初 鶏       93句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初鶏の声が雛なり耳澄ます 皆川盤水 春耕 199902
初鶏の岨に尾を曳く平家村 藤谷紫映 馬醉木 199904
初鶏の闇にしばらく眼を慣らす 鷹羽狩行 200002
初鶏にまだほの暗き雨戸繰る 山田千代 200003
初鶏ののんどつまらせ鳴きにけり 谷榮子 雨月 200003

 桑高清而句集『神の鶏』序句

初鶏の羽ばたきひびく山河かな

鷹羽狩行 200102
初鶏やしづまりかへる山の音 鷹羽狩行 200102
忘れゐし鶏鳴にして初鶏ぞ 阿部ひろし 酸漿 200102
初鶏を聞かんと居しが寝てしまふ 小川匠太郎 200201
初鶏の刻すぎてより牛の声 鷹羽狩行 200202
初鶏の声ぬばたまの闇おもふ 鷹羽狩行 200301
初鶏の二度寝うながす声かとも 鷹羽狩行 200301
初鶏や棚田々々の水明り 和田清 雲の峰 200303
初鶏や山々さそひあひて覚め 鷹羽狩行 200403
校舎より初鶏の声響きけり 岡田信雄 百鳥 200404
初鶏の火の声あげて闇の中 鷹羽狩行 200501
初鶏や校歌の山河まだ明けず 鷹羽狩行 200501
初鶏や川はきのふの水ならで 竹貫示虹 京鹿子 200501

 祝「耀」百号

初鶏のこゑ長堤にひびきけり

大串章 百鳥 200501
初鶏や雨戸にむかし節の穴 鷹羽狩行 200501

 「湾」三五〇号を祝して

初鶏や一湾に凪ゆきわたり

鷹羽狩行 200502
初鶏の鳴き代りしは山手かな 鷹羽狩行 200502
耳すますほど初鶏のはるかかな 鷹羽狩行 200502
初鶏や老いて牛後となるもよし 川崎光一郎 京鹿子 200503
初鶏やふはりふはりと白きもの 長谷川通子 雲の峰 200503
初鶏の首傾げ来るここここと 林典子 雨月 200503
初鶏や布留にしづけき鏡池 中御門あや 雲の峰 200503
初鶏や小鈴授かる年女 中村ちづる 雲の峰 200503
うつくしき初鶏を追ひ楼蘭へ 戸田和子 200504
初鶏やかつて農家でありし家に 禰寝瓶史 京鹿子 200504
初鶏の生みたる卵石上(いそのかみ) 河合佳代子 六花 200504
初鶏の小学校の横通る 大山文子 火星 200504
初鶏のこゑに明けゆく火山村 沼口蓬風 河鹿 200504
初鶏に先んじて泣く赤子かな 中村龍徳 200511
初鶏や山河覚めるにいとまあり 山仲英子 200601
初鶏の大きく谺したるかな 滝沢伊代次 万象 200601
初鶏に海蒼蒼と明けにけり 水田清子 200601
初鶏やあめつちはなほ真の闇 鷹羽狩行 200703
初鶏に応ふる鶏のなほ遠し 小山徳夫 遠嶺 200704
初鶏や墨絵のごとき厳島 重松早由未 200704
初鶏や裏木戸守るつつかひ棒 三柴怜子 200705
初鶏や鳴かねば神は遠離かる 宇都宮滴水 京鹿子 200801
初鶏や山河なほ一塊の闇 鷹羽狩行 200801
初鶏のこゑ襖絵の山河より 鷹羽狩行 200801
初鶏の高らかに闇払ひけり 高橋裕子 200805
初鶏の四五羽遊ぶや神の庭 久本久美子 春燈 200904
初鶏に目覚むる山河母郷なり 山本康夫 200904
初鶏の声の峰なすところかな 櫨木優子 200905
初鶏のこゑに目覚める父の郷 佐田昭子 ぐろっけ 201001
初鶏の産みたる卵集めをり 阿部月山子 万象 201003
初鶏のとさか混み合ふ鳥屋にかな 安達実生子 201004
初鶏や叱咤するごと朗々と 鴨下昭 201103
初鶏の小学校に刻をつぐ 竹生田勝次 風土 201104
初鶏の一声村を始動さす 佐藤山人 201104
初鶏や曙光の前を清めをり 新江たか ろんど 201104
初鶏の一声きりや洗面す 野沢しの武 風土 201106
初鶏の声上ぐ若宮大路かな 吉原田鶴子 万象選集 201205
初鶏や日本の未来告げるかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
初鶏や昭和の息吹残る村 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
初鶏や後継ぎのなき野のひかり 鴨下昭 201304
初鶏や刻を惜しむでをれぬ齢 田中貞雄 ろんど 201401
初鶏の一羽に里の目覚めゆく 廣太郎句帳 ホトトギス 201412
浄闇を踏み初鶏の長啼けり 布川直幸 201501
鳴き止めば初鶏に闇満ち寄せる 布川直幸 201501
初鶏や耀ふ山河現るる 王岩 あを 201501
初鶏の絶えて久しき農の家 井上信子 201502
初鶏や地球憂ひて高く鳴く 大口堂遊 春燈 201503
初鶏の声暁天を震はせり 下平しづ子 雨月 201505
初鶏や壁に滲みゐし放射能 鴨下昭 201603
初鶏の吉事真近き予兆かな 大文字孝一 春燈 201604
初鶏や闇引き締める鬨の声 涌羅由美 ホトトギス 201605
暁星を啄み初鶏の鳴きぬ 涌羅由美 ホトトギス 201605
初鶏や五重塔の影絵めく 山田佳乃 ホトトギス 201606
初鶏に境内の気の引き締まる 宮原悦子 雨月 201701
初鶏を鳴かせ旧家でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
初鶏に一ト年動き初めにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
初鶏の二度にペトロの憂ひかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
初鶏に句碑の歳月重ねゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
初鶏に東の空塗り替はる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
初鶏に天国の門開かるる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
初鶏や垂るる頭へ日のつつく 鈴鹿呂仁 京鹿子 201703
初鶏の呼応忙しき峡の邑 廖運藩 春燈 201704
初鶏の砂に羽搏てる名乗りかな 廖運藩 春燈 201704
初鶏を夢現に聴く不眠症 廖運藩 春燈 201704
外つ国に初鶏を聴く里心 廖運藩 春燈 201704
初鶏のあと竈火の匂ひけり 岩木茂 風土 201704
初鶏や紫煙仄かに峡一戸 高橋和女 風紋 201709
初鶏や生家の門を少し開け 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
初鶏を祈りの声と聞かまほし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
初鶏の声に勝れるややの声 苑実耶 202006
初鶏の長鳴き天の岩戸開く 小泉三枝 春燈 202103
初鶏の一声胎児目を覚ます 高橋将夫 202103
初鶏鳴一羽に続く二羽三羽 間島あきら 風土 202204

 

2023年1月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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