旱梅雨(梅雨旱)      56句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
旱梅雨飢ゑた負け犬それのごとくに 熊谷みどり いろり 199908
旱梅雨壁の向うで錐使はれ 野路斉子 199909
歩まねば影の老いゆく旱梅雨 ほんだゆき 馬醉木 199910
酸欠の鯉浮き上る旱梅雨 黄川田美千穂 200007
少女の髪ほうきのごとし旱梅雨 竹内弘子 あを 200108
賑やかに駅の構内旱梅雨 福田みさを いろり 200108
ピヨピヨと信号鳴いて旱梅雨 石橋翠 いろり 200108
旱梅雨浮城うごめく秋津沖 佐藤恭子 あを 200109
旱梅雨都心三十六度を超し 安陪青人 雨月 200110
旱梅雨貝の浮きゐる庭の石 水野邦央 雲の峯 200207
網の藻を摘みては捨つる旱梅雨 山田六甲 六花 200207
梅雨旱仏壇を売るビルの街 土肥屯蕪里 雲の峯 200207
大川の波のぼりゆく旱梅雨 中道錦子 200208
老犬の睡り深くて旱梅雨 柳生千枝子 火星 200209
藤蔓のこんがらがつて旱梅雨 松岡隆子 200209
旱梅雨振ればからから茶筒の茶 藤岡紫水 京鹿子 200309
なにか芽の出てゐる畑や梅雨旱 青木陽子 酸漿 200409
旱梅雨母入院と退院と 椿和枝 200409
風船の折り方忘れ旱梅雨 米澤光子 火星 200409
胡麻竹の障子でありぬ旱梅雨 服部満 草の花 200410
旱梅雨うら山に雲とどまらず 岸本林立 雨月 200410
旅ごころ萎えてしまひし梅雨旱 久保晴子 雨月 200410
旱梅雨再検診の知らせあり 鈴木石花 風土 200410
旱梅雨口紅を濃く女来る 里中章子 200410
「心不全」の語のおぞましき旱梅雨 川崎光一郎 京鹿子 200411
排気ガス浴びつつ歩く旱梅雨 栗山恭子 帆船 200505
屋上にヘリポートあり旱梅雨 杉浦典子 火星 200508
旱梅雨ダムの底辺見えて来し 湊一春 築港 200509
梅雨旱鴉ひたすら土つつく 坂部尚子 栴檀 200510
獣園の真赤なホース旱梅雨 江本怜子 対岸 200510
自転車のぶつかつてくる旱梅雨 竹内弘子 あを 200708
旱梅雨川底歩む唖鴉 中村房子 馬醉木 200709
旱梅雨青年窓に腕あづけ 戸田春月 火星 200709
梅雨旱り玉を咥へて魚板朽つ 角直指 京鹿子 200711
虎杖の斑の衰ふや旱梅雨 浜福惠 風土 200810
厄割のかはらけ微塵梅雨旱 田中貞雄 ろんど 200909
脆座ふとんの片隅に座す旱梅雨 柿本麗子 200909
銀紙の飴をまた剥く旱梅雨 藤原冬人 火星 201008
鉄骨を投げ置く音や梅雨旱 荒井千佐代 201009
真実は曖昧にして旱梅雨 山田佳子 201109
高階に鉄材届く旱梅雨 高木嘉久 201109
竹林は風揉んでをり旱梅雨 松本三千夫 末黒野 201110
伏目してキリン近寄る旱梅雨 遠山みち子 201110
谷底へつづく石段旱梅雨 田中文治 火星 201309
真向かひに紅さす女旱梅雨 松村光典 やぶれ傘 201310
旱梅雨ひと駅間を目瞑れり 藤田素子 火星 201310
目の奥のしきりに乾く旱梅雨 遠藤逍遙子 風土 201310
シルバーシートはゆづり葉二枚旱梅雨 瀧春一 花石榴 201312
鯉跳ねし音の無頼や旱梅雨 山尾玉藻 火星 201407
後輩は白木の箱や旱梅雨 吉村摂護 201510
絶筆の赤かも夕やけ旱梅雨 定梶じょう あを 201608
終電車降りて散りぢり旱梅雨 荒木甫 201609
ピカソの貌はギクシャク旱梅雨 荒木甫 201609
ダム底の過去まざまざと梅雨旱 吉田政江 201609
旱梅雨現れし湖底に生ふるもの 大村峰子 万象 201709
旱梅雨しほしほと苗頭垂れ 大橋晄 雨月 201709
児の泣くこゑ児を叱る声旱梅雨 松本三千夫 末黒野 201710
隠沼の水のにごりや旱梅雨 小倉純 末黒野 201710
雅楽流るる九段の森や旱梅雨 石橋邦子 春燈 201809
つくり池水の錆びゐる旱梅雨 永田万年青 六花 201909
緑青の樋きはやかや旱梅雨 住田千代子 六花 201910
旱梅雨飛石白く暮れゆけり 田代貞香 202002

 

2023年6月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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