初富士     206句

初富士や草庵を出て十歩なる    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初富士の翼拡げて宙深し 菊池育子 遠嶺 199805
初富士の見えはじめたる空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 199811
初富士は琴柱の遠さ海の上 鷹羽狩行 199902
初富士に木花之開耶姫このはなのさくやひめに礼 大橋敦子 雨月 199902
初富士の爲の化粧をもうしたる 中原道夫 銀化 199902
初富士に鳥の空音を聞きとがめ 丸山海道 京鹿子 199903
初富士や飛機キラキラと詞華こぼす 石井雅子 海程 199904
閉ざされし荘初富士に抱かれて 稲畑汀子 ホトトギス 200001
初富士の見えて着陸態勢に 稲畑汀子 ホトトギス 200001
木々透かし見て初富士も庭のうち 稲畑汀子 ホトトギス 200001
初富士の見えねば心切りかへて 稲畑汀子 ホトトギス 200001
初富士へ裏木戸開けて真向へり 山本とみを 200003
初富士に二階笠雲祝ぎて湧く 林日圓 京鹿子 200004
初富士の浮かび出でたるゆふべかな 鷹羽狩行 200101
初富士の雲を脱ぎゆくところかな 稲畑汀子 ホトトギス 200101
初富士の裾をしづかに通りけり 亀井美奈美 いろり 200102
初富士や真っ直ぐつづく中央線 森理和 あを 200102
初富士や湖に影引く丹の鳥居 鈴木冽 春耕 200104
初富士へ真つすぐのびる鉄路かな 芳賀雅子 航跡 200108
初富士の見ゆる地に住みめでたけれ 能村登四郎 羽化 200110
初富士を見し喜びをひしと抱く 能村登四郎 羽化 200110
我が句碑の初富士を背に輝けり 松崎鉄之介 200201
盆中の初富士見んと身延線 松崎鉄之介 200201
初富士や不穏の気色寄せ付つけぬ 早崎泰江 あを 200202
初富士の裾野入れたる海の音 中原道夫 銀化 200203
初富士の白頭燦とありにけり 大橋敦子 雨月 200203
初富士や五百羅漢と握手して 菊池育子 遠嶺 200204
初富士に雲一つ無し書き記す 丸田安子 酸漿 200205
アルプスの峯に初富士影落す 栗田まさし 六花合同句集 200205
初富士の全き姿見し旅路 稲畑汀子 ホトトギス 200301
初富士も昼餉となりしふたりかな 嵯峨根鈴子 火星 200304
初富士の麗姿真近かに缶コーヒー 四戸和彦 八千草 200307
初富士の照り遍しや水掬ふ 小澤克己 遠嶺 200401
初富士の日の出にまとふ雪煙 阿部ひろし 酸漿 200402
初富士の遠く凪たる三番瀬 三橋泥太 遠嶺 200406
初富士に心正されゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
初富士に太陽の従うてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
初富士に日本の生活始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
初富士や新幹線を真一文字 鷹羽狩行 200502
端然と初富士都庁展望台 吉沢かねよ 帆船 200503
初富士を真正面に渚晴れ 鈴木あき子 築港 200503
裾野まで白き初富士湾に浮く 鈴木照子 200504
初富士の白の新鮮仰ぎけり 嶋田一歩 ホトトギス 200505
誰云ふとなく初富士へ行く支度 嶋田摩耶子 ホトトギス 200505
初富士のすつきりとあり旅の中 目黒慧 遠嶺 200505
初富士や一都二県の隔たりに 大平芳江 200505
初富士は白面の青年と見ゆ 中杉隆世 ホトトギス 200506
初富士や補聴器風に鳴つてをり 原田達夫 虫合せ 200506
街の灯の上に初富士明けてゆく 木村享史 ホトトギス 200507
初富士に工場地區の音止みぬ 瀧春一 菜園 200509
初富士は蓮の枯れゐる田のはてに 瀧春一 菜園 200509
海苔舟も見えず初富士なかぞらに 瀧春一 菜園 200509
初富士の白し葛西の海濁る 瀧春一 菜園 200509
初富士も大成丸も昔ながら 瀧春一 菜園 200509
初富士の近づく空路とる家路 稲畑汀子 ホトトギス 200601
初富士を見下ろす旅となりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200601
初富士や神が描きし雪の襞 林翔 200603
初富士にお髭のやうな雲一つ 林翔 200603
初富士へ直角の水尾高速艇 林翔 200603
初富士を望みすがしき朝の径 西氏宣子 遠嶺 200604
初富士や老いても高き志 古賀勇理央 百鳥 200604
初富士を近所のものとして住める 嶋田一歩 ホトトギス 200605
初富士を見てカルパッチョパスタ食べ 嶋田一歩 ホトトギス 200605
初富士を見てルノアールシャガール見 嶋田一歩 ホトトギス 200605
初富士の眞紅一瞬を心に留む 瀧春一 常念 200606
初富士も黄に片照りてうすづく日 瀧春一 常念 200606
初富士を刳りてふかき夕かげり 瀧春一 常念 200606
かしこみて初富士俯瞰してをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200611
初富士の所在うすうすしかとあり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
