春の氷   42句

深山にはまだ雪ふかき松の風すそ野に春の氷とくなり   後鳥羽院

作品
作者
掲載誌
掲載年月
太陽を裏返したる春氷 山田六甲 六花 200003
春氷とてあなどれぬ厚さかな 野口年江 酸漿 200004
水の香の障子をとほす春氷 市場基巳 200005
うすうすと陽に濡れてゐる春氷 大泉伸 遠嶺 200005
藁しべを引くや着ききし春氷 岡井省二 200104
鍬浸けて春の氷をもたげたる 城孝子 火星 200205
搦手の春の氷でありにけり 深澤鱶 火星 200205
ビルの陰春の氷をみつけたり 小黒加支 酸漿 200205
煤のせて春の氷となりてをり 本橋墨子 200206
モナ・リザの微笑み春の氷かな 近藤喜子 200305
隠沼の浅き底見ゆ春氷 木村倫三 遠嶺 200405
春氷寝間着の父にひかりけり 城孝子 火星 200405
声明や呂川に厚き春氷 谷村幸子 200505
飛行機の音のかぶさる春氷 大山文子 火星 200505
春氷枯葉からめて田圃かな 長村雄作 栴檀 200506
垂れ下がるホースを銜へ春氷 田口たつお ぐろっけ 200602
雉鳩の居眠りながし春氷 井上信子 200605
坐忘とは岩に張り付く春氷 高橋将夫 200606
あきらかに鬼の泣きたる春氷 栗栖恵通子 200704
山の影追ひて解けゆく春氷 藤岡紫水 京鹿子 200705
雪つぶて春の氷に投げてあり 山田六甲 六花 200802
泡ゆらぎ春の氷となりにけり 南うみを 風土 200804
大根穴人参の穴春氷 雨村敏子 200805
春氷たしかに気骨あけにける 雨村敏子 200905
張りつめしこころあやふし春氷 冨松寛子 200905
琴の音の幽かに春の氷かな 堀江惠子 201006
万華鏡に一瞬の永久春氷 雨村敏子 201007
星空へ閼伽桶に張る春氷 雨村敏子 201205
掴み出すかごよりこぼれ春氷 田中佐知子 風土 201205
春氷踏みゆく式辞ふところに 石井耿太 火星 201405
かささぎの影のむらさき春氷 原田しずえ 万象 201405
春氷尾根向うより銃の音 広渡敬雄 201604
水伯の目覚めし春の氷かな 近藤喜子 201605
そのうちに笑ひはじめる春氷 井上菜摘子 京鹿子 201606
かささぎの影のむらさき春氷 原田しずえ 万象 201405
澄むといふ昏さもありて春氷 藤岡紫水 京鹿子 201704
春氷星のまたたき幾重にも 橋本順子 201705
足跡をかくすつもりか春氷 高橋将夫 201905
春氷つつけば沈む利休の忌 宮内とし子 202004
記憶なぞ当てにはならぬ春氷 寺田すず江 202005
棹立ちの馬の瞳や春氷 山田健太 風土 202107
春氷解けなば会はむたれかれに 赤石梨花 風土 202206

 

2023年2月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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