたる緋鯉かな 山田六甲 六花 201908
緋鯉跳ね水しぶき又水しぶき 安斎久英 末黒野 201909
首洗ひ池に緋鯉の尾の涼し 笹村政子 六花 201911
緋鯉らにねだられてゐる手ぶらかな 田中春江 末黒野 202009
薄氷に真鯉緋鯉の息凝らす 五十畑悦雄 202104
木漏れ日の揺れか緋鯉の斑の揺れか 南うみを 風土 202209

 

2023年5月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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