棒鱈 干鱈     40句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
棒鱈のほどよくほぐれ東山 岩井如酔 きりん 199805
こちこちの干鱈懐柔試みる 能城檀 船団 199903
棒鱈は欠かせず母の好みせば 大橋敦子 雨月 200003
今は遠き人の噂や干鱈焼く 土肥屯蕪里 俳句通信 200004
棒鱈の荒縄掛に月冴ゆる 岸恒雄 春耕 200104
棒鱈をここだく干して雪残る 行方克巳 知音 200106
棒鱈の棒の始るところかな 後藤立夫 ホトトギス 200204
ぼうぼうと火を焚き牧夫干鱈焼く 皆川盤水 春耕 200205
貌のない干鱈を包む新聞紙 丸井巴水 京鹿子 200303
棒鱈のつつかへ出たる水屋かな 山尾玉藻 火星 200311
歯がためにならず棒鱈よく煮えて 金森恭子 築港 200403
男来るぶ厚き干鱈手みやげに 鈴木政子 雲の峰 200404
干鱈煮る習はし今に夏祭 長谷川春 200409
老年期齢半ばを干鱈裂く 荒木甫 200505
炎天に干鱈を売るも会津なる 松崎鉄之介 200508
棒鱈を吊し客呼ぶ錦市 永井孔雀 200603
国境の風に干鱈の数千本 佐藤哲 万象 200605
新教師棒鱈背負ひ帰り来し 佐藤哲 万象 200606
棒鱈のねぢれ師走の錦市 森ひろ 馬醉木 200703
棒鱈の値を訊いてをる師走顔 鎌田篤 雨月 200703
漁師らの炙る干鱈や昼の雨 増田大 春燈 200706
棒鱈の尖りや父の頑固振り 小澤菜美 200902
棒鱈の飴色となり一の膳 松本文一郎 六花 201004
棒鱈のよぢれに年の詰まりけり 河崎尚子 火星 201004
干鱈裂く主婦の手練でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
棒鱈を打ちて怒りのやうなもの 齊藤哲子 201205
棒鱈を鋸でひきをり師走市 中村ふく子 201402
棒鱈の骨ばつてゐる空凍つる 辻水音 201403
風抜けて抜けて棒鱈がらんどう 田伏博子 ろんど 201403
干鱈の赤子のごとくかかへられ 安部康子 万象 201406
棒鱈を敵のごとく叩きゐる 秋千晴 201406
棒鱈を好きなれば煮てふたり住 佐用圭子 201503
棒鱈を裂くや嫁ぎて五十年 兼久ちわき 馬醉木 201705
干鱈の断末貌を持て余す 丸井巴水 京鹿子 202003
干鱈の断末貌を持て余す 丸井巴水 京鹿子 202003
考倣ひ伏見の酒と干鱈もて 今村千年 末黒野 202103
干鱈食む八〇二〇自前の歯 松下道臣 202107
干鱈裂く思ひ出二つ三つ四つ 亀田虎童子 あを 202203
棒鱈のはだかを買ひぬ年の市 升田ヤス子 六花 202204
海遠き産土を出ず干鱈裂く えとう樹里 202302

 

2023年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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