初富士の刃の反りを裾野まで 鷹羽狩行 200703
初富士や時ゆるやかに流れ出し 遠藤若狭男 200703
初富士に淡しと思ふ初日かげ 阿部ひろし 酸漿 200703
初富士や真青の空に鳶の笛 木暮剛平 万象 200704
初富士の見えざることを見て帰る 嶋田一歩 ホトトギス 200705
初富士や丸き地球に裾広げ 田中春生 200705
おだやかに初富士を見る夕なりき 瀧春一 200706
初富士や庵にて帯を選びをり 小澤克己 遠嶺 200801
初富士を正面いまが真正面 鷹羽狩行 200801
初富士の日の出を前に明りけり 阿部ひろし 酸漿 200802
初富士を遠富士にしたまま老いぬ 青山丈 200803
子の新居にて初富士を拝しけり 河本利一 200804
初富士の丸ごと見ゆる峠かな 内海良太 万象 200804
初富士の全容迫り来る日和 安原葉 ホトトギス 200805
初富士や夢を描きて道行かむ 松隈絹子 遠嶺 200805
初富士の特等席といふ軋み 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
基地の初富士黒人兵の寡黙にて 瀧春一 深林 200901
初富士を置くふるさとの海の上 片山由美子 200902
初富士のくつきり人も世も信ず 渕上千津 200903
まさをなる空に初富士欺かず 濱上こういち 200904
初富士や空も心も晴れ渡り 川口襄 遠嶺 200905
初富士を車窓にホトトギス社へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
初富士に空従つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
祝ぎの座へ全き初富士の車窓 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
初富士に面と向かひて初筑波 布川直幸 201001
初富士や明日の吾が身と思ひたく 森下康子 201003
初富士の裏表なき眺かな 小林朱夏 201003
初富士や疎林の中の甲斐の宿 片野美代子 酸漿 201003
初富士の見ゆと思はず歓呼せり 村上克哉 201003
百景の富嶽初富士恋ふ心 稲岡長 ホトトギス 201004
初富士に光の梯子かけたしや 吉野のぶ子 遠嶺 201004
まなかひに初富士拝し子の住まひ 荒原節子 201004
初富士やこの美しき天空率 佐藤美恵子 201004
初富士や合せ鏡をふところに 橋本良子 遠嶺 201005
初富士や旅の車窓の二十分 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
初富士や虚子山荘の木々高し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
初富士や目黒は坂の多き街 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
初富士やホテルマウント富士の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
初富士やここであなたと暮せし日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
初富士の稜線に景改る 稲畑汀子 ホトトギス 201011
初富士や出湯に素謡ひびかせて 北尾章郎 201103
初富士を見むと車窓に目を凝らす 山口キミコ 201104
初富士の全き姿上京す 稲畑汀子 ホトトギス 201201
初富士を枕にしたる寝釈迦かな 神蔵器 風土 201202
初富士のせり上がりくる峠かな 渡部節郎 201203
初富士のぐつと近づく西武線 上原重一 201203
初富士の胸高にある雲の帯 大木清美子 201203
初富士や箱根路走る白き息 川井素山 かさね 201203
初富士や映像仰ぎ龍の年 續木文子 あを 201203
初富士と畏れ多くも写真撮る 村高卯 201204
初富士やお薄を点つる母卒寿 森清信子 末黒野 201204
初富士に真向ふ翼欲しくなる 佐藤弘香 ろんど 201204
初富士を拝し背筋を伸ばしけり 佐藤忍 万象選集 201205
初富士へ御手ひろげしマリア像 須藤初枝 万象選集 201205
初富士やどこか窪んでゐるやうな 平子甲奈 万象選集 201205
真向ひに初富士拝む母訪ふ日 佐藤嘉洋 万象選集 201205
初富士に蔵す数多の命かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
初富士やいづこに立つも真正面 神蔵器 風土 201302
初富士の麗姿瑞祥とぞ思ふ 熊岡俊子 雨月 201302
東京に初富士拝む坂一つ 水原春郎 馬醉木 201303
十字路のかなた初富士浮かび出づ 上原重一 201303
初富士へ転舵の汽笛かがやかす 遠藤真砂明 201303
初富士は日本晴を背負って聳つ 木村茂登子 あを 201303
初富士や走者に風の容赦なく 鶴見董子 末黒野 201304
昼月を放り初富士なりしかな 河野美奇 ホトトギス 201306
初富士に対してをれば静ごころ 河野美奇 ホトトギス 201306
初富士は見ず大西日見て帰る 嶋田一歩 ホトトギス 201306
初富士や触れむばかりに鳶の舞 橋場美篶 末黒野 201304
羽衣の松初富士の長袴 秋場貞枝 春燈 201402
初富士や登坂車線ゆるゆると 辻美奈子 201403
初富士のネットに受信旅ごころ 森理和 あを 201403
