春子(春椎茸)    68句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春子干す青空に風少し出て 中野菊子 春耕 199906
海や春椎茸の白い影 小菅佳子 199907
軒に積む薪のあちこち春子生ふ 宮城島たか子 199907
職退きし友きて春子売りゆけり 柏倉ただを 海程 199908
出自ただ西方とある春子かな 中原道夫 銀化 200005
春椎茸ビニールハウスの光吸ふ 郡司野鈔 200006
笠の内しめらせてをる春子かな 山野みどり 銀化 200104
耳朶のやうな春子に育ちけり 飯塚ゑ子 火星 200105
美濃の友春子の生を土産かな 松崎鉄之介 200206
杉林の木洩れ日あびる春子かな 椙山正彦 200206
セロファンに包む春子の肌かな 高橋将夫 200206
雨不足ゆゑの小粒の春子なり 山本漾子 雨月 200206
婆たちで値段の違ふ春子売る 菅原庄山子 春耕 200206
人の世を離れしところ春子かな 鷹羽狩行 200303
中辺路の春椎茸の榾とこそ 稲畑汀子 ホトトギス 200403
日々採れる春椎茸の榾二本 稲畑汀子 ホトトギス 200403
朝市の春子の嵩でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200403
春子榾前からそこにあるやうに 稲畑汀子 ホトトギス 200403
大原の里や春子のほつほつと 木村てる代 雲の峰 200404
春椎茸シンプルに食ぶカフェテラス 芝宮須磨子 あを 200406
胎蔵や飛龍頭の具に春子ある 延広禎一 200407
春子榾の芽出しひつ掻き猿走る 望月知恵子 万象 200407
夫の遺せし大いなる春子採る 近藤くえ 200504
捨て日榾に噴きたる大き春子かな 篠田たもつ 対岸 200505
春子なり藪に育ちて傘大き 城戸愛子 酸漿 200505
石垣の上の家春椎茸育て 仙石君子 雨月 200507
峰火山裏に春子の榾組めり 坂部尚子 栴檀 200508
牛頭山や春子の頭ふたつほど 黒田咲子 200604
故郷や肉厚春子とはうれし 神谷孝子 対岸 200605
取れ立ての春子をひさぐ翁かな 小宮山勇 遠嶺 200608
方丈の雨に立てかけ春子榾 峯高子 万象 200608
出始めて春子の榾木子沢山 大畑善昭 200705
ふるさとや春椎茸を焼く匂ひ 渡邊美保 火星 200706
森の音聞きて春子の育ちけり 川上恵子 雨月 200706
春椎茸榾木朝々見て歩く 稲畑汀子 ホトトギス 200803
採れたての春椎茸を送り来し 稲畑汀子 ホトトギス 200803
まだ採るに早き春子と思ひつゝ 稲畑汀子 ホトトギス 200803
朝市の海辺春子に会ふも旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
捨て榾に春椎茸の太りをり 青野安佐子 200904
捨て榾に春子が一つ谷戸の風 岡田満壽美 夢のごとしと 200904
谷風や春子に白きふくらはぎ 中村恭子 200906
腰にくくる籠の中なる春子かな 生井慶子 万象 200907
春子採谿に水声ひびきけり 間宮あや子 馬醉木 200908
春子出づ光こぼるる杉林 田中佐知子 風土 201005
春椎茸小さきを残しつつ摘める 横川泰子 酸漿 201005
捨榾に春椎茸の大きかり 横川泰子 酸漿 201005
摘みたての春子に湿る袋かな 志方章子 蟋蟀 201203
脚太し短かしと愛で春子かな 原友子 201205
セシウムに捨てねば千の春子榾 植木緑愁 201205
観音の山ふところに春子榾 田中佐知子 風土 201207
原木の日裏に出でし春子かな 榎本桂子 万象 201207
今朝採りしばかりの春子瑞々し 山本漾子 雨月 201207
セシウムの多き春子やまた捨てて 千葉恵美子 末黒野 201208
春子の香天地無用に届きけり 風間史子 201305
家苞の春子に添へぬ檜の葉 庵原敏典 末黒野 201407
比良八荒榾に春子の菌を打つ 田中佐知子 風土 201411
春子売る関西弁の漢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
医者嫌ひ春椎茸を頼みとす 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
今日よりの旬は春子と大書され 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
切り落す春椎茸の太き足 志方章子 六花 201509
湧水のこゑの光りて春子榾 徳井節子 馬醉木 201605
捨て榾の福耳に似る春子かな 平野みち代 201605
ほかされし榾や春子の茎太く 西村まさ 万象 201607
家苞の春子息づく紙袋 加山ひさ子 万象 201608
春子採る白き襞より阿蘇の水 西川麻規 馬醉木 201707
行者過ぐ森の春子に目もくれず 田辺博充 201707
やはらかき土踏んできし春子榾 市村明代 馬醉木 201906
靄晴れて林道匂ふ春子榾 大橋松枝 202105
紙袋湿りてをりぬ春子かな 志方章子 六花 202106
春椎茸榾木に付いたまま売られ 佐藤稲子 やぶれ傘 202206
庵主さまお留守で春子なま乾き 南うみを 風土 202207
おほかたは雨の重さの春子採る 田辺博充 202306

 

2024年3月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。