春 霙   51句

胸いたみ春の霙の降る日なり薬に噎せて伏して眼をとづ   石川啄木

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春霙褄あげてゆく芸者衆
岡田万壽美
俳句通信
200004
魚市の値札のにじみ春霙
多摩茜
春耕
200104
母の忌の兄訪ふ春のみぞれかな
服部幸
200204
渡り初め曇ときどき春霙
吉田明子
200305
春霙力饂飩の幟ばた
左官治郎
200306
トップ当選させたき人に春霙
物江晴子
八千草
200310
友の肩抱きて傘さす春霙
北島上巳
酸漿
200405
往還を湯の香奔れり春みぞれ
水原春郎
馬醉木
200405
春みぞれ問診へ嘘すこしつき
真塩実
200407
春霙小犬ばかりを構ひけり
瀬下るか
200505
春みぞれ舟屋そびらの家紋かな
能村研三
200605
小面に触れし昂り春みぞれ
大坪景章
万象
200606
祖師堂の比翼入母屋春霙
綿引よね子
200705
春みぞれ中也かぶりにベロア帽
山元志津香
八千草
200707
春みぞれ消え入りさうな魞二三
加瀬美代子
200805
馬槽うまぶねにふりこむ春の霙かな
根橋宏次
やぶれ傘
200804
カプチーノ春の霙を眺めつつ
奈佐幸子
200906
春みぞれ列車は加賀に入りけり
上谷昌憲
200906
結末の刃傷ざたや春霙
小澤克己
遠嶺
201005
馬槽にふりこむ春の霙かな
根橋宏次
やぶれ傘
201005
春みぞれ畑にざん悔の岩濡つ
禰寝瓶史
京鹿子
201005
春霙止み淋しさのどっとくる
田中藤穂
あを
201005
神の島春のみぞれに打たれけり
大山里
201006
つけつぱなしの門灯が待つ春霙
北川英子
201006
夫の忌の往復切符春みぞれ
森さち子
201008
春霙核の諸刃の怨めしき 山崎里美 201105
春みぞれ囚徒のごとく電車待つ 上谷昌憲 201106
震度5の余震幾度春霙 菅野蒔子 末黒野 201106
振り向けば障子の穴の春みぞれ 生田恵美子 風土 201106
雪となる春のみぞれの白馬村 林いづみ 風土 201206
春みぞれ古代瓦に布目あと 内海良太 万象 201406
日蓮遺墨頑固書体や春みぞれ 成瀬櫻桃子 春燈 201407
春みぞれ釣銭もらふ傘の内 柿沼盟子 風土 201505
本屋出づ春の霙に傘持たず 田中臥石 末黒野 201505
傾ぐ世を二人でなげく春霙 高橋道子 201507
校正の拭うて眼鏡春霙 荒木甫 201507
春霙越後の締めは塩にぎり 赤座典子 あを 201604
遠吠やにぎやか過ぎる春みぞれ 布川直幸 201604
点滴に養ふいのち春みぞれ 玉置かよ子 雨月 201605
春霙荼毘所への道一歩づつ 青木ちづる 201605
春みぞれしばし見とれて句を案ず 丹羽武正 京鹿子 201607
人恋へばおもかげのゆれ春霙 北川孝子 京鹿子 201705
良き映画終はりし午后や春霙 須賀敏子 あを 201705
春霙仏像展にゆくつもり 田中藤穂 あを 201705
結ばれし水仙の葉に春みぞれ 森なほ子 あを 201705
スナックの県政談義春霙 赤座典子 あを 201705
土濡れゆく今降り出せし春霙 田中藤穂 あを 201804
春みぞれ有平棒を滲ませて 田中藤穂 あを 201804
春霙俳人の訃の相継げり 田中藤穂 あを 201804
黒土を盛る植木鉢春霙 谷口律子 末黒野 201806
去る人の肩に弾けて春霙 松井季湖 202007
信号待つ間春の霙となりにけり 西岡啓子 春燈 202007

 

2021年3月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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