初富士に車の速度落としけり 安永圭子 風土 201404
初富士の正面にある新居かな 小峯綾子 風土 201404
初富士をはるか空衝く電波塔 加藤静江 末黒野 201404
初富士を新幹線から満喫し 高野 綸 璦別冊 201408
一系の天子初富士世界に燦 天野みゆき 風土 201502
初富士や標高三七七六 神蔵器 風土 201503
初富士へおのづと頭垂れゐたり 水原春郎 馬醉木 201503
初富士を崇めし御坂峠かな 鈴木庸子 風土 201504
初富士や波立ち上がる駿河湾 森田節子 風土 201504
初富士の小さく遥かな大平野 岡安仁義 やぶれ傘 201504
初富士の全き姿揺拝す 岡安仁義 やぶれ傘 201504
初富士を浮かべ武蔵野明けそめぬ 山田春生 万象 201504
階を登り初富士真正面 須藤美智子 風土 201506
初富士の白さまばゆさ引き締まる 吉宇田麻衣 201508
初富士と思へば空路新しく 稲畑汀子 ホトトギス 201601
印象の消えぬ初富士なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201601
青々と蒼々と初富士の白 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
雪のなき初富士なれど霊高し 四條進 201603
初富士のぬつと顔出す九十九折 清部祥子 201603
環八より初富士くきり初墓参 斉藤裕子 あを 201603
初富士や込み合ふビルの間から 濱野新 やぶれ傘 201604
初富士や松が枝移る尾長鳥 森清信子 末黒野 201604
敷地より見ゆる初富士拝しけり 村上二三 201604
初富士や暁闇幕を開け初めし 河野美奇 ホトトギス 201606
初富士の変幻旅を語らぱや 稲畑汀子 ホトトギス 201701
初富士の旅も果せしことに足り 稲畑汀子 ホトトギス 201701
初富士に旅程組まれてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201701
初富士の全き旅路はじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 201701
初富士や沖波の紺極まれる 福永みち子 馬醉木 201703
酉年の初富士八重に羽開く 森岡正作 201703
初富士を二等分せリスカイツリー 甕秀麿 201704
初富士を仰ぎて威儀を正しゆうす 安野眞澄 201704
初富士を遥かに望む江戸往還 佐藤まさ子 春燈 201704
初富士を上りの窓に新幹線 正谷民夫 末黒野 201704
トランペット届け初富士真正面 落合絹代 雨月 201704
初富士に見下ろされゐて子ら遊ぶ 森なほ子 あを 201703
白波に湾のかなたの初富士よ 島田万紀子 馬醉木 201705
初富士に都心は黙を解かざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
初富士を仰ぎ心の足るを知る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
初富士を遠見に喜寿のこころざし 佐々木よし子 201803
初富士の遠くなるほど光りけり 近藤牧男 春燈 201804
西窓を額の初富士祝膳 森清堯 末黒野 201804
初富士の裾伸びやかに相模湾 北郷和顔 末黒野 201804
初富士といふものぞみの二十秒 藤井啓子 ホトトギス 201805
初富士や富士もう見えぬ富士見町 藤井啓子 ホトトギス 201805
初富士を伊勢の海より拝すかな えとう樹里 201806
初富士や箱根は暮れること早し 嶋田一歩 ホトトギス 201806
土地人として初富士を見る二箇所 嶋田一歩 ホトトギス 201806
初富士や新幹線の玻璃染めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
初富士を車窓に嵌めて里帰り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
初富士の白く明けゆく仔細かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
瑕瑾無き空初富士の画布として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
初富士に言葉貧しく対しけり 稲畑汀子 ホトトギス 201901
初富士をカヌー横切る速さかな 高橋まき子 風土 201903
初富士やひとむらの雲ありてこそ 篠原幸子 春燈 201903
初富士の裾をめくつてみたきかな 高橋将夫 201903
初富士や妻の手取りて五十年 田中嘉信 春燈 201904
初富士や歩む二人の磯伝ひ 大内由紀 末黒野 201904
初富士や波の溶け合ふ伊豆相模 安斎久英 末黒野 201904
初富士や切子光りの灘越しに 伊藤よし江 201904
初富士を天より拝す天女かな えとう樹里 201907
拳ほどの初富士を置くスカイビユー 酒井たかお 201907
初富士を笠雲迅し浦日和 平野無石 201907
初富士の白く輝く車窓かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
初富士の姿一瞬車窓より 湯本実 やぶれ傘 202006
初富士の朝心に調べ湧く 吉宇田麻衣 202006

 

2021年1月